2018/04/16

【NPSトップ企業に聞く顧客ロイヤルティ向上の秘訣2017】

セキュリティソフト部門 NPS 第1位 ESETセキュリティ ソフトウェア シリーズ(キヤノンITソリューションズ株式会社)様
~お客さまの声に耳を傾け、開発元と二人三脚でESETの急成長を実現~

NPS®ベンチマーク調査2017、セキュリティソフト部門で第1位に輝いた ESETセキュリティ ソフトウェア シリーズ(キヤノンITソリューションズ株式会社)。中欧・スロバキアからやってきた個性派ソフトを、日本市場に浸透させ、お客さまから高い支持を得た同社の戦略についてうかがいました。

「目利き力」でESETを発掘、「顧客主語」のポリシーと高い技術力で日本市場に旋風

― 今回のNPSベンチマーク調査セキュリティソフト部門において、キヤノンITソリューションズ様が総販売代理店をされています、ESETセキュリティ ソフトウェア シリーズ(以下「ESET」)が1位を獲得されました。誠におめでとうございます。
最初に、ESETの強みや、お客さまに支持される理由をお聞かせください。

(左)キヤノンITソリューションズ株式会社 ITインフラセキュリティ事業部 エンドポイントセキュリティ企画本部 企画部 企画一課 課長 輿水 直貴 様
(中央)キヤノンITソリューションズ株式会社 執行役員 ITインフラセキュリティ事業部 事業部長 近藤 伸也 様
(右)キヤノンITソリューションズ株式会社 ITインフラセキュリティ事業部 エンドポイントセキュリティ企画本部 本部長 山本 昇 様

(以下敬称略)

近藤 : ESETの強みとしては、価格が手ごろで動作が軽く、その上でしっかりウイルスなどの脅威を検知できるという基本性能になります。ESETは発売当初から、新機能を多数盛り込んできたので、何段階にも防御する「多層防御」を実装しており、それによって未知のウイルスにも対応できる防御力の高さを実現しています。
もうひとつは、当社が属するキヤノンマーケティングジャパングループの企業風土です。我々には、常にお客さまの課題を主語にして考え行動する「顧客主語」というポリシーがあり、グループ全社に顧客サポートや、顧客との対話を重視する文化がありますから、そういった想いとESETの技術面が相まって評価につながったのではないかと思います。

― ESETをどのように見つけられて、日本で広めていこうとお考えになったのでしょうか。

近藤 : 2000年頃の主なセキュリティソフトは、PCの動作が非常に重くなるなど、マシンスペックがなかなか追いつかない状況でした。動作の軽いセキュリティソフトのニーズを感じ、ソフトを探していたところ、ヨーロッパのIT展示会「CeBIT」でESET社と出会い、2003年より販売を始めました。当時のESET社はまだ30名ほどの会社で、「知る人ぞ知る高性能ソフト」という位置づけでした。技術力は高いものの、その他の面ではこれから、といった段階でしたので、画面デザインからパッケージのデザインまで、あれこれ意見を出しながら一緒に開発して、育ててきたソフトです。
今でも、マーケティングやサポートセンター、セールスだけでなく、技術的な検証だとか、ラボを作ってウイルス情報の発信など、当社としても様々な取り組みをしています。

当初は無名のESETがヘビーユーザーによるネットの口コミで認知を拡大

― まだ知られていなかったESETが、ここまで支持される製品になるまで、色々ご苦労もあったのではないでしょうか。

山本 : まずは製品名をどう認知していただくか、ということに苦労しました。

近藤 : 認知度が低かったため、使っていただければ良さが分かりますということで、体験版を積極的に配布しました。
その後はネットでの評判から知っていただけるようになりましたね。丁度ネット上の口コミも浸透し始めた頃でしたから、インシデントが起きた時に「ESETは検知していた」という口コミが広がり、注目され始めました。通好みの製品だったのでヘビーユーザーが多く、ネット上で口コミされやすかった上、口コミへの信頼度も高くなっていました。サーバーがダウンするかと心配するくらい、一気に体験版へのアクセスが殺到しました。

― NPSでいうプロモーターレベルのファンが口コミをしてくれると、3人に1人くらいは購入につながる、ということがデータで検証されています。まさにそういった形の拡散ですね。

お客さまの声を改善活動やESET社への要望にも反映

― お客さまの声、VOCはどのような形で取り入れていらっしゃるのですか。

輿水 : グループ会社のキヤノンカスタマーサポート株式会社が運営しているサポートセンターに集まるお客さまのフィードバックや、アンケートなどを参考にしています。口コミも重視しており、掲示板やQ&Aサイトなどに記載されているESETの評判を、モニターしています。集まった声は共有して、改善活動につなげています。

近藤 : キヤノンカスタマーサポート社はプリンターやカメラのサポートを長年行っているため、ノウハウも蓄積されており、サポートも充実しています。

山本 : 発売当初は製品の良さで広まるのではと考えていましたが、いかに製品が優れていても、VOCをしっかり聞かなければお客さまは離れていってしまいます。この数年は、BtoCの顧客サポート改善プロジェクトに取り組んでいます。

― VOCは、ESET社でのプロダクト改善にどうつながっているのでしょうか。

山本 : 次バージョンの仕様検討の際にVOCから集約された要望を伝えるようにしています。法人向けでは、開発チームが日本でもクライアントを直接訪問し、その際ヒアリングした内容が多数プロダクトに反映されています。

コンシューマー向けのKPI指標としてNPSに期待

― 顧客ロイヤルティを測るにあたっては、何を指標とされていますか。

輿水 : ライセンスの更新率です。ただ、法人のお客さまは問題ないのですが、個人のお客さまだと難しいところもあります。お客さまによっては更新をせずに新規購入をするケースも見られます。

近藤 : 更新率が測りにくいという事は課題だと感じています。そう考えると、NPSのようなベンチマーク調査が一番適しているかもしれないですね。

― NPSへの期待値を教えてください。

近藤 : 顧客満足度などのコンシューマー向けの指標からは、改善や成果につながる具体的なアクションが見えにくい。そういう意味で、NPSが上がると売上が上がる、という相関関係が過去の事例から明らかになっているという話については、興味があります。

― 日本でNPSを活用される企業では、NPSスコアと売上など経営成果との相関関係や、プロモーターを増やすことで伸びる売上のシミュレーションなどを行い、実際に使えそうだということを確認してから、NPSを顧客ロイヤルティマネージメントのPDCAとして導入される企業様が多いですね。

近藤 : NPSが下がれば、売上は下がるといったことも言えるかと思います。そういった意味でもNPSはウォッチしていきたい指標です。

お客さまに安心できるサイバー空間を提供するためにESETと共に成長を目指す

― 最後に、今後ESETに関して取り組みたいこと、貴社の目指すところを教えてください。

近藤 : 国内のセキュリティソフト市場において確固たる3番手を目指すべく、ブランドイメージ向上や製品ラインアップ拡充など、やるべきこと1つ1つに取り組んでいこうと思っています。
また、当社としてはキヤノンマーケティングジャパングループのお客さま全体のセキュリティを高いレベルで維持し、安心できるサイバー空間を提供することがミッションです。当社の取扱製品を組み合わせてミッションを遂行する、それがESETの成長と相まって進んでいくようにしたいと考えています。

― これだけ優れた製品と皆様の熱意があれば、今後も成長を続けていかれると信じております。本日はありがとうございました。

【インタビュー後記】by NPSベンチマーク調査担当
NPSベンチマーク調査2017セキュリティソフトから読み取れる、ESET(キヤノンITソリューションズ)の特徴

NPSベンチマーク調査2017セキュリティソフトでは、サービスの信頼性、購入のしやすさ、防御率のよさ、アフターフォローの充実など、12の要因別に重要度および満足度を聞いています。ESET(キヤノンITソリューションズ)は「動きが軽快」で、満足度が突出していました。また、「防御率が高い」、「コストパフォーマンス」についても業界トップレベルの評価を得ていました。ESET(キヤノンITソリューションズ)が高評価を得ていた項目は、いずれも重要度が高いにも関わらず満足度が伸びなかった項目となっており、ニーズが高い部分での評価が高い結果となりました。
また、「推奨者」の推奨理由(自由記述)としても、「軽くて作業の邪魔をしない」「セキュリティが優れているにもかかわらず比較的軽いソフトだから」といった、ソフトの軽快さに関する推奨理由が多数見られました。また、「PCからスマホまで5台で利用できるので、使い勝手が良くコスパがいい」、「動作が軽い。 Androidのスマホにも対応している。 価格も手ごろ。」といった、品質に対するコスパのよさを上げる内容も、推奨理由として多くあがっていました。

Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。