2023/03/16
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、通販化粧品を対象に顧客ロイヤルティを図る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は2,502件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象の通販化粧品の利用者が、友人や同僚、家族にその通販化粧品を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。
通販化粧品会社7社のうち、NPSのトップはハーバー研究所(-2.0ポイント)、2位はASTALIFT(アスタリフト)(-7.0ポイント)、3位はFANCL(ファンケル)(-7.1ポイント)となりました。トップ企業とボトム企業の差は26.9ポイント、7社のNPS平均は-12.0ポイントとなりました。
ロイヤルティの要因を18の項目別に分析したところ、「効果・効能」や「使い心地の良さ」といった化粧品の品質に関する項目がロイヤルティを醸成する要因となりました。また、「有効成分の含有量が多い」、「無添加・添加物が少ない」、「商品の信頼性・安全性」、といった、成分や信頼性に関する項目に加え、「自分の肌質にあった商品がある」「自分にあったサイズ・内容量の商品がある」といった項目が挙げられ、ニーズに即した商品の提供がロイヤルティ向上に寄与することがわかりました。
一方で、「お客様の声に沿った商品・サービスの提供」や「目的に合った商品の探しやすさ」において今後の改善が期待される結果となりました。
図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/cosmetic/inquiry/
NPS1位のハーバー研究所は、業界全体のロイヤルティ醸成要素となった「効果・効能」や「使い心地の良さ」、「自分の肌質にあった商品がある」において高い評価を得ました。2位のASTALIFT(アスタリフト)においては、「有効成分の含有量が多い」や「パッケージや容器のデザインのよさ」が、3位のFANCL(ファンケル)においては、「企業イメージ・ブランドイメージのよさ」や「目的に合った商品の探しやすさ」が評価され、NPS上位となる結果となりました。
通販化粧品各社は、無料のサンプルや有料のトライアルキットの提供など、化粧品を試用する機会を作り、購入を促進する取り組みに注力しています。そこで、対象の通販化粧品の商品を試す目的で行ったことがある行動を調査したところ、「無料のサンプルを利用した」は57.0%、「有料のトライアルキット・トラベルセットを利用した」は20.4%であり、いずれかを利用したことがある人は68.9%となりました。
図:無料のサンプルや有料のトライアルキット・トラベルセットの利用経験
また、無料のサンプルや有料のトライアルキット・トラベルセットが対象の通販化粧品を購入する決め手となったかどうかを調査したところ、「無料のサンプルセット」が決め手になった人は33.9%、「有料のトライアルキット・トラベルセット」が決め手になった人は11.8%となりました。いずれかが決め手となったと回答した割合は41.6%であり、無料のサンプルや有料のトライアルキット・トラベルセットが化粧品購入の大きな決め手になっていることがうかがえる結果となりました。
さらに、無料のサンプルや有料のトライアルキット・トラベルセットが購入の決め手になったと回答した人は、そうでない人と比べてNPSが高い傾向がみられました。推奨理由の自由記述においても、「無料サンプルを試して自分に合ったタイプを選べた事で安心感が持てた」や「サンプルをいただくことができたので、実感したうえで購入できた」、「商品を購入するごとにサンプルが選べて、気になっている商品の使い心地が確かめられる」といった意見がみられ、無料サンプルや有料トライアルキットの利用が商品への納得感を醸成し、同一ブランドにおける他商品の購入を促進するなど、よりよい購入体験につながっていることがうかがえる結果となりました。
右図:無料のサンプルや有料のトライアルキット・トラベルセットが購入の決め手になった割合
左図:購入の決め手別のNPS
メイクやコスメに関する普段情報を普段どのように得ているかを調査したところ、最も高いのは「アットコスメ(@cosme)」(37.5%)であり、次いで「メーカーのサイト」(34.6%)、「友人や知人からの口コミ」(31.8%)が続きました。
また、2019年と比較して情報源の変化を分析したところ、「友人や知人からの口コミ」や、「テレビやラジオの番組や広告」、「雑誌記事や雑誌広告」、「新聞の記事や広告」といったリアルの口コミやリアルメディア広告は低下しました。一方で、「Instagram」や「YouTubeのコスメ関連動画」といったSNSは増加しました。年代別にみると、20代以下では「Instagram」が2019年と比較して12.4%増加し、39.4%と上位3番目の情報源となりました。メイクやコスメに関する情報源は、若い年代を中心にリアルの口コミや新聞・雑誌からSNSへと移行していることがうかがえる結果となりました。
図:メイクやコスメに関する普段の情報源
対象の通販化粧品において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は平均9.5ポイント、 「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.9ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.3ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となる結果となりました。
図:推奨セグメント別継続利用意向
【通販化粧品】
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。