2018/10/04

【NPSトップ企業に聞く顧客ロイヤルティ向上の秘訣2018】

クレジットカード部門第1位 楽天カード様~お客さまの声に耳を傾け、日本一のカードに~

NPSベンチマーク調査2018 クレジットカード部門で2年連続の第1位に輝いた楽天カード株式会社。同社を1位に導いた、お客さまに対する高いコミットメントや、NPSの指標の活用方法についてお伺いしました。

昨年よりも今年。スピード感をもって更に優れたサービスを提供し続ける

ー 今回のNPSベンチマーク調査において、クレジットカード部門で楽天カード株式会社様が2年連続となる1位を獲得されました。誠におめでとうございます。お客さまとの関係性といった観点で、特に心を配られた点や思いがあればお聞かせいただければと思います。

(右)楽天カード株式会社 代表取締役 副社長執行役員 業務本部・債権管理本部管掌 業務本部長 石崎 安雄 様
(左)楽天カード株式会社 執行役員 センター企画部 部長 カード審査部 部長 沼澤 宏郎 様

石崎:楽天カードが1位をいただくことができたのは、楽天市場をはじめとする楽天経済圏の中で、その利便性が高く評価されたからではないかと思っています。非常に光栄です。
楽天はインターネットを通じてあらゆるサービスを提供しています。その中で、クレジットカードは決済インフラとしてグループ内のサービスとの親和性が高く、楽天カードを介してポイントを貯めたり使ったりする楽しさを感じていただいた結果なのではないでしょうか。
楽天カードでは日々集まるVOCを体系立てて整理し、改善に取り組んでおり、改善が実現した内容はコーポレートページに公開して、お客様にお知らせしています。データを集めて課題をスピーディーに解決することも、IT企業として我々が得意とする分野です。お客様のご要望に応えていくことで、我々も一緒に成長できればと思っています。

― その中で、昨年と比べて広がった点や力を入れた点というと、どんな点がございますか

石崎:楽天カードは、昨年度ショッピング取扱高が6.1兆円に達し、トランザクションも非常に多くなっています。一方で、お電話でのお問い合わせは同業の他社様に比べると半分くらいしかありません。というのも、電話をしなくてもいいくらいFAQサイトを充実させているからです。結果として電話の混雑が緩和され、お問い合わせにも比較的スムーズに対応できています。また、チャットを活用した応対も進めており、このような効率化はオペレーションコストの削減の一助となり、最終的にはお客様へのポイント還元につながっているのです。
また、お客様向けサイト全般のUIも頻繁に改善し、明細の見え方やソートの仕方など、ここ1年でかなり変わりました。

沼澤:VOCの面では、引き続きお客様の声を全て網羅していく方針で取り組んでいます。お電話、メールに加えて、チャットやSNS、さらに、例えば「送信専用」のメールアドレスへ返信いただいた内容なども、お客様のお声として蓄積して、改善活動につなげています。データを収集する範囲はここ1年で、さらに広くなりましたね。

おもてなしの気持ちをもって、お客さまと向かい合う

― お客様の声を集めたうえで、ご要望などに素早く対応するためのシステムはどのようになっているのでしょうか。

沼澤:分析に長けた者、UI作りに長けた者など、若手社員を中心としてエキスパートを揃えた「CSプロモーショングループ」(以下CS部門)を設けています。お客様の声を集めるのはもちろんのこと、それを受けていかに改善するのかを整理し、各部門固有の課題は各部門で改善してもらい、全社横断的に整理するべき課題はCS部門で一手に預かるという形ですね。

石崎:クレジットカードというと、ベネフィットが多少違うところはありますが、基本機能は各社一緒ですから、やはりおもてなしの気持ちを持っていないと生き残れないと思っています。そこで、全社横断的なプロジェクトを発足し「我々のおもてなしマインドとは」ということを考えて、全社に発信する取り組みを行っています。プロジェクト設立から6年目を迎えて、このマインドも全社的に浸透してきました。
例えば、お客様の満足はコストと関連してくることが多く、本来は連動すべきNPSとKPIが、時には社内でコンフリクトする場合もあります。ただ、今は、おもてなしの発想が全社員に浸透してきているので、「いや、そこはKPIを変えるべきでは」と議論したり、「今はできないけど次はやろう」と、取り組めるようになってきています。

― おっしゃる通り、NPSは少し長い時間軸でみなければならない場合もありますね。ただ、必ず結果は出ますし、また、プロモーターが増えることで口コミによる売上が増えるなど、KPIと連動してきますね。
お客様の声を受けて改善された、具体的な事例を教えていただけますか?

沼澤:この1年間でいくつか取り組んできましたが、一つは「カード利用お知らせメール」の改善です。最近は、家族カードをお持ちになるお客様が増えてきて、家族カードの利用に関するお問い合わせも合わせて増加傾向にありました。これまで、本人カードと家族カード、どちらを使った際にもお知らせメールをもちろんお送りしていましたが、これまではそのメールに「どなたの利用分か」を明記していなかったのです。
お客様から「これは誰の利用分なの?」というお問い合わせが多いことから、お客様は「家族カードが使われた」という情報よりも「どなたが使ったか」という本質的な情報を求めていらっしゃることに気づき、さっそく実装しました。もちろん、その後はお問い合わせの数も劇的に減っています。

NPSは一番良いサービスを提供し続けるための重要な指標

― NPSをどのようにご活用されているかを教えていただけますでしょうか。

石崎:日本はアンケートを実施するとその結果がどうしても真ん中によってしまって、中庸になりやすいですが、NPSはある程度ストレスをかけて指標化しているので、色合いや差分が鮮明に出てきます。
我々はカード会社としてVOCを見ており、お客様の声に耳を傾けていますし、それ以外にも「カード会社の専門家としてこうあるべき」といった視点からもやるべきことがあると考えています。それら一つ一つを丁寧に対応した結果を、NPSを通じて確認するというプロセスができあがってきていますね。

沼澤:NPSでは同業他社と比較した立ち位置も確認できます。そういう意味ではNPSはとても便利なサービスだと思いますね。また、お客様の要望は変化するものなので、我々はお客様の声を、NPSというフィルターを通して、「改善したサービスはお客様が求めていたこととは違うんだな」と知るきっかけにもなっています。

石崎:我々は、NPSとES、CSを「3S」と呼んで、重視しています。NPSで1位をいただけたことは、お客様からの支持が形になって、社員も誇りに思っていると思います。

― 最後に、NPSやお客さまの満足というのは、経営的な視点からはどのような位置づけになっていますでしょうか。

石崎:「日本一のカードになりたい」という目標は、売上を伸ばすといった点では達成できるものだと思うのですね。ただ、この目標は何でもいいから数字を上げて達成するものではなく、むしろ、お客様が我々を支持してくださった結果が、売上やカード発行枚数に現れてくるという考え方が大事だと思っています。ですから、我々の目標は「洗練されたサービスを提供し続ける」という終わりのない挑戦です。そのサービスを経済的な合理性も保ちつつ提供し、ご支持いただく。そのためには、NPSが最も重要な指標であることは、間違いないと思います。

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

NPSベンチマーク調査レポート2018【クレジットカード】”

NPSベンチマーク調査レポート2018
【クレジットカード】

クレジットカード会社16社のNPS(ネットプロモータースコア)およびロイヤルティ要因についての分析レポートです。

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