2024/12/18
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、セキュリティソフト業界を対象に顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答数は2,329件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象のセキュリティソフトの利用者が、友人や同僚、家族にそのセキュリティソフトを「どのくらいおススメしたいか」が分かります。
調査対象企業(アルファベット順、50音順):
ESET(キヤノンマーケティングジャパン)、McAfee(マカフィー)、Norton(ノートンライフロック)、ZERO(ソースネクスト)、ウイルスバスター(トレンドマイクロ)
対象のセキュリティソフト5社のうち、NPSトップはESET(-16.5ポイント)となりました。2位はウイルスバスター(-24.7ポイント)、3位はZERO(-27.3ポイント)となりました。5社の平均は-32.0ポイント、トップとボトムの差は33.3ポイントとなりました。
セキュリティソフト業界全体のロイヤルティを醸成する要素を20の項目で分析したところ、「サービスの信頼性」や「企業イメージ・ブランドイメージのよさ」といった企業やサービスのイメージに関連する評価のほか、「ウイルスの検出率など防御率の高さ」や「動きの軽快さ・処理速度の早さ」、「スマホ・タブレットへのインストールのしやすさ」といった項目がロイヤルティ醸成につながる要因となりました。
一方でロイヤルティ向上のために優先的に改善が期待される項目としては、「自分にあった製品や機能があること」となりました。批判者の自由記述においては「色々な機能があり過ぎ、使い方がよく分からない」、「設定などわかりにくい」、「自分がきちんと使いこなせていない」といった声もみられ、機能や操作において十分に使いこなせていないといった不満点がみられました。
このほか、ID管理や盗難防止機能などの「機能の充実」や「誤検出率の低さ」、また「更新時期のお知らせなどアフターフォローの充実」や「Webサイトのわかりやすさ」といった項目においても今後の改善が期待される結果となりました。
図:セキュリティソフト業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:
URL:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/securitysoft/inquiry/
NPS1位となったESETでは「動きの軽快さ・処理速度の早さ」の満足度が高くなったことに加え、「ウイルスの検出率など防御率の高さ」がロイヤルティ醸成要因となりました。2位のウイルスバスターは「お客様を守ろうとする姿勢・大切にする姿勢」や「サービスの信頼性」が、3位のZEROは「コストパフォーマンスのよさ」が高い満足度を獲得したほか、「自分にあった製品や機能があること」がロイヤルティ醸成要因となり、それぞれNPS上位となりました。
現在利用しているセキュリティソフトを検討した際の行動について調査したところ、「自分でセキュリティソフトを比較検討して購入した」利用者は63.1%、「知人・友人・家族、店頭の店員などにおすすめされて購入した」と回答した利用者は36.9%となりました。これらの行動別にNPSを分析したところ、「自分でセキュリティソフトを比較検討して購入した」利用者のNPSは-22.8ポイントと高い傾向となりました。
左図:セキュリティソフトを検討した際の行動
右図:セキュリティソフトを検討した際の行動別NPS
また、これらの行動別に該当のセキュリティソフトをどこで購入したか分析したところ、「自分でセキュリティソフトを比較検討して購入した」利用者の41.6%は該当のブランドのWebサイトで購入した一方、「知人・友人・家族、店頭の店員などにおすすめされて購入した」利用者の36.7%は家電量販店・パソコンショップの店頭で購入しており、検討する際の行動によって購入先についても異なる結果がみられました。
図:セキュリティソフトを検討した際の行動別にみた、該当のソフトの購入先
対象のセキュリティソフトにおいては、契約満了時に更新手続きが不要となる自動更新設定ができる機能の搭載もみられています。このことを背景に契約の自動更新の設定を行っているか調査したところ、46.0%の利用者が自動更新設定を行っている結果となりました。
自動更新設定の有無別に契約更新時における負担感を調査したところ、契約の自動更新設定をしている利用者では「負担感がなかった(「まったく負担感はなかった」、「負担感はなかった」、「あまり負担感はなかった」)利用者の割合は70.7%となり、他の回答者よりも高い割合となりました。
図:自動更新設定の有無別にみた、契約更新時における負担感
契約更新時における負担感別にNPSを分析したところ、「負担感がなかった」利用者のNPSは-13.3ポイントとなり、「負担感があった」利用者のNPSである-60.3ポイントに比較して高くなりました。契約更新時などにおいて、契約者の負担がないようにすることがロイヤルティ向上につながることが示唆される結果となりました。
図:契約更新時における負担感にみたNPS
現在利用しているセキュリティソフトから違うソフトへの乗り換えする予定はあるか調査したところ、「引き続き該当のセキュリティソフトを利用する予定である」と回答した利用者は78.0%となり、「該当のセキュリティソフト以外を利用する予定である」と回答した利用者は22.0%となりました。
図:今後のセキュリティソフトの乗り換え予定
「該当のセキュリティソフト以外を利用する予定である」と回答した人に対し、セキュリティソフトを乗り換える理由を調査したところ、「利用料金(更新料金・月額)に不満があったため」(41.5%)が最も高く、次いで「動作が重かったため」(20.7%)、「防御力・ブロック力・保護実感などに不安感があったため」(16.2%)が続きました。
図:セキュリティソフトの乗り換えを予定している理由
また乗り換えを検討しているセキュリティソフトについても調査したところ、32.9%が現在利用しているセキュリティソフト以外の「有料のセキュリティソフト」と回答した一方、Microsoftが無料で提供するセキュリティソフトである「Microsoft Defenderウイルス対策」と回答した人は26.7%となりました。また、「Microsoft Defenderウイルス対策」以外の「その他無料のセキュリティソフト」も併せると無料のセキュリティソフトへの乗り換えを検討している利用者は35.3%となりました。利用料金に対する不満からセキュリティソフトの乗り換えを検討することにつながり、かつ無料のセキュリティソフトへの乗り換えを検討している利用者が多い傾向がみられました。
図:乗り換えを検討しているセキュリティソフト
インターネットウイルスや脅威から身を守るために取り組んでいる対策について調査したところ、最も高くなったのは「不審・身に覚えのないメール・添付ファイルは開かない」(57.7%)となりました。次いで「不審なURLやサイトはクリックしない」(56.9%)、「セキュリティソフトの更新アップデートを頻繁に行うようにしている」(53.5%)と続きました。
対象のセキュリティソフトにおいて今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.6ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.9ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.7ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となりました。
図:推奨セグメント別継続利用意向
【セキュリティソフト】
※NPSの値は小数点第 2 位を四捨五入しており、同値の場合、ランキングで同順位としている
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。