2018/12/05

【NPSトップ企業に聞く顧客ロイヤルティ向上の秘訣2018】

銀行部門 第1位 住信SBIネット銀行株式会社様
~NPSを活用してお客さま対応の改善アクションから組織改革まで敢行~

NPSベンチマーク調査2018、銀行業界部門で2年連続の第1位に輝いた住信SBIネット銀行株式会社。2016年に経営戦略の重要な指標の一つとして導入したNPSを、今年は現場にも展開。カスタマーセンターでの改善成功事例をトリガーに、各部門にNPSによる改善PDCAを展開しています。フィンテックの旗手でもある同社の、革新的な経営戦略と、その中でNPSが占める位置づけについてお伺いしました。

NPS調査で課題対応を優先付け。満足度向上と業務改善を同時に実現

― 今回のNPSベンチマーク調査において、銀行業界部門で住信SBIネット銀行株式会社様が2年連続となる1位を獲得されました。誠におめでとうございます。
昨年は、NPS活用を、初めて経営戦略の中核に位置づけられたこと。そして、NPS分析で得られたインサイトに基づき、全顧客一律から、ロイヤルカスタマーを中心に据えたサービス展開へ不退転の決意で戦略転換を図られ、結果として大きな成果を収められたことをお伺いしました。お聞きしていても、画期的な年であったことが印象的でした。その後更にNPS活用を進めておられるとお聞きしています。

(右)住信SBIネット銀行株式会社 代表取締役社長 円山 法昭 様
(左)住信SBIネット銀行株式会社 フィデューシャリー・デューティー推進室長 松丸 剛 様

円山:昨年、NPSに基づいたカスタマーセンターに対する改善の取組みが成果を上げたことを受け、NPSを全部署で推進しようという気運が高まりました。この1年の間に、各部署では、自らテーマを設定して具体的に改善PDCAを回せるようになりはじめています。
例えば、前回のNPSベンチマーク調査の結果から、NPSを向上させるためには、カスタマーセンターが重要なキーであることがわかりました。そこで、まずそこから手を入れようということになりました。お客さまの声(VoC:Voice of Customer)全てを自動でテキストデータ化した上でデータマイニングをかけ、そこから改善点を見つけ出し、施策に落とし込むということをしました。
その結果、従来はお客さまに丁寧に対応することが重要だと考えていましたが、お客さまにとって本当に重要なのは"丁寧"ではなく、"早く"自分の問題を解決してほしい、ということがわかりました。 そこで、対応スピードを優先するように変えたところ、トークタイムが劇的に短くなり結果として、一人当たりの応対可能な電話件数が増えて受電率が上がり、お客さま満足度も上がりました。同時に効率化が進み、カスタマーセンターの体制スリム化にもつながりました。

お客さまを中心に据えて組織改編を実施

― 素晴らしい成果ですね。カスタマーセンターでのNPS活用が効果的なことは、他の企業での実績からも見えています。今回のような効率化のほかには、オペレーターの方のモチベーション向上にも効果的です。カスタマーセンターでは、一般的には問い合わせの中に、クレームやトラブル対応などもあり対応への苦心が日常ですが、NPSを導入することで、推奨者からの"うれしい"、や"ありがとう"など感謝の声が入るようになり、それがオペレーターの方の大きなモチベーション向上、引いてはお客さまへの対応向上にもつながっている、という効果が見られます。

円山:実はそれもあって、この9月に組織改編し、カスタマーセンターの一部機能を各事業部門に吸収統合しました。これ以上よくするには組織を変えるしかないと思いまして、自分たちで作った商品を、自ら売って、サポートもする運営に変えたのです。クレームやトラブル対応をカスタマーセンターに集約するのではなく、商品を作った担当者も対応して、みんなで責任をとる。それと同時に、数字が上がって成績で褒められるのは企画や営業だけ、という不公平さもなくそうと。なにより、部署を超えた伝言ゲームがなくなって、対応のスピードもさらに速くなりますしね。

― お客さま対応だけでなく、社内の環境を変えていくスピードも速いですね。

円山:常にイノベーティヴであるべきだと考えていますから。社員にもいつも「創造と変革以外は仕事ではない」と言っています。そういう意味ではカスタマーサービスのトークタイムを短くしたり、組織改編したりするのも、まさに変革ですよね。今まで正しい、当たり前だと思っていたことを変えたわけですから。

松丸:昨年のインタビューには「『顧客本位の業務運営』(フィデューシャリー・デューティー、FD)の取り組みを企業文化に定着させていく」とありました。その精神を今回の組織改編で展開したわけです。まだ改編したばかりですから、これからですね。

NPSの活用も新たなフェーズへ

― 全社的にNPSを活用されるようになり、その運営を効率的に進めるためにどんな工夫をされていますか?その中に、テクノロジーの活用はありますか?

松丸:昨年まではNPSの調査設計をするところに力点を置いていたのですが、今は分析活用してメッセージを読み取っていく、という段階にきています。分析活用の対象は、NPS調査データの他に、全件テキスト化したVoCです。テクノロジーを使えば、今自分たちで集計しているような膨大な量のテキストデータなどの統計処理が自動化でき、改善すべきメッセージ抽出に集中できるようになりますね。

円山:NPSの数字をみていくと、施策がダイレクトに結果に反映されていることを実感しています。NPSをベースに手を打って、結果がどうかはNPSで確認できるので、PDCAが回しやすいし、回すことの意味と結果が見えます。ですので、社内で実施しているNPS調査も、この1年で随分項目を入れ替えています。PDCAを回す中で、昔の基準からどんどんかわってきていますから。そういったことも含め、各部署が自分たちでフレキシブルかつスピーディにNPS調査が回せるようにするためのテクノロジーは導入を検討したいですね。

テクノロジーを武器に、お客さまに最もよいサービスを提供し続ける

― 今一番力を入れていらっしゃるのはどんな点なのでしょうか。

円山:いかに利便性の高い商品、サービスを提供できるかというところで、テクノロジーに徹底的に投資をしています。自分たちのテクノロジーを使って、お客さまに最高の商品とサービスを提供する、ということが最も重要だと思っています。

― テクノロジーを駆使して、お客さまにとって最高のサービスを提供することと、NPSは、車の両輪のようなものでしょうか。

円山:新しいモノやサービスを生み出すイノベーションは、誰もみたことがないもの、感動があるものを作らなければならないので、自ら生み出すものですね。一方で、既に出している商品やサービスは、NPSなどのお客さまの声やデータが非常に大事で、フィードバックをいただいて、それに基づいて改善していきます。

― 今後の展望については、いかがでしょうか。

円山:NPSベンチマーク調査の結果を見ていると、十分にまだ評価が上がっていない項目もあります。つまりお客さまごとに最適な提案ができていない可能性があると思っています。今後は、手数料が安いというような一律のサービスではなくて、パーソナライズ化されたレコメンドサービスがより重要になってくると考えています。
 例えば、法人向けにレコメンドサービスを導入したところ、1か月で法人融資の申し込みがそれまでの月の約30倍に跳ね上がりました。従来はお客様の申込みを受けてから最短当日での融資実行をしていたわけですが、今回事前の申込みなしにお客さま1社ごとに金利と金額をオファーし、最短1時間で融資が実行されるというサービスに変えたところ、すごい反響だったわけです。このためのAIの与信審査モデルは、自社で開発しました。
NPSから得られるお客さまの声を含め、よりデータを活用して、お客さまを深く知ることができるような仕組みを、検討しています。
ビル・ゲイツは「Bankingは必要だけど、Bankは必要ない」と二十数年前にすでに言っています。現在FinTechによる銀行のアンバンドリング化が進みつつありますが、本格的な変革はこれからであり、当社がその変革をリードしなければと考えています。当社は金融を核にしながら、金融を超えることを考えており、銀行業はその一部だと思っているのです。

― 本日はNPSの全社展開という貴重なお話をどうもありがとうございました。

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

NPSベンチマーク調査レポート2018【銀行】

NPSベンチマーク調査レポート2018
【銀行】

銀行業界のNPS(ネットプロモータースコア)およびロイヤルティ要因についてのレポートです。

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