2026/03/19
NPS®(ネットプロモータースコア)入門・導入編
NPSとNRSの違いとは?それぞれの役割と併用するメリットを解説
マーケティングに役立つ指標といえば、顧客ロイヤルティを測定する「NPS®」が有名です。一方、NPS®ほど普及していないものの、最近は「NRS」という指標も提唱されています。
どちらも顧客に関する指標なので、それぞれの役割や違いについて理解しておくことが重要です。
本記事では、NPS®とNRSの概要や違いを踏まえつつ、併用するメリットについて解説します。それぞれの役割や強み、自社で活用するためのポイントを学べるので、ぜひご一読ください。
- NPS®は顧客ロイヤルティを測る指標、NRSは顧客の継続利用意向を測る指標である
- NPS®は人によって点数の解釈が異なるが、NRSは点数に意味が設定されているのでブレがない
- NPS®とNRSを併用すれば、真のロイヤルカスタマーの特定や従業員のモチベーション向上につながる
NPS®とNRSの違いとは?
NPS®とNRSは別物ですが、字面が似ているのもあって混同されがちです。まずは両者の概要を押さえたうえで、何がどう違うのか具体的に学びましょう。
NPS®とは
NPS®(Net Promoter Score)とは、顧客ロイヤルティ(顧客の商品やサービスに対する愛着・信頼)を数値化する指標です。
NPS®を調査する場合、顧客に「製品・サービスを親しい友人や家族にお勧めしたいですか?」という質問を実施し、推奨度を0~10の11段階で回答してもらいます。回答(スコア)を取得したら、回答者を下記の3つに分類します。
- 推奨者:9~10点
- 中立者:7~8点
- 批判者:0~6点
その後、回答者全体における「推奨者の割合」から「批判者の割合」を差し引き、NPS®スコアを算出するのが基本的な流れです。
関連記事:顧客ロイヤルティ(顧客ロイヤリティ)とは?向上させるメリットと事例
関連記事:NPSとは?
NPS®調査の利点
NPS®調査のコアとなる質問は1つだけで、内容自体も非常にシンプルです。顧客の負担が少なく回答してもらいやすいので、統計を取りやすい点が利点といえます。
また、NPS®は企業の成長率や収益に対する相関性が高いため、業績向上に向けた指標として活用できるのも強みです。統一された質問形式により、業界内での競合比較や経年変化の追跡にも対応可能なので、マーケティング施策の改善効果を客観的に測定できます。
NPS®は日本だけではなく、世界各国の企業で採用されています。全米企業ランキング「フォーチュン500」の約30%が導入している点を踏まえても、有用性は高いといえるでしょう。
NPS®が持つ問題点
NPS®はマーケティング施策の立案や改善において有用ですが、いくつか問題点を抱えています。NRSにも関連する部分なので、きちんと押さえておきましょう。
ロイヤルティと推奨度にギャップがある顧客もいる
商品やサービスには満足しているものの、「他人には薦めたくない」という顧客が存在します。このような顧客はファンであっても推奨度が低いので、NPS®では中立者もしくは批判者に分類されてしまいます。
他人への推奨意向が低くても自身のリピート率は高い顧客など、顧客ロイヤルティと推奨度にギャップがあるケースに関しては、NPS®調査で正確に捉えられません。
また、行動ロイヤルティ(購入・推奨など)と心理ロイヤルティ(愛着・信頼など)が一致しないケースも把握しにくい傾向にあります。たとえば、購入頻度が少なくても商品には愛着を持っている顧客などです。
スコアがマイナスになりやすい
NPS®は0~6点を批判者と定義する厳しい基準を設けているため、スコアが低くなりがちです。特に日本人は中心化傾向(中間の点数を好む)が強いので、他国と比べてマイナススコアになりやすい性質を抱えています。
実際、日本企業の平均スコアは海外企業より低く、マイナススコアになっている上位企業も少なくありません。
業界によってNPS®の平均スコアは大きく異なるため、スコアの絶対値だけでは評価しづらい点も問題です。業界平均や同業他社との比較、過去のスコアとの時系列推移を重視しつつ施策に取り組む必要があります。
関連記事:NPS®は意味がないといわれる理由とは?日本のスコアが低い原因を解説
NRSとは
NRS(Net Repeater Score)とは、顧客の継続利用意向を数値化する指標です。
NRSを調査する場合、顧客に「1年後もこの商品(サービス)を継続して使いたいですか?」という質問を投げかけ、下記の5段階で回答してもらいます。
- 5点|積極的に継続したい:リピーター
- 4点|今と同じ程度継続したい:中立者
- 3点|その時になってみないとわからない:離反リスク者
- 2点|できれば継続したくない:離反リスク者
- 1点|絶対継続したくない:離反リスク者
NRSのスコアは、回答者全体における「リピーターの割合」から「離反リスク者の割合」を差し引くことで算出できます。
関連記事:NRSとは?顧客ロイヤルティやNPSとの関係について解説
NPS®との違い
NPS®とNRSの明確な違いは「評価対象」です。NPS®は「他人に推奨する意向」を測るのに対し、NRSは「自分自身が継続的に利用する意向」を測定します。
NPS®の各数値には意味が設定されていないので、人によって点数の解釈が異なります。たとえば、AさんとBさんの回答が同じ7点であっても、下記のように理由は主観に委ねられるのが問題です。
Aさん「不満はないが、満点は気が引けるから7点」
Bさん「概ね満足だが、少し不満点もあるので7点」
一方、NRSは5点なら継続希望など各数値に意味がしっかり設定されているため、人によるブレが生じません。また、NRSは顧客自身の継続意向を問う性質上、心理的なハードルが低くNPS®よりスコアが高くなる傾向にあります。
NPS®とNRSを併用するメリット
NPS®とNRSを併用すれば、以下のようなメリットが発生します。
- 真のロイヤルカスタマーを特定できる
- より正確なスコアリングができる
- 従業員のモチベーション向上につながる
それぞれ詳細を解説します。
真のロイヤルカスタマーを特定できる
NPS®およびNRSのスコアが高い回答者を洗い出せば、真のロイヤルカスタマー(商品やサービスを長期的に利用してくれる顧客)を特定できます。
NPS®が高くてもNRSが低い場合、真のロイヤルカスタマーとはいえません。「人には薦めるが自分はリピートしない」「一度利用すれば十分な商品(サービス)だった」というケースが該当します。
NPS®(推奨者・中立者・批判者)とNRS(リピーター・中立者・離反リスク者)を9象限のマトリクスにすると、状況を把握しやすくなります。一番右上(推奨者かつリピーター)に位置する真のロイヤルカスタマーは、企業にとって長期的かつ安定した収益をもたらす重要な存在です。
関連記事:ロイヤルカスタマーの定義とは?育成・創出につながる9つの戦略も解説
より正確なスコアリングができる
NPS®とNRSを組み合わせることで、顧客を多角的に評価できます。推奨意向と継続利用意向という2つの異なる視点から測定すれば、顧客ロイヤルティをより正確に把握できるのがメリットです。
先述した9象限のマトリクスを顧客セグメント別に細かく分析すると、顧客の特性やニーズに最適化された効果的な改善策を立案できます。
従業員のモチベーション向上につながる
NRSというわかりやすい指標があれば、顧客ロイヤルティの改善に取り組みやすくなります。NRSはNPS®よりスコアがプラスになりやすいため、改善の効果が数値として現れやすく、従業員のモチベーション向上につながる点がメリットです。
また、NPS®とNRSの両方を測定すれば「推奨」と「継続」という異なる目標を設定できるので、それぞれに適切な施策を実行できます。
NPS®の効果を引き出すNTTドコモビジネスXの「NPS®ソリューション」
NTTドコモビジネスXでは、NPS®調査からCX改善アクションまで伴走支援する「NPS®ソリューション」を提供しています。
主なサービスの概要を表にまとめたので、以下も併せてご覧ください。
| サービス名 | 概要 |
|---|---|
| クアルトリクス | NPS®に基づくCX向上プログラム設計や調査・分析、改善アクションまでワンストップで実現 |
| NPS®ベンチマーク調査 | アンケートパネルのモニターを活用したNPS®調査により、競合他社のNPS®を収集しつつ業界内での貴社の位置付けをレポート |
| NPS®アセスメント調査 | NPS®が自社のビジネスにおいて有効であるか調査するために、顧客の経済的価値の検証やNPS®と顧客データとの相関分析などを実施 |
| NPS®活用コンサルティング | NPS認定コンサルタントがアンケート設問設計や結果分析、改善サイクルの定着を支援 |
NPS®とNRSの併用でより高精度な調査ができる
NPS®は他者への推奨意向を、NRSは自分の継続利用意向を示す指標です。この2つを組み合わせると顧客に対する調査精度が向上し、真のロイヤルカスタマーを特定できます。
マーケティング改善に欠かせないNPS®を調査する場合、ツールの活用が有効です。「NPS®ソリューション」であれば、NPS®を有効活用するための各種ツールがそろっているので、ぜひご検討ください。
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