2023/11/24

顧客満足度とNPS®

リピーターを増やす6つの方法とは?事業の成長に必須な理由を解説

近年は世界経済・日本経済の不確実性が高まっており、多くの企業が競争力を維持するための収益確保やコスト削減を迫られています。このような厳しい状況において費用対効果が高い戦略として注目されているのが、既存顧客の中からリピーターを増やす取り組みです。

この記事では、リピーターを増やすことの重要性と、実現するための具体的な方法、実際にリピーターの増加に成功した事例などを紹介します。

この記事の内容
  • リピーターとは、企業の商品・サービスに満足し、繰り返し利用する顧客
  • リピーターを増やす主なメリットは、コスト削減(1:5の法則)、売上の安定化(5:25の法則)、口コミによる新規顧客の増加
  • リピーター増加のカギを握るのは顧客の企業へ対するロイヤルティ(愛着・信頼)
  • 現状の顧客ロイヤルティを把握することから、リピーター増加のための施策を導きだすことが可能になる

リピーターとはどのような顧客か?

リピーターとは、企業の商品やサービスに満足し、高く評価して繰り返し利用する顧客のことです。その中には、商品やサービスのみならず、企業やブランドにも愛着を持ち、積極的に利用を続ける優良顧客も含まれます。つまり、既存顧客をリピーター化することは、優良顧客を確保・維持することでもあり、事業において重要な課題なのです。

イギリスの経済学者ヴィルフレド・パレートによって提唱された「パレートの法則(80:20の法則)」に従うと、実は全売上額のうちの8割を2割の優良顧客が占めているということがいえます。そして、この2割の優良顧客とリピーターの層が重なっているのです。

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ユーザーがリピーターになる理由・心理

一般的なユーザーがリピーターになる一番の条件は、商品やサービスを気に入り満足感を得ることです。しかし、ひと口に満足感と言っても、そこには深い心理やより細やかな理由があります。リピーターを増やす施策においては、それらの詳細を深掘りして理解することが重要です。例えば、飲食店の場合には美味しさが、ホテルの場合には居心地の良さが評価されるのは当然ですが、他にも以下のような項目が評価の対象になっています。

  • ホスピタリティがある
  • 食事の質が高い
  • 雰囲気を大切にしている
  • スタッフと親しい
  • コストパフォーマンスが良い

こうしたニーズを多く満たすほどに、ユーザーがリピーターになる可能性は高くなります。リピーターになる理由や心理を具体的に細分化することで、自社の強みや改善点が明確になれば、今後の施策を立案することも可能になります。

リピーターを増やすメリットとは?

リピーターを増やすメリットは多くありますが、主要なメリットは「コスト削減・売上の安定化・口コミによる新規顧客増加」の3つです。順番に解説します。

まず、コスト削減ですが、マーケティング業界では、新規顧客を増やすよりもリピーターを増やす方が費用対効果が高いといわれています。この費用対効果を示す法則として「1:5の法則」があります。新規顧客獲得にかかるコストは、リピーター維持の5倍高いというものです。つまりリピーターを増やせば、新規顧客獲得のコストを削減できるのです。

次に売上の安定化については「5:25の法則」があります。これは、リピーター離れを5%抑えれば利益が25%アップするというもの。商品・サービスを繰り返し購入してくれるリピーターの満足度が高くなれば、当然売上も高くなります。

そして、リピーターの満足度が高くなると良い口コミが広がる点もメリットです。口コミはユーザーにとって信頼のおける情報源であり、購買の意思決定に強く影響します。こうして「口コミによる新規顧客増加」が実現します。

良質なリピーターを増やすには顧客ロイヤルティの醸成が必要

顧客ロイヤルティとは、顧客が企業に対して感じている愛着や信頼度のことです。忠誠心・愛着・愛情などの意味を持つ英語のLOYALTYに由来します。リピーターの中でも顧客ロイヤルティがあまり高くなく、価格や性能といった理由だけでリピート購入している場合は、より安いサービスや同レベルの性能を持つ商品との間で常に比較が生じ、他社の商品・サービスへ乗り換えてしまう可能性が高くなります。

そこで、商品・サービスだけではなく、企業理念やイメージ、ブランドコンセプトをアピールしたり、特別感のあるサービスを提供したりすることが重要になります。顧客ロイヤルティの向上に働きかけることで、リピーターの中でも購入頻度・購入単価が高い良質なリピーターを増やすことが可能です。

顧客ロイヤルティ(顧客ロイヤリティ)とは?向上させるメリットと事例

リピーターを増やす6つの方法

ここからは、リピーターを増やすためにはどうしたら良いか、6つの方法を具体的に紹介します。着手しやすい方法ばかりなので、ぜひ参考にしてください。

1|顧客データを分析してニーズを深掘りする

リピーターを増やすには、まずどんな顧客がいるのか知り、顧客のニーズを正しく認識しておく必要があります。より正確な分析を行うためには、経験に頼るのではなく、あくまでもデータに基づいて分析することが重要となります。デジタルツールを導入してアンケートを実施し、多角的に、そして深く分析することが有効な方法です。

例えば、一般客とリピーターを分けてアンケートを実施し、それぞれの年齢や性別、購入したものなどから傾向やニーズを導き出します。その結果から、より相応しい商品やサービスを打ち出すことが可能になります。

2|メールマーケティングで関係の構築・強化を行う

メールを介して顧客に継続的な情報発信を行うことは、顧客ロイヤルティの向上、そしてリピーターの増加につながります。メールマーケティングの種類には、配信リストにある顧客全員を対象にメールマガジンを送る一斉発信や、特定のターゲットに対してユーザー属性に応じたオファーを送るセグメントメール、複数のメールを段階的に配信するステップメールなどがあります。

それぞれの手法の特徴を理解し、目的に適した手法を選びましょう。また、メールの内容や送る頻度、タイミングなどをユーザーの属性や趣向に応じて最適化することでさらに効果が高まります。

3|リピートのインセンティブを用意する 

繰り返し購入してくれているリピーターには、クーポン発行やポイントカード発行など、何らかの割引やプレゼントなどのインセンティブを用意することで、購入のメリットをより強く感じてもらうことができます。また、VIP会員を設定して特別感のあるサービスを提供することも有効です。

こうした手法は単純に顧客に喜んでもらえるだけではなく、他社との差別化や顧客ロイヤルティの構築にもつながります。リピート購入者に限定した特典があることでお得感や特別感を感じてもらえれば、リピーターが増える確率も高まります。

4|SNSでコミュニケーションを取る 

SNSで顧客とコミュニケーションを取ることも、顧客ロイヤルティを高め、リピーターを増やすことにつながります。顧客が投稿した口コミ、お礼や不満点、疑問点などにリプライを送るなど、細やかな対応が信頼や愛着のきっかけとなります。

さらにSNSを活用すれば、新商品やキャンペーン情報なども既存の広告手法とは異なった形でより自然に伝えることができます。また、SNSではデータの分析と改善を繰り返すことが重要です。効果が現れるまで時間がかかるため長期目線で取り組みましょう。

5|コミュニティを作る 

せっかくリピーターになってくれたユーザーも、いつも同じインセンティブでは飽きてしまう恐れがあります。定期的に非日常的なインセンティブを用意して、ファン心理を盛り上げることも重要です。

ブランドのファンサイトを立ち上げる、会員向けのイベントを開催するなど、ユーザー同士が交流できる場所を提供してはいかがでしょうか。商品・サービスやブランドに触れる機会が増え、企業とユーザーのつながりはもちろん、ユーザー同士のつながりも強くなるため、リピーターの増加や維持に役立ちます。

6|NPSを活用してロイヤルティの推移や施策の効果を測る 

NPSとは「Net Promoter Score」の略で、顧客ロイヤルティを測る指標です。NPSを活用することで、現状の認識や他社との比較、施策の効果などを測ることができます。顧客アンケート調査において、顧客が商品やサービスを親しい人にどの程度すすめるかについて回答を取得し、値を算出します。

NPSは顧客満足度とは異なり、企業の収益と相関が強い点が注目され導入が進んでおり、欧米では公開企業の3分の1以上が活用しているといわれている指標です。実際の導入にあたっては、単なるスコアの測定にとどまらず、他の施策と併用して定期的に計測することで、施策効果の把握、データに基づいた意思決定が可能になります。

NPSの活用をサポートする「NPX Pro」

NPSを活用して顧客ロイヤルティを計測するには、アンケートの配信から、収集、分析、アクションまでの展開をサポートする「NPX Pro」がおすすめです。顧客のフィードバックを捉え、分析し、改善アクションの促進までクラウド上でシームレスに実現できます。

システム上で簡単にNPSを計測できる、分析結果がリアルタイムで可視化されるなどの機能性の高さから、業界を問わず多くの企業に選ばれているツールです。「NPX Pro」の具体的な機能は以下をご覧ください。

アンケート作成、配信、回収

カスタマージャーニーの各タッチポイントに合わせたアンケートを作成。メールやSMSでのアンケート配信に対応し、回答率の高いリサーチが可能。

アンケート集計、分析

リアルタイムで回答結果を確認可能。データ分析フレームワークが豊富で、複雑な統計処理や分析作業は不要。

アンケート分析結果の共有

作成したダッシュボードをNPX Pro上の他のユーザーに共有したり、PDF等での共有も可能。

改善アクションの促進・管理

コメントのネガポジを通知するアラート機能を搭載。担当者のフォローアップアクションの履歴や進捗を管理できる。

導入事例|株式会社日立ハイテクサイエンス 様

「株式会社 日立ハイテクサイエンス 様」は、大学や企業の研究開発、品質管理部門などに向けて分析計測装置を提供する企業です。約15年間、自社独自の顧客満足度調査を行うも、調査結果を活かせないという課題を抱えていました。

「NPX Pro」を導入した結果、さまざまな角度での分析結果がスピーディーに可視化され、従来は3時間かかっていた分析が数十分でできるように。さらに経営幹部や社員の意識が変わり、自然と「NPSの結果を行動につなげよう」という機運が高まり、改善施策を行う動きが活発化し、当初抱えていた「結果を活かせない」という課題を克服しました。

顧客ロイヤルティを高める施策がリピーターを増やすことにつながる

リピーターを増やす取り組みのカギは、顧客の企業に対する愛着や信頼、つまり顧客ロイヤルティを高めることにあります。まずはアンケートを実施し、顧客ロイヤルティの分析と把握に着手することが近道です。

とはいえ「分析の重要性は認識しているけれど、手が回らない」という企業も多いことでしょう。オールインワンのクラウドサービス「NPX Pro」であれば、アンケートの配信はもちろん、分析、アクションまでの展開をサポートしてくれます。リピーターの増加に取り組む際は、「NPX Pro」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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