ビジネストランスレーターとデータサイエンティスト、
プロ同士の連携で最良のカスタマーサクセスを

NTTコミュニケーションズ プラットフォームサービス本部
データプラットフォームサービス部

デジタルトランスフォーメーション実現に貢献し、ICT活用による経営課題の解決やスマートな社会の実現に取り組むNTTコミュニケーションズ。そのソリューション提案をデータドリブンなものへとシフトさせたのが、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションによるデータ分析支援でした。ここでは導入経緯と活用の様子について、プラットフォームサービス本部 データプラットフォームサービス部の左部氏、上田氏、本案件を担当する当社データ&アナリティクス部 データサイエンスチームの大島による座談会形式でうかがいました。

[お話を伺った方]
NTTコミュニケーションズ プラットフォームサービス本部 データプラットフォームサービス部
左部 真也 氏

NTTコミュニケーションズ プラットフォームサービス本部 データプラットフォームサービス部
上田 愛実 氏

※取材時点(2022/5)での組織名であり、2022年7月からは「NTTコミュニケーションズ プラットフォームサービス本部 クラウド&ネットワークサービス部 データプラットフォームビジネス推進部門」と組織変更されています。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション データ&アナリティクス部 データサイエンスチーム
大島 耀 氏

※取材時点(2022/5)での所属及び役職名となります

左から「大島氏」「上田氏」「左部氏」

目的
  • データを活用し、お客さまの満足度を上げるような提案を実施したい
  • お客様が求めているものをデータから把握し、タイムリーにソリューションを届けたい
課題
  • ターゲット顧客、取り扱い商材、提案のためのデータ、あらゆる要素の数量が増え、限られた人員と従来の営業手法ではさばききれないほどに
効果
  • 自社が持つビジネストランスレーターとしての知見と、NTTコム オンラインによるデータ分析支援の相乗効果で、提案の質・量・タイミングすべてが改善へ
  • 組織全体のデータドリブンな事業活動への関心を高めるきっかけにも

自社の提案営業活動を改善するためにデータ分析支援を導入

― 左部氏、上田氏のご所属先であるデータプラットフォームサービス部(以下「DPS部」)と、ご担当業務についてお聞かせいただけますか。

左部氏 : DPS部は主な業務としてデータ利活用サービス、ネットワーク、クラウドといった商材を取り扱うプロダクト部門です。また、主力製品としてこれらのサービスを取りまとめた「Smart Data Platform(以下SDPF)」という、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するためのプラットフォームを提供しています。その中で私たちのチームは、中堅中小層をはじめとした幅広いお客さまに対し、営業担当と連携してお客さまの課題をヒアリングし、SDPFを用いたソリューションをご提案する活動を担当しています。

― データ分析支援サービス導入のきっかけはどのようなことだったのですか。

左部氏 : 私の所属するチームはアライアンスの方々を含めても二十数名ほどですが、担当範囲にあたる企業様は数十万社にものぼります。従来は担当者ごとの人脈や経験、当社で主催しているセミナーの参加者リストなどに頼りながら、ソリューション提案などの営業活動をしていたものの、それだけでは賄いきれなくなってきていたのです。

上田氏 : 我々の取り扱う商材がかなり増えた上、複数の商材を組み合わせたSDPFとしてご提案しているという事情もありました。もちろん、お客さまが活用したいデータの種類も多種多様かつ膨大な量になっています。あらゆる要素が大量にある中で、それを整理して適切に活用し、効率的にご提案をするところまではまだ至っていませんでした。

左部氏 : お客さまのニーズ、製品ライフサイクルなどが流動かつ急速に変化するため、よりスピーディーで効率的な営業活動が求められています。そのためには、データを活用してお客さまの満足度を上げるような提案を実施することが重要であると判断し、「カスタマーサクセス」と銘打った施策に取り組み始めました。

とはいえ、我々のミッションを踏まえると、データサイエンス領域の専門的な知識よりも、データ分析と現場の架け橋になるビジネストランスレーターとしてのノウハウを自社へ蓄積していきたい。そこで、自社の取り扱い商品でもあるBI/BAツール「TIBCO Spotfire」を導入し、データサイエンスにおいてはスペシャリストであるNTTコム オンラインから支援を受けることにしたのです。

データを活用してお客さまの満足度を上げるような提案を実施することが重要です。/左部氏

データ分析のイメージは作れても、狙い通り実現するにはノウハウが欠かせない

― 「カスタマーサクセス施策」におけるデータ分析支援はどのように行っているのですか。

上田氏 : 現在のところ2パターンですね。一つは「お客さまごとにビジネス貢献できる商材をスコアリングして、お客さまにとって有用な情報の提供をしていく」というもの。もう一つは「当社が主催しているセミナーの参加者アンケート結果から、どの企業さまが当社のサービスに興味を持っているかを見える化して、フォローアップに活用する」というものです。

お客さまにとって有用な情報の提供をしていくことが重要だと考えています。/上田氏

大島氏(NTTコム オンライン) : 具体的には、DPS部様と課題の認識合わせを行い、データ分析に必要なデータを提供いただきます。そのデータをSpotfire内部で前処理を施し、データの全体傾向をグラフなどで可視化していきます。
お客様に有用な情報を提供する効果的なアプローチとして活用している商材のスコアリングは、お客さまの特徴やご利用中の商材をもとに、クラスタリングという手法を用いてお客さまを複数のグループに分類しました。さらに、グループごとに深掘りの分析を行い、提案に最適な商品や見込み度合いを大まかに算出しました。また、セミナー参加者への適切なフォローアップができるよう、お客さまごとのセミナー参加履歴や契約状況が確認できるダッシュボードを作成しました。

イメージ図:クラスタリングによる選定候補の洗い出し

それを左部さん、上田さんに見ていただき、課題に対してどのような仮説を立てて分析を進めるかすり合わせを行います。分析のメイン作業は私が担当しており、週1回の定例ミーティングで統計解析を用いた分析結果をお伝えしながら進めています。

結果に対しては、左部さん、上田さんからビジネストランスレーターの視点でコメントをいただいています。例えば「ここは意外な結果だった」とおっしゃった部分については、「その場でデータを深掘りして、別の分析軸で結果を可視化します。」もちろん、ディスカッションをする中で「別条件のグラフも見たい」「1つずつ色分けして見たい」となれば、その場でSpotfireの画面を操作しながら二人に提案していきます。

左部氏 : 分析のメイン作業はお任せしていますが、Spotfireの使い方に関しては、ミーティングの際などに実演していただいて理解を深めながら、自分たちでも少しずつ使えるようになっていっています。
我々はいわゆるビジネス的な目線で「このようなデータがあれば、こんな分析ができそうだ」とイメージすることはできるのですが、実際にそのイメージ通りに分析するにはやはりデータの前処理などにコツが必要だと感じます。大島さんとの会話の中でも、例えば「データの全体傾向を見て、分析に活かすためにどう変換したか」といったノウハウなど、非常に気づくことが多いですね。

組織全体でデータドリブンな事業活動への気運が高まっている

― データ分析支援導入後の手応えや、成果はいかがですか。

上田氏 : 提案の質は上がったと感じますね。これまで勘と経験でやってきた提案活動ですが、データという根拠に基づいて「どういうお客さまにどの商材が必要か」と明確に提示できるようになったのは、我々にとって大きな成果の一つだと考えています。
連携している営業部門のスタッフにとっても「自分の担当するお客さまがどういうサービスを、どう使っていて、どんなニーズがあるか」というところまで明確に理解しながらご提案できるのは、非常に効果が高いのではないかと思います。提案の量やタイミングもこれからさらに向上していくと見ています。これまで、セミナーに出席いただいた方への提案が1ヶ月かかってしまうこともあったのですが、今後は1週間以内にはご提案できそうです。

データという根拠に基づいて「どういうお客さまにどの商材が必要か」と明確に提示できるようになりました。/上田氏

左部氏 : NTTコム オンラインの支援を得ながら実際に施策を進めていくことによって、DPS部の組織全体に「データドリブンに進めていこう」という気運が高まっているのを感じます。周囲の関連チームが「カスタマーサクセス施策」の評判を聞きつけ、連携やノウハウ提供を持ち掛けてくるといったことも増えてきました。他の取り組みをしているチームと情報交換をしたり、それによって新しいアイディアが生まれたり、連携が生まれたりということがこれまで以上にやりやすくなりましたね。

データ分析支援を通じて、我々がそういった勘所をつかんだというのもあると思います。単純に何かをしてもらうという支援ではなく、「この課題を解決するのに、こういうデータを使えないだろうか」というご相談を繰り返してきたことで得られたものが大きいですね。課題の解決策やデータの活用法について、NTTコム オンラインがいろいろな形でインプットしてくれる。例えば、実際には採用しなかったアイディアであっても、我々の知見は着実に広がっていきますし、後々役立てられる可能性もある。そういったところは、引き続き期待したいですね。

― 今後、データ分析支援やSpotfireをどのように活用していきたいとお考えですか。

上田氏 : まずはより効率的な運用を行っていくために、アドオン製品「TIBCO Spotfire® Automation Services」を活用してデータ更新を自動化し、定期的に最新データを用いた分析ができるようにしたいですね。
もう一つは、現在はSpotfireの分析結果を我々がある程度咀嚼するような形で整理して現場のビジネスユーザーへ提供しています。現場のユーザーがSpotfireを自ら操作して、自発的に気づきを発見して理解していくという使い方もできるようにサポートしたいですね。例えば今よりオープンなデータ環境で、マネージャーなどの管理者が自らダッシュボードを見て、データを深堀しながら最新状況や傾向を把握していくといった活用のしかたも実現させたいです。

左部氏 : お客さまのお話を聞く中で、もちろん活発にデータ活用なさっている方もいらっしゃいますが、一方で「今持っているデータをビジネスに活用したいけれども、何からやればいいのか……」という方もまだまだいらっしゃると感じています。我々は自ら挑戦してみて、つまずいたところも含めてノウハウを蓄積できたと思いますし、NTTコム オンラインという現場のデータ活用を強力に支援いただけるパートナーもいる。今後もいわゆる車の両輪として、お客さまのデータを活用したビジネス改革、デジタルトランスフォーメーションへの取り組みを共に進めていきたいですね。

― 御社のビジネストランスレーターとしての知見に、カスタマーサクセス施策によるユーザーとしてのご経験も加わり、お客さまにとっても大変心強いのではないかと存じます。片輪を任せていただく者として、これからも気づきにつながるご提案ができるよう努めてまいります。本日はありがとうございました。

※掲載内容は2022年3月時点の情報です。

社名
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
事業内容
国内電気通信事業における県間通話サービス、国際通信事業、ソリューション事業、及びそれに関する事業等
設立
1999年5月28日
資本金
2,309億円
URL
https://www.ntt.com

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