過去5年にわたる全18業界のNPS®ベンチマーク調査の結果を基にした、NPS時系列分析レポートを発表しました。NPSが高い業界の特徴や、NPSが向上した業界におけるロイヤルティ醸成要因をレポートします。
対象業界(以下18業界)
銀行、生命保険、代理店型自動車保険、ダイレクト型自動車保険、対面証券、ネット証券、クレジットカード、QRコード決済、電力、都市ガス、MVNO・サブブランド、セキュリティソフト、アパレルEC、ネットスーパー、動画配信サービス、人材派遣、通販化粧品、プレステージ化粧品
2022年に実施した業界別NPSベンチマーク調査の対象である18業界について、業界平均NPSを比較したところ、最も高いのはプレステージ化粧品(-7.9ポイント)となりました。次いで、通販化粧品(-12.0ポイント)、ネットスーパー(-14.3ポイント)、アパレルECサイト(-20.1ポイント)が続き、化粧品業界や通販系業界でNPSが高い傾向となりました。
また、証券業界では対面証券よりもネット証券のほうが、自動車保険業界では代理店型よりもダイレクト型のほうが業界平均NPSが高く、ネット系の業界においてはNPSが高くなる傾向がみられました。
図:2022年における18業界別のNPS*(線は最大値および最小値)
※各業界のダウンロード資料にて詳細の分析結果をご覧いただけます
2018年から継続して調査を実施している9業界について、NPSの時系列推移を確認したところ、2018年から最もNPSが向上しているのは通販化粧品業界(10.2ポイント向上)、次いでネット証券業界(7.2ポイント向上)となりました。一方で、セキュリティソフト業界は2021年から2022年にかけてNPSが大きく低下したこともあり、-5.6ポイントの低下となりました。
(※セキュリティソフト業界のNPS低下の要因分析はダウンロード資料にてご覧いただけます)
図:9業界におけるNPSの時系列推移
NPSが大きく向上した通販化粧品業界について、各社のNPSの変化を確認したところ、対象の7社すべてでNPSが向上していることがわかりました。
通販化粧品業界においてNPSが向上した要因を把握するために、ロイヤルティ構成要素の満足度変化を分析したところ、「公式サイトや公式アプリの使いやすさ・わかりやすさ」の満足度が2018年から2022年にかけて上昇していることがわかりました。当該項目はロイヤルティへの影響度も上昇しており(相関係数が0.47から0.52)、デジタル接点におけるCXの改善がNPSの向上に寄与したとみられます。
さらに、対象の通販化粧品について、新型コロナウイルスの感染拡大前の時期と比べて、家族や友人・知人に 「お薦めしたい」あるいは「お薦めしたくない」思いに変化があったかを調査したところ、「以前よりもお薦めしたいと思っている」人のほうが「以前よりもお薦めしたくないと思っている」人よりも多い結果となりました。自由記述において「以前よりもお薦めしたいと思っている」人の理由をみると、「店頭で人に接触する事なくwebで注文でき翌日には商品が届くので、安全、手間要らず」や、「コロナになってからはじめて通販利用しました。はじめての利用だとお得に購入できたし送料も無料期間も長く、お店に行かなくても満足できたのでおすすめしたい」、「コロナが流行ると送料無料キャンペーンが始まり、店舗へ行けない消費者への気遣いが感じられるから」といったコメントがみられました。コロナ禍において通販の利便性が見直されたことや、各社の対応力が評価されたこともNPS向上の一因とみられます。
(※詳細のデータはダウンロード資料にてご覧いただけます)
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。