2019/05/17

【NPSトップ企業に聞く顧客ロイヤルティ向上の秘訣2018】

セキュリティソフト部門 NPS 第1位 ESETセキュリティソフトウェアシリーズ(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)様
~お客さまの声から商品を改善。チーム一丸となってより良いサービスを提供し続ける~

NPSベンチマーク調査2018、セキュリティソフト部門で第1位に輝いたESETセキュリティソフトウェアシリーズ(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)。2年連続でお客さまから高い支持を得たESETの、この一年の取り組みについてお伺いしました。

NPSを意識する中での2度目の受賞

― NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査2018において、キヤノンマーケティングジャパン株式会社様が総販売代理店をされています、ESETセキュリティソフトウェアシリーズ(以下「ESET」)がセキュリティ部門で2年連続の1位を獲得されました。誠におめでとうございます。

(左)キヤノンマーケティングジャパン株式会社
エンドポイントセキュリティ企画本部 エンドポイントセキュリティ企画部 部長 輿水直貴様
(中左)キヤノンITソリューションズ株式会社
ITインフラセキュリティ事業部 ITインフラセキュリティサポート本部 本部長 加藤太士様
(中右)キヤノンマーケティングジャパン株式会社
マーケティング統括部門 セキュリティソリューション事業企画本部 本部長 山本昇様
(右)キヤノンITソリューションズ株式会社
ITインフラセキュリティ事業部 ITインフラセキュリティサポート本部 ポストサポート一部 部長 酒井正彦様

(以下敬称略)

加藤 : 昨年はこうしたNPSベンチマーク調査自体を意識していなかったため、1位と聞いて驚くとともに、”評価されてよかった”といった思いでした。それが2018年は2年目ということで、NPS指標について日頃から頭のどこかで意識するようになりました。このまま3年連続1位を獲得することを目指して、お客さまロイヤルティの向上を目指していきたいと思います。

山本 : 軽快な動作をはじめとした、ESETならではの商品力の高さに関してはずっと日々アピールし続けてきていますので、こうしてきちんとした評価として現れますと、我々がやってきたことは決して間違ってはいなかったのだと、報われる感があります。

お客さまの声をもとに改善活動を実施

― 昨年お話を伺った際、サポートセンターに寄せられるお客さまの声のフィードバックや、アンケートの実査、口コミのモニターなど、お客さまの声(VOC)を重視した様々な取り組みを行っていらっしゃいました。こうしたVOCの取り組みがこの一年でもたらした具体的な変化にはどのようなものがあったのでしょうか。

酒井 : 一つの例としては、VOCを参考にしてESETの導入(インストール)手順を変えました。かつては、ESETをご購入いただくと、まずユーザー登録をした後にインストールを行い、終了したらアクティベーションといった手順が必要でした。これらの手順をインストーラーやWEBを使い分けながら実施する必要があり、とりわけ年配のお客さまに負担を強いてしまっていたのです。そうした実態が製品アンケートを中心にVOCとして見えてきたため、インストール手順をバージョンアップのタイミングで変更しました。

― BtoCの顧客サポート改善プロジェクトに取り組んでいらっしゃいましたが、こちらにも変化はありましたか。

加藤 : メールやお電話等によるサポートに加えて、新たにチャットボットでもサポートを行うようにするなど、お客さまとの接点を広げていく取り組みを続けています。今後も、お客さまが使うデバイスの変化をしっかりと見据えながら、問い合わせ自体がハードルとならないように、新たなお客接点を持てるよう我々としてもチャレンジをしていく構えです。

― サポートはコールセンター主体で行われているのでしょうか。

山本 : はい、そうですね。サポートの種類としては大きく、個人向けと法人向け、それに個人向けの有償サポートの3つがあり、これらはコールセンターで行っています。またこれとは別に法人向けの有償サポートがあるのですが、この窓口は当社で行っています。

― コールセンターのオペレーターなどお客さま対応についての評価はどのように行っているのですか。

山本 : 電話の応答率やメール問い合わせに対する回答までのスピードなどをKPIとして設定し評価しています。これに加えてアンケートの内容もスコア化してこちらも評価に取り入れています。評価結果は、我々とコールセンターの管理者が見ておりまして、毎月集まってサービス改善に向けた議論を行っています。

加藤 : 最近は電話が繋がりにくいといったお客さまの声が以前と比べて少なくなりましたね。あとESETの利用者数は大幅に増えていますが、問い合わせの数は大きく変わっていませんので、製品の使い勝手も上がっている成果だと捉えています。どんなに丁寧なサポートを心がけていても、クレームというのは完全に無くすことはできません。ただし、製品に関するものであれば開発部門へと引き継ぎ対処してもらい、サポート内容に対するものであれば、同様のクレームが生じないようにするなど、クレーム内容に真摯に向き合いながら、日々改善の努力を続けていくことが重要であると認識しています。

酒井 : KPIをはじめこれまで試行錯誤を繰り返してきた経験を踏まえてみても、これからはNPSを評価軸に取り入れることにもチャレンジしてみたいと考えています。色々な取り組みをした結果として、NPSが上がっていくということかと思いますので、通知表の一つとして、参考にしていきたいですね。

グループ一体となって最大限の効果を発揮すべく組織再編を決行

― この一年の間にもESETは急成長を続けていらっしゃいますが、2019年1月から日本における総販売代理店がキヤノンITソリューションズ様からキヤノンマーケティングジャパン様に移られました。この狙いはどのようなところにあるのでしょうか。

山本 : 今回の組織再編の最大の目的は、キヤノンマーケティングジャパングループの持つ販売網を最大限に活かそうというものです。これまではグループ各社に企画機能が分散して存在していたため、セキュリティ事業の方針などもグループ内で統一が取りにくいという課題がありました。しかしESETの総販売代理店として最大限の力を発揮するためには、企画機能は当社(キヤノンマーケティングジャパン)へと集約するように再編した上で、統一化された戦略のもとで各グループ会社がそれぞれの役割を遂行していくべきだと判断したわけです。これにより先にお話したお客さまとの接点に関しても、より拡大してお客さまにとってのハードルを下げることが容易になり、ひいてはVOCを製品に反映しやすい体制になったと考えています。

― VOCを製品に反映しようとしたときに、組織再編前とは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

山本 : 例えば従来であれば、キヤノンITソリューションズ内の企画担当者がお客さまの声を聞きたいとなった場合には、まずはお客さまと接点のあるキヤノンマーケティングジャパンに打診して、そこから声を吸い上げてもらうといったステップが必要でした。それが再編後には、人員含めて企画機能はキヤノンマーケティングジャパンの中に集約されていますので、ESETだけでなくグループ内の企業が扱うすべてのセキュリティ製品も盛り込んだ上で、包括的かつダイレクトにお客さまの声に耳を傾けることができるようになったのです。

― ESETの各種施策に関わる意思決定はどのように行われているのでしょうか。

輿水 : 企画、営業、技術、サポートなどESETの関係部署の担当者が集まって話し合うプロジェクト会議を定例で行っていて、ここで大体の意思決定も行われます。会議の主目的は、アップデートプログラムのリリースのための準備事項を検討の上、スケジュールを組んで推進することと、製品に関する諸問題の解決です。この会議は製品ごとに実施していますが、それぞれ密に情報を連携しながら活動を行っています。部署間の連携も非常によいですね。

あらゆる意思決定でも最重視するのは顧客の声

― 最後に、今後ESETの事業展開に関して貴社の目指すところを教えてください。

山本 : キヤノンマーケティングジャパングループの企業風土として、常にお客さまの課題を主語にして考え行動する「顧客主語」というポリシーがあります。そのため、お客さまへのサポートや、お客さまとの対話を重視する文化というのはすべてのグループ企業に根付いています。ESETの事業に関しても、製品戦略や販売施策をはじめ、それらに関わる経営判断を含めたあらゆる意思決定の最重要な基準はあくまでお客さまの声です。もし、より良いお客さまの声が期待できると確信できたのであれば、たとえコストがかかっても躊躇なく実践していく──それがこの先も揺るぐことのない私たちの姿勢です。
 そして、私たちにとってのお客さまというのはエンドユーザーだけではありません。広くいえば各販売店もお客さまですから、その声にも耳を傾けています。こうしてお客さまの声を我々が集約してビジネス全体を引っ張りながら、さらに改善し続けていくことを目指しています。

― 2年連続でNPS1位という快挙が達成できた背景には、グループ全体に根付いたお客さまを第一に考える文化があることを強く実感できました。本日はありがとうございました。

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