2021/12/09

【NPSトップ企業に聞く顧客ロイヤルティ向上の秘訣2021】

生命保険部門・生命保険請求体験部門 第1位 ソニー生命保険株式会社 様
~デジタル化の推進とコンサルティングフォローの強化でロイヤルティ向上を推進。NPSの活用で顧客満足度調査では汲み取れないお客さまの声と向き合う~

NTTコム オンラインNPSベンチマーク調査2021「生命保険部門」「生命保険請求体験部門」の2部門で第1位に輝いたソニー生命保険株式会社。前回受賞後に実施したNPS調査で得られた改善アクションとして、コンサルティングフォローの強化に取り組んだことに加え、業界の中でも先駆的にデジタル化を進めたことで、さらなる躍進を遂げました。また、ソニーフィナンシャルグループ全体としてもNPSの活用を進めており、顧客満足度では捉えきれなかったお客さまの声と向き合うことにも取り組んでいます。ソニーフィナンシャルグループの中核企業としてのNPSの取り組みや、今後の展望についてお伺いしました。

ライフプランナーという存在

―受賞おめでとうございます。2017年に受賞されたときのインタビューでは「NPSを活用した改善アクションの明確化による、顧客ロイヤルティ向上の取り組み」について伺いました。今回は、生命保険部門と、生命保険の請求体験部門の2部門での受賞ですが、受賞された要因についてのお考えをお聞かせください。

インタビュー受け手
ソニー生命保険株式会社
・営業統轄本部 支社コンサルティングフォロー推進部 コンサルティングフォロー推進課
 統括課長:西﨑 孝史 様
・経営管理部 VOC推進課
 統括課長:福田 直人 様
保険オペレーション本部 オペレーション企画部 業務プロセス企画課
 兼 DX戦略部 DX戦略企画課
 長谷川 佑 様

西﨑 : ありがとうございます。
2017年にNPSベンチマーク調査で第1位の評価をいただいた後、NTTコム オンライン様に、当社のお客さまを対象としたNPS調査をお願いしました。
その結果、お客さまの推奨度には、ライフプランナーとお客さまとのコンタクトの頻度に強い相関があるということ、また、推奨度の高いお客さまでも、時間の経過によってロイヤルティが徐々に低下してしまうという、推奨度向上につながる2つの要因に辿り着きました。
これらの結果も踏まえ、当社では電話やメール、また直接の面談といった手段別の必要頻度に応じたコンサルティングフォローと、その中身であるフォローの質を追求する取り組みを、ここ3年間で強化してきました。
この取り組みを通じて、ライフプランナーとお客さまとのアクティブな関係が築けたことや、当社で独自開発したビデオコミュニケーションシステムの「C-SAAF Remote(サーフ リモート)」によるリモートコンサルティングにより、新型コロナウイルスの感染拡大により外出制限がある中でも、お客さまからの多くのご相談にお応えすることができました。
また、従来煩雑となっていたお客さまに給付金や保険金をお届けする請求体験においても、デジタル化を通じた手続きの短縮化を進めたことで、お客さまから高い評価をいただいております。
これらお客さまからの幅広い声やニーズに応えられるように、コンサルティングフォローの強化やデジタル化に取り組んできたことが、今回の2部門の受賞につながったものと捉えております。

―お客さまの多様なニーズを汲み取り対応していくことはライフプランナーの負担も大きく、大変なことだと思いますが、どのような工夫をされていらっしゃるのでしょうか。

西﨑 : お客さまの状況やニーズはご契約後も変化していきますので、コンサルティングフォローにおいては定期的な確認が基本的な活動となりますが、多くのお客さまを担当するライフプランナーにとっては負担が重く、手が回りきらない部分もあります。
このため本社がライフプランナーから委託を受けてお客さまへの定期確認を代行する「サポートコール」という仕組みを取り入れています。
また、お客さまのライフスタイルや状況の変化、ご契約内容の不明点などについて、ツールやアプリで簡便にご回答いただける仕組みもデジタル化により実現しました。

デジタル化を推進し、お客さまのニーズに応える

―ライフプランナーをサポートしていくにあたり、デジタル化へのお取り組みについてもお聞かせください。

西﨑 : 前述した当社独自開発のビデオコミュニケーションシステム「C-SAAF Remote」を2020年6月にリリースしました。
従来、面談はお客さまのご自宅やお勤め先などへの訪問が主でしたが、共働き世帯が増え在宅時間が短くなったことや、ご自宅にセールスパーソンを招くことに抵抗感があるお客さまのニーズ等に対応していく必要がありました。
また、当社のライフプランナーは地域別での区分を設けていないノンテリトリー制を採っているため、お客さまが遠方に転居されても、継続してコンサルティングフォローできるツール開発が必要でした。
「C-SAAF Remote」は、端末やアプリに依存しないブラウザーでのビデオ通信であることに加え、お客さまご自身で入力・操作が可能なインターフェイスとなっています。
生命保険契約や保全に必要な手続き行う際は、画面共有によりライフプランナーがサポートしながらお客さまご自身に操作いただきます。重要事項説明などの重要なシーンについても、お客さまにご理解いただいたうえで、ご自身で確認結果ボタンを押していただく仕様となっています。
「C-SAAF Remote」の開発着手は2013年で、そこから7年にわたり試行錯誤を繰り返しながら準備を進めてきました。このことから、新型コロナウイルスの感染拡大が進む中においても、お客さまにライフプランナーのコンサルティングをお届けする体制を早期に取ることができたと思っています。

長谷川 : また、お客さまの保険会社の選定理由として、保険金・給付金のお支払いに関するサービスを重視する傾向もあることから、ペーパーレス化や、分かりやすい請求手続きの体験の提供を目的として、2021年2月より「ダイレクト請求サービス」という手続方法も新設致しました。
今まで保険金・給付金の手続きは、ライフプランナーがお客さまと直接面談をして手続きする流れでしたが、「ダイレクト請求サービス」では、お客さまが保険金・給付金の請求手続きをオンライン上で完結出来る仕組みとなっています。
「ダイレクト請求サービス」をご利用いただくことで、お客さまからの請求のご連絡からお支払いまでの所要日数を減らすことができ、早ければご請求手続きを頂いた当日中に、保険金・給付金のお支払いをすることができます。
また、給付金の簡易請求の取り扱い範囲を広げ、多くの給付金請求で入院や手術後に貰える領収書や診療明細書等だけで請求手続きを進めることを可能にするなど、お客さまの請求手続にかかる負荷を減らす取り組みを行っています。

―これらデジタル化推進のお取り組みは、業界としても先駆的な例のように思います。導入の際は苦労された点もあるかと思いますが、どのように進めていかれたのでしょうか。

西﨑 : デジタルツールをお客さまにご利用いただくにあたり、まずは社内でのリモート活用を強化しました。
コロナ禍で開催できていなかった表彰式をリモートで実施したり、社内研修にもリモートを積極的に活用し、社内での体験を増やすことで少しずつ浸透を進めていきました。
また、ライフプランナー全員にお客さまとリモート面談を実施するための研修の機会も設け、今ではリモートを積極活用するライフプランナーによるオンラインセミナーが全国各地で開催されています。
お客さまの表情の変化や会話の間などリモートでは捉えにくい部分もありますので、すべての場面においてリモートが有効とは考えていませんが、遠隔地のお客さまとのリモート面談、訪問がはばかられる夜の時間帯のリモート面談が増加しているところを見ると、リモートの強みがどのような点であるのかが明確になってきました。
新型コロナウイルスの感染収束後においても、リモートやデジタル化はより加速していくと思います。多くのライフプランナーの知見を積み上げて、リアルとリモートを融合させた新時代のプロセスを確立していきたいと思っています。

NPSで改善サイクルをより高度化させる

―NPSに対してのお考えやお取り組みの方向性、期待されていることについてお聞かせください。

福田 : 今年度からスタートしたソニーフィナンシャルグループの中期経営戦略の中で、「お客さま目線経営のさらなる進化」をひとつの柱とし、社内全体でNPSをお客さま満足度の向上等を詳細に計測・分析する指標として活用していきます。
現状では主に外部調査のアンケート結果や、当社で年に1度行っている顧客満足度調査から得られた声を分析して、各部門の施策立案を行っています。さらに、NPSを活用することで注力すべき改善アクションの具体化・優先順位の明確化がより可能になると考えており、今年度の顧客満足度調査ではNPSに関する設問を拡充しました。
調査については、定点的に行うリレーショナルの調査と、お客さまが体験を忘れないタイミングで行うトランザクショナル調査の接点が一般的な改善サイクルの回し方ですが、当社では今までリレーショナル調査を主として実施してきました。
今後はNPSを取り入れたトランザクショナル調査についても本格的な実施を検討しており、これら2つの調査を効果的に行うことでお客さまの声を活用した改善サイクルを高度化させていきたいと思います。

―どのような点で顧客満足度調査とNPSの違いを感じていますか。

福田 : 顧客満足度を軸とした分析においては「ソニー生命の担当者を紹介したいですか」といった、お客さまの推奨意向にフォーカスせず、満足度の高さに注目することが主となります。
一方で、NPSの推奨意向という切り口でも分析をすると、同じ顧客満足度のスコアとなっていても、実際に経験された顧客体験やライフプランナーのフォローした内容によって、お客さまの意識や感じ方・受け取り方に差があることが見えてきました。
NPSを軸とした調査では、これら推奨意向による差異をつかむことができ、従来の顧客満足度調査との違いを感じております。

―前回のベンチマーク調査ではライフプランナーの説明の分かりやすさが推奨理由として主となりましたが、今回の調査においてはコンサルティングフォローに関連した推奨理由が多く見られました。

福田 : 新型コロナウイルスの影響で、改めてお客さまがコンサルティングフォローを望んでいることが実感出来たと思います。
今までは、3年に1度、あるいは2年に1度のペースで面談していましたが、直接会えなかったお客さまにも1年以内に電話やメールといった手段でのコミュニケーションを推進してきました。
コンサルティングフォローを受けたお客さまは満足度が高い傾向にあり、それが今回の調査結果に表れたのだと感じています。当社の顧客満足度調査においてもコンサルティングフォローの推進による満足度の向上が見られました。

ソニーフィナンシャルグループとしてのシナジーを高め、更なる顧客ロイヤルティ向上を進めていく

―最後に、顧客ロイヤルティを向上させていくことに対しての、今後のお取り組みや方向性について教えてください。

福田 : 今まで当社は、「人のやらないことをやる」というソニースピリットを原動力に、ライフプランナーという他社にない強みで成長してきました。
今後はNPSを活用したトランザクショナル調査も実施していくことで、新型コロナウイルスをはじめ、これからも日々変わっていく外部環境や、お客さまのニーズの変化に対してスピード感を持って対応していきたいと思います。
また、顧客ロイヤルティの向上を図っていく上では、お客さまの声に向き合うことも重要です。お客さまから頂いたご意見を改善に繋げることの重要性について、社内全体に浸透させていく方針です。
従来通りお客さまの声に真摯に向き合い、NPSを活用した改善サイクルの高度化を進めることで、さらなるロイヤルティ向上を図っていきたいと思います。

西﨑 : また、ソニーフィナンシャルグループとしてのシナジーを高めていくことにもより一層取り組んでいきます。
生命保険にご契約いただいたお客さまには、あらゆるリスクへの対策やより豊かな生活のために、グループとしてサービスを提供していきます。当社のライフプランナーはソニー銀行の住宅ローンや、ソニー損保の自動車保険や火災保険の取り扱いが可能で、3社のサービスを横断的にご提供するグループの重要な役割を担っています。
今回の受賞により、2021年度はソニー損保・ソニー銀行・ソニー生命の3社共に第1位という大変光栄な評価をいただきましたので、これを維持・向上できるよう、今後もNPSやデジタルを更に活用していくことでお客さまのニーズに寄り添い、幅広いコンサルティングフォローをご提供していくことで、さらなる顧客ロイヤルティ向上に努めていきたいと思います。