2018/04/06

【NPS®トップ企業に聞く - 顧客ロイヤルティ向上の秘訣】

トラベル部門 NPS 第1位 株式会社 ジャルパック様 ~安全・安心を基盤に、お客さまのハートを掴む商品開発に注力~

NPSベンチマーク調査2017、トラベル部門で第1位を獲得したジャルパック。近年、国内外のオンライン旅行会社が参入するなど、競争が激化するトラベル業界にあって、利用者からの高い評価が集まったジャルパックの取り組みについてお伺いしました。

ブランド力と商品力に強み

― ジャルパックは、NPSベンチマーク調査2017トラベル業界部門で第1位となりました。顧客ロイヤルティで高い評価を得られている御社ですが、この調査結果についてはどのように捉えられていますか。

(左)株式会社ジャルパック 代表取締役社長 藤田 克己様
(右)NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 代表取締役社長 塚本 良江

(以下敬称略)

藤田:外部の方から高い評価をいただいたことは、とてもありがたいことだと思います。多くのお客さまからご支持をいただけた理由を考えますと、JALという強力なブランドが、その大きな力になっていることは間違いないと感じています。ジャルパックは1964年にできた国産としては初となる海外旅行ブランドで、長い歴史をJALと共に培ってきました。

― 調査の結果を見ますと、「ブランドイメージの良さ」に加え、「サービスの信頼性」「プランの品質の信頼性」、「柔軟なプラン設計」でも業界トップクラスの評価です。ブランド力に加えて、ジャルパックとしての強さの源泉は何でしょうか。

藤田:ひとつには商品力。それに加えてここ数年、顧客満足度を上げていく工夫をいろいろとやっています。それらが融合して、満足いただけているのではないでしょうか。
商品力で言うと、世の中のトレンドやニーズ、中・長期的な変化を、マーケティング本部で捉え分析をし、新商品の開発に注力しています。例えば、働く女性や、一人旅をしたい女性が増えているのを踏まえ、女性だけが参加できるツアーを企画したところ、好評を博しました。こういった、世の中のトレンドの先を見据えた新商品を作っていくのが大事だと感じています。
実際ジャルパックはそれができていると思いますね。お子様連れでも気兼ねなく利用できる家族連れ限定のファミリージェットですとか、ペット同伴のツアー等も、即完売するほどの人気商品なのですが、社員の発案から生まれています。
同時に、JALが協賛している人気の高いテーマパークの商品を作るなど、グループの資産を活用できることも他社にはない大きなメリットです。

「安全」という付加価値を通じてお客さまとの信頼性を築く

― 顧客満足度を上げていく工夫というのは、どのようなものですか。

藤田:顧客満足度を高める施策は、多重構造で取り組んでおります。まずベースとしてVOCがあります。顧客サービス本部がお客さまの声を集約して部門に落とし、部門で完結できるものは部門で意思決定して対応いくのが基本です。
さらに、3年ほど前に私が委員長となり、「安全CS推進委員会」を設置しました。この委員会には名称に“安全”が付いていますように、旅行は今、「安全・安心」がとても重要で、安全とCS(注:カスタマー・サティスファクション、顧客満足)の両方への取り組みを重視しています。お客さまの声のうち、会社全体で意思決定しなければいけないものについては、こちらの委員会で議論を行い、対応しています。
安全とCSの取り組みとしては、海外にいるランドオペレーターさん(注:旅行先のバスや鉄道、レストランなどの手配、予約を行う専門会社)への教育というのも重要になってきます。本社のCS 部門の社員が定期的に海外まで足を運び、ジャルパックのCSポリシー、経営ポリシー教育の徹底を行っています。
また、全社的にCSを考えていけるよう、2年ほど前より、若手社員が1年間CS活動を行うCSリーダーミーティングという取り組みも始めました。

― 御社がCSに取り組む上で、課題となっていることはありますか。

藤田:弊社は、自社の旅行商品を他の旅行会社さんに売ってもらうホールセラーなので、顧客接点が少なく、お客さまの声としては、コールセンターや、添乗員から寄せられる声などに限られてしまっています。それを踏まえた上で、どのように顧客満足度を高めていくかが、CS本部の役割であると考えています。

JALではKPIとしてNPSを導入

― 顧客ロイヤルティは、経営指標においてどのような形で反映されているのでしょうか。

藤田:業績の評価指標、KPIとしては、顧客満足度を使っていますが、実際のところ悩ましいところがありますね。旅行業界の場合、さまざまな外的要因によって評価が変わるため、アンケートの収集時期による変動が大きく、どう評価を受け止めればいいかという難しさがあります。添乗員の方が最後に配るアンケートはほぼ満点になりやすいなど、アンケートの取り方による違いもあります。第三者機関による調査の場合は、弊社のターゲットと回答者が合致しているのか、また、評価が自分たちの商品なり、会社の行動のどことつながっているかが見えにくいというのがあって、難しいと感じています。

― NPSでは、重要度と満足度の相関関係を見ることができます。お客さまが重要だと思っているけれども、満足度が低いところはアクションを最初に起こさなければならないというようなことがリアルタイムに分析されて見えてきますので、アクションにつながりやすいという特徴がありますね。

藤田:JALでは今年からNPSをKPIにしていまして、自社の顧客に対してNPSアンケートを実施し、来年は今年の数値よりも改善していくことを目標とする、としています。ジャルパックとしても、JALグループの一員として、NPSの指標については、研究を進めているところです。

JALフィロソフィと共にお客さまに向き合い、ロイヤルティを高めていく

― 今回の調査結果にもつながると思うのですが、社員の方々の意識がとても高いように感じます。それはやはり「JALフィロソフィ」が徹底されているということでしょうか。

藤田:JAL経営破綻を機に新しい経営哲学として作られた「JALフィロソフィ」は、「人間として何が正しいか判断する」、「土俵の真ん中で相撲を取る」、「売上を最大に、経費を最小に」など日常の業務でも引用されることが多いですね。「JALフィロソフィ」を基に、社員は謙虚な気持ちを忘れず、お客さまへの感謝の気持ちを持ち続け、向き合っていくことが大切です。

― 最後に、今後の経営方針についてお聞かせ願えますか。

藤田:ジャルパックは”安心と品質の「いい旅、あたらしい旅。」をお客さまに喜んでいただき、平和で豊かな社会づくりに貢献する“というのが企業理念です。経営方針としては、まさにその追求だと思っています。
今はネットでバーチャルな世界がすすんでいますから、我々旅行会社の企画担当は、それを超えた商品作りが求められます。そのためにはプロとしてのマーケッターをもっと育成していかなければなりません。我々経営陣としては、社員がどんどんチャレンジしていける環境を整え、社員の背中をしっかりと押せる仕組みを作らなければならないと考えています。
また、社員個人の成長があってこそ、会社の成長につながります。旅行業界の労働環境には様々な課題がありますので、社員をバックアップし、社員が安心して働ける環境づくりをしっかりとやっていきたい。ジャルパックがそのリーダー的な存在になれるように、今後も頑張っていきたいと思います。

― 今後のますますのご活躍を期待しております。本日はありがとうございました。

【インタビュー後記】by NPSベンチマーク調査担当
NPSベンチマーク調査2017トラベルから読み取れる、ジャルパックの評価の高さ

NPSベンチマーク調査2017トラベルでは、旅行会社のイメージ、商品ラインアップ、プラン設計、コストパフォーマンスなど、購入までの一連の流れにそった、14の要因別に重要度および満足度を聞いています。ジャルパックは「サービスの信頼性」、「プランの品質への信頼性」、「支払いの安全性」といった信頼性に関する項目や、「柔軟なプラン設定」、「ブランドイメージ」といった項目で業界トップの評価を得ていました。
また、「推奨者」の推奨理由(自由記述)としても、「安心安全であり、サービス等も充実しているから」、「信頼できる企業だから」といった、信頼性に関する内容が多数推奨理由にあげられていました。「よく利用していて、いつも満足している。エアーはJALが中心で、添乗員の質がよい。プランも日程がゆったりしている」、「ホテルが旧市街地などの中心地なので夜も楽しめてよい。見どころもはずさないので、企画は非常によいと思う」など、企画内容やサービスについてもお薦めする理由となっていました。同時に「ホテルと飛行機がセットのプランなどはお得」、「同じ内容ならほかのブランドよりも価格安く、添乗員の質もよい」といった、コストパフォーマンスのよさやお得感も、魅力としてあがっていました。

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

NPSベンチマーク調査レポート2017【トラベル】

NPSベンチマーク調査レポート2017
【トラベル】

従来型・オンライン型を含む旅行会社12社のNPS(ネットプロモータースコア)およびロイヤルティ要因についての分析レポートです。

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