2017/10/11

【NPSトップ企業に聞く顧客ロイヤルティ向上の秘訣2017】

自動車保険業界 NPS 第1位 セゾン自動車火災保険株式会社様 ~NPS導入でより一層“選ばれる”保険会社に~

NPS®ベンチマーク調査2017、自動車保険業界部門で見事第1位を獲得したセゾン自動車火災保険株式会社。他社とは一線を画すターゲット設定や、ユニークな商品ラインアップで成長を続けてきました。同社のこれまでの戦略や、社員ひとりひとりの「ビジネス感覚」を高めるというNPSの活用方法、また、経営的な視点から見たロイヤルティ向上と利益についてお伺いしました。

40代50代をターゲットにしたダイレクト型「おとなの自動車保険」で急成長を実現

― セゾン自動車火災保険様は、NPSベンチマーク調査2017の自動車保険業界部門で見事第1位となりました。
この素晴らしい成果をあげられた御社の取組みについて、お聞かせいただければと思います。
セゾン自動車火災保険様は、自動車保険市場の成長をはるかに上回るペースで成長されています。この成長を支えている戦略をお聞かせください。

(右)セゾン自動車火災保険株式会社 代表取締役社長 梅本 武文 様
(左)NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 代表取締役社長 塚本 良江

(以下敬称略)

梅本:ダイレクト型保険は日本で導入されてから20年になりますが、シェアはまだ自動車保険市場全体の7%台後半。海外と比較して日本市場の伸びはなだらかなのが現状です。
そんな中、当社が市場を上回る成長を達成できたのは、商品やサービス面の効果が大きかったのではないかと思います。通販型保険では最後発で市場参入したので、これまでダイレクト型のターゲットとされてきた20代30代ではなく、事故率の低い40代50代をターゲットとし、保険料の水準を低く設定しました。スマートフォンがターゲットとした世代に想定以上に広がったことも、上手く流れに乗れたことの一因です。また、ダイレクト型保険で不安に思われることが多い事故時の対応についても、ALSOKさんと提携しすぐに事故現場に駆けつけるというサービスや、当社への事故連絡がスムーズにできる「つながるボタン」のサービスなど、お客さまへの「安心の見える化」が訴求できたのではと感じています。

― 「おとなの自動車保険」を筆頭に、「ALSOK事故かけつけサービス」や「つながるボタン」と、次々に打ち出されるヒット商品はどのように生まれているのでしょうか。

梅本:仕組みとしては、デザイン思考という考え方に近いですね。お客さま目線でカスタマージャーニーマップを作成し、何が支持されるのか検討していく。「つながるボタン」を考えるにあたっては、お客さま目線で見た場合、安心の見える化をどのような形にしたら、ご評価いただけるのかを明確にしていきました。
また、契約のお申し込みの99%を占めるウェブサイトについては、お客さまのご意見を把握したうえで、現場レベルでPDCAを回し改善を続けています。
苦情や新たな視点についてのご意見は、私を含む経営陣が全員毎日見ています。日々、経営レベル、現場レベルでPDCAを回すことが定着しています。

― 現場と経営トップが一緒になってお客さまの声を聞き、それをお客さま目線で商品やサービスに落とし込む。さらに、お客さまの声に日々寄り添いながら改善を続けることが、支持される商品・サービスにつながっているということですね。

NPSを通じて会社全体で顧客接点での意識を高める

― NPSを活用されているとお聞きしました。そのきっかけはどういったところでしょうか。

梅本:NPSの活用は、当社は今年から始めたところです。今までやっていたCS(顧客満足)は、苦情を代表とするマイナス評価を改善する要素が強かったように思います。一方NPSは、推奨レベルを目指すという行動を定着させることにより、「お客さまから選んでいただく」ことで売上げを伸ばすという、プラス加点も加わるところが特徴だと思います。プラスとマイナスの両方で見えるのが大きい。CSだけでは、推奨度の9点、10点はなかなか取れない。お客さまの期待を上回るところがないと推奨はしていただけない。
通販型保険は、基本的にセールスができず、インバウンドで契約をいただくので「選んでいただく」ための構造を、すべてのお客さまとの接点で作っていく必要があります。ですので、通販型保険というのは代理店型保険以上に、すべての顧客接点にいる社員がビジネス感覚を持たないとダメだと思いますし、それを浸透させるツールとして、顧客ロイヤルティやNPSは相性がよく、かなり重要視した位置づけで考えております。また、NPSは指標を見ながら、各部門がベストな形で改善対応を選択できる手段だとも思っています。

― NPSを通じ、会社全体で顧客接点での意識を高めているのですね。中でも、既存のお客さまと長期的な関係を構築するために展開されている施策などお聞かせください。

梅本:もともとは価格の魅力で入ってきている方も多いので、それ以外の魅力でお客さまに継続いただくという流れをつくらないといけないという思いは強いですね。NPSでいいますと、悪い口コミを減らすというところから、良い口コミを増やすためにどうしていくか、というところが大事になってきます。
施策の仕組み部分では、これまでの話に出たような、安心の見える化やデジタル化。また、ウェブを頻繁に改善し、事故に遭遇した場合の補償に関するご説明や、金融機関としてお金に関わるアドバイスなどを、メール発信するなど、契約後も接点を持つ仕組みを心がけています。
お客さまとの“人”での接点部分では、コールセンターやサービスセンターの対応品質をいかに上げていくかがポイントです。事故などは、契約数が増えると当然増えるので、人手の育成が追いつかないところはあります。そこは当社が所属するSOMPOホールディングスグループの強みで、損保ジャパン日本興亜からの出向者を増やすなど、経験者の配属もしています。同時に、内部事務処理部分の効率を上げるための仕組みも構築しているところです。

顧客ロイヤルティと利益の両立で更なる成長へ

― 顧客ロイヤルティを向上させようとすると、コストがかかると言われます。御社のビジネスの中で、顧客ロイヤルティを向上させるということと、利益率を上げることは、両立できるのか、またはどちらかを優先させていくのでしょうか。

梅本:どちらを優先するかよりも、どう両立させていくのかを考えてやっています。キーワードは「選択と集中」です。たとえば、事故の受付は、グループベースで24時間365日いつでも対応できる体制を作っています。一方、コールセンター業務は、9時から18時が対応時間となり、オペレーションサイドとしては交代制無しで回せるシフトを組んでいる。営業時間延長のご要望を受けることもありますが、一方で、受電率をしっかりと高め、土日の対応、メールでも問合せを受け付けるなど複数の方法で補完し、工夫しながら両立を進めています。

― セゾン自動車火災保険様が目指される今後の姿や方向性など、教えていただけますでしょうか。

梅本:まず“人によるサービスのご提供”であるお客さま対応については、社内で掲げている、ブランドメッセージが基本となります。コールセンター部門や事故時対応の部門を中心に、「自分のことを一番良くわかってくれている保険会社」、「自分のための最適商品を選ぶために必要十分な相談に乗ってくれる保険会社」、「自分のための最適な事故対応サービスを提供してくれる保険会社」というメッセージを浸透させていっています。
次に、独創的で革新的な商品・サービスを本当にご提供できるか、というのがチャレンジ項目としてやっていかないといけない。
それらを推進するための企業文化として言っていることは「褒める文化を浸透させよう」ですね。当社は社員の65%が20代、30代という非常に若い会社。ですから若い人たちが力をどんどん出せるような経営をやっていこうと考えております。採用に関しても、今年は新卒を多く採用しました。来年以降も若手の採用は新卒メインに積極的に実施する方針です。デジタルや新サービスを考えるのも、若い人の発想のほうが豊かで褒めるともっと面白いアイデアも出てくる。そこに期待もしております。
経営としては、当面は規模拡大のために成長を優先し、契約を2020年度までに倍増することが目標です。それに向けて、商品サービスだけではなくて、販売方法等も含め新たな取り組み、新技術の導入などを試行錯誤しながら、やっていきます。今後も、お客さまの目線を大切にしながら、トップラインとボトムラインの双方で目標を達していきたいというのが今目指すべきところです。

― 「選んで頂く」ために、顧客接点に関わる全社員が、経営も現場も一緒に、日々お客さまの声を聞き、ビジネス感覚を持つよう、NPSをはじめとした仕組みや文化を創り推進している。それがセゾン自動車の強さの源泉ですね。本日は貴重なお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。

【インタビュー後記】by NPSベンチマーク調査担当
NPSベンチマーク調査2017自動車保険業界の結果から読み取れるセゾン自動車火災保険の強み

NPSベンチマーク調査では、自動車保険に関連した13の要因別に満足度を聞いています。セゾン自動車火災保険は、インタビューでもご説明のあった「保険商品の魅力」や「ウェブサイトの使いやすさ」、「コストパフォーマンス」といった項目で、業界トップの評価を得ていました。また、「手続きの簡単さ」、「最適なプランを簡単に探すことができる」、「補償内容や保険金請求条件の説明のわかりやすさ」、といった、わかりやすさに関連した項目の満足度も高くなっていました。

「推奨者」の「推奨理由」としても、「事故率の低い年齢の方には保険料も安く、明確だから」、「保険料が安いが、必要最低限の補償がしっかりついている」といった、コストパフォーマンスや商品の魅力についてのコメントが多数みられました。「事故になったらALSOKが駆けつけてくれるのが安心」など、ALSOKに関連したサービスも好評で、推奨理由の一つとなっていました。

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

NPSベンチマーク調査レポート2017【自動車保険】

NPSベンチマーク調査レポート2017
【自動車保険】

自動車保険会社12社のNPS(ネットプロモータースコア)およびロイヤルティ要因についての分析レポートです。

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