2022/11/02

カスタマーロイヤルティxビジネス

CX計測に役立つ9つの指標を解説|改善の手順も紹介

顧客の総合的な満足度を高め、ビジネスを成功に導くためにはCX(顧客体験)の向上が重要になります。CXとは購入の検討からアフターサービスまで、企業と顧客におけるすべての接点を示し、CXの計測は多様な顧客に訴求しなければならない現代のビジネスにおいて重要度が増しています。とはいえ、CXの計測をどのように行えば良いのか、方法が多種多様なため迷ってしまいがちです。この記事ではCXの概要や指標(KPI)の重要性や種類、導入のポイントを解説します。また、CX計測をサポートするツールについても紹介します。

CXの概要と指標(KPI)の重要性

CXはカスタマーエクスペリエンス(Customer experience)の略で、顧客体験や顧客体験価値などの意味があります。顧客のサービス利用や商品購入に関するさまざまな体験を示し、情報収集やアフターサービスなど、企業との全ての接点が含まれる言葉です。

CXと混同されやすい言葉にCS(顧客満足度、Customer Satisfaction)があります。顧客の体験すべてを含めるCXに対し、CSは細分化されたサービスに対する満足度を指します。たとえば、接客への満足度、商品への満足度などですが、CSはCXの計測に活用できる1つの指標と考えられるでしょう。

CX計測においては多くの部門・部署で同じ目標を持ち、計測や結果の統合、判断をすることが求められるものの、各部門・部署で指標が異なるため調査が難しいという問題があります。それぞれにおいて適切な指標、基準の設定や、統合的にCXを計測できる指標を取り入れることが重要です。

いずれにしても複数の指標を用いてCXを可視化することで、適切な改善策の立案・実行・評価につながるため、導入の価値は十分にあると考えられます。

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企業成長を導く「顧客体験(CX)」その重要性と向上させる方法とは

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CX計測に役立つ9つの指標(KPI)

ここからは具体的に、CX計測をするために必要な顧客満足度やNPS、リテンションレート、サイトのアクセス解析など9つの指標について、詳しく説明していきます。

1|顧客満足度(CS)

CSとは製品やサービスに対する顧客の満足度を計測するための指標です。具体的な調査項目は自社の事業内容に合わせて設定します。

CSを計測することにより、製品・サービスを使用した顧客の反応が分かり、自社の問題点が見えてきます。判明した問題点を改善することで、リピーターやファンを獲得することが可能です。調査方法としてはアンケートが一般的で、自社のホームページなどで回答してもらう方法があります。また、郵送や電話、座談会形式などでも調査はできます。

調査ではターゲットを明確にするのも大切です。アンケートの目的を明確にした後、調査したい対象の属性を決定しましょう。また「〇〇の商品に満足しましたか?」という数値化しやすい質問だけではなく、自由記述で意見を寄せてもらうとより具体的に顧客の声を把握できるうえ、定性的な分析にも有用です。

調査は自社内で行うほか、調査会社や第三者機関に依頼する手もあります。

顧客満足度(CS)のさらに詳しい情報はこちら
顧客満足度とは?向上させる目的、注意点を徹底解説

2|NPS(ネットプロモータースコア)

NPS(Net Promoter Score)では、商品・サービスに対する顧客満足度だけではなく、周囲の友人や家族、同僚などにすすめたいかどうかを計測します。

Webサイトやメール、SMSなどのオンラインや、店頭などのオフラインを通じてアンケートを実施し、商品やサービスをすすめたいかどうかを0から10の11段階で回答してもらいます。推奨者である9、10をつけた人の比率から、批判的であった0~6の比率を引きます。7、8は中立な意見のため値は0です。推奨者が20%、批判者が60%であれば、スコアは-40です。

製品やサービスに対する総合的な顧客の認識がわかるほか、業界ごとのベンチマークも明確なため、CXの計測にとても有効な指標だと言えます。

NPS(ネットプロモータースコア)のさらに詳しい情報はこちら
第2回 顧客ロイヤルティを測る新指標「NPS」とは?~究極の質問の発見とその本質~

3|eNPS(エンプロイーネットプロモータースコア)

顧客の意見だけではなく、従業員が自社に対して持っている愛着度を調べるのも、CX向上に役立ちます。その愛着度を示す指標がeNPS(Employee Net Promoter Score)です。

ES(従業員満足度、Employee Satisfaction)というものもありますが、eNPSのほうが従業員の会社へのエンゲージメントがより正確に調べられるとされています。ESでは「職場にどのくらい満足していますか」というような質問になる一方、eNPSでは「自社への就職を友人や家族にどの程度、すすめるか」などの質問になり、従業員は回答する際、より深く考えるようになります。

従業員の会社へのエンゲージメントが高ければ、サービスや商品における質の向上につながり、CXも高くなる要因となるでしょう。

4|リテンションレート(顧客維持率)

リテンションレート(Retention rate)とは、新規ユーザーが一定期間の内にWebサイトやWeb上のサービス、アプリなどに再訪した割合を示す指標です。定着率や継続率とも表現されます。

既存顧客とのエンゲージメントをより強くするために活用され、Webサービスやアプリを事業としている場合はとくに効力を発揮する指標です。フリマアプリの「メルカリ」もリテンションレートをCX向上における重要な指標に位置づけています。

リテンションレートは定めた期間中の継続顧客数から新規顧客数を割ることで算出できます。50日の調査期間中に利用した新規ユーザーが1000人、既存ユーザーが500人であれば、リテンションレートは50%です。

サブスクリプションサービスが増加する中、長期的な関係構築が重要となっているため、リテンションレートは重要な指標と言えるでしょう。

リテンションに関する詳しい情報はこちら
第6回 『顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)』と『リテンション』を考える

5|サイトのアクセス解析

Googleアナリティクスなどを使い、自社のWebサイトやネットショップを訪れたユーザーについて解析する方法です。平均ページビュー(平均PV)やコンバージョン率(CVR)、直帰率などを調査します。各指標の意味は以下の通りです。

  • 平均ページビュー(平均PV):ユーザーが1度の訪問で閲覧したページ数の平均
  • コンバージョン率(CVR):サイトを訪問したユーザーが資料請求や商品購入などのボタンを押し、一定の成果があった割合
  • 直帰率:最初のページのみで離脱したセッションの割合

上記の指標やユーザー属性などを解析することで、ユーザーが何に興味を持ち、どのようなサービス・商品にひかれるのかがわかります。また、流入経路別に計測することで、各チャネルにおいて的確な仮説を立てられるでしょう。

アクセス解析ではただ数字を追うのではなく、数字をもとに課題を見つけて仮説を立て、改善のプランを実行することを繰り返していくことが重要です。

6|CES(顧客努力指標)

CESはカスタマーエフォートスコア(Customer Effort Score)の頭文字をとったもので、顧客努力指標などと呼ばれています。企業とのやり取りやサービスの利用、商品購入までに、顧客がどの程度の労力を要したかを測定します。

多くの労力が必要だった場合は顧客のロイヤルティが下がり、労力が少なければ上がると考えられます。リピーターになってもらうためには、認知から購入、サポートにいたるすべての過程で労力を感じさせないことが重要です。

調査方法としては顧客に対して「問題処理の対応がスムーズだった」などの質問をし、まったく負担を感じない(1)から非常に負担を感じた(7)までの7段階評価で回答してもらいます。すべての質問項目の回答をまとめ平均値を割り出したものがCESスコアです。

7|LTV(顧客生涯価値)

LTVはライフタイムバリュー(Life Time Value)の略で、顧客が取引期間を通じて企業にもたらす価値を意味しています。「購入時」などの短い時間ではなく、取り引き開始から終了までのトータルした時間における価値を示すマーケティング指標です。顧客満足度と異なり、収益との関連性が明確です。

LTVは既存顧客との関係性を測定できるため、CXにおいても重要な指標となります。

LTVは以下の公式で割り出されます。

平均購入単価×平均購買頻度×平均継続期間

調べる方法としては、アンケート調査などもありますが、オンライン上で手に入るツールを活用する方法もあります。

サブスクリプションサービスや定期購入など、継続的に顧客と関わる事業に適した調査方法です。

LTVの高いロイヤルカスタマーに関する情報はこちら
ロイヤルカスタマーは重要な戦略ターゲット。増やす方法は?

8|カスタマーサポートでの解決率

カスタマーサポートにおいて顧客からの問合せに対し、問題を解決できた割合も指標の一つです。

解決率には以下の3種類があります。

  • 問題解決率
  • ワンコール解決率
  • 一次解決率

「問題解決率」は商品やサービスに対する顧客の疑問を解決できた割合のことで、回数や方法については問いません。「ワンコール解決率」は他部署への転送やコールバックなども含め、1案件のなかで解決できた割合です。そして「一次解決率」は、1回のコンタクトだけで解決できた割合となります。

ただし、解決率だけでは顧客の満足度を測るには不十分な場合もあります。顧客が相談してから問題が解決するまでの「平均解決時間」や、電話をかけてからオペレーターにつながるまでの「平均応答時間」の調査もあわせて行ってみてください。また、顧客の声をアンケートとして集めても良いでしょう。

9|SNSでの口コミ

SNS上で、自社の商品・サービスに関する口コミ情報を収集するソーシャルリスニングと呼ばれる手法で調査します。

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNS上では、さまざまな商品・サービスに関する声が見られます。市場調査や自社製品のブランド調査、キャンペーンへの反響測定などに活用できるほか、他社と比較することで、自社サービスの強みやシェアの比較、改善点などの調査が可能です。

自社の商品・サービスへのネガティブな口コミを集めその要因を分析したり、エンゲージメントの高い競合のキャンペーンを分析したりすることで、自社のマーケティング施策に活用できます。

調査には無料や有料で利用できる専用のツールを使うのがおすすめです。計測したいキーワードを指定すると、発信者の傾向をデータ化してくれるなど、効率良く調査ができます。

ソーシャルリスニングについてはこちら
ソーシャルリスニングとは?その仕組みやメリットなどを解説

CX向上にはカスタマーサービスの品質が重要

CXを構成する要素はさまざまですが、なかでもカスタマーサービスが左右する比率は大きいとされています。

とくに最近は対面販売ではなく、ネット上のやり取りでサービスや商品を提供することが多く、さらには扱いが複雑な商品が増えていることから、カスタマーサポートの重要性が高まっています。

米Zendeskによる「カスタマーエクスペリエンス(CX)に関する年次トレンドレポート(2022年版)」では、「カスタマーサービスをパーソナライズしている企業から、より多くの購入をしたい」との回答が79%、「消費者が望む方法でカスタマーサービスを利用できる企業から、より多くの購入をしたい」との回答が80%を占めています。一方、54%の消費者は「カスタマーサービスが後回しにされていると感じている」と回答しています。

KPIを活用しカスタマーサービスの品質改善に力を入れることが、CXの向上につながっていくことでしょう。

指標(KPI)を活用してCXを改善する手順

前述した指標を併用することでCX改善への精度を高められますが、なかでもNPSを用いたアンケート調査がもっとも効果的だと言われています。顧客の声を参考にすることで、より正確に自社の商品やサービスを取り巻く状況を把握できるようになります。そこで、NPSの計測手順やCX改善に活用する方法を具体的に紹介します。一度に多くの調査は難しい場合、まずはNPSから着手するのがおすすめです。

カスタマージャーニーマップの作成と質問の準備

課題に関する仮説を立てるためには、カスタマージャーニーマップの作成が有効です。

カスタマージャーニーとは、顧客が商品購入やサービス利用にいたるまでのプロセスを時系列でまとめたものです。認知、情報収集、来店などのタッチポイントごとに、顧客の行動、思考、課題などを記していきます。たとえば認知段階における顧客の行動は「企業のSNSを見た」「テレビCMを見た」などです。

そして、タッチポイントごとにカスタマージャーニーマップを基にした仮説を立て、関係部門間、役職間で共有しながら適切な質問内容を設定し、アンケートを実施します。

NPSのアンケートは「製品をどの程度ほかの人にすすめたいと思いますか?」という設問に加え、フリーコメント欄を用意して定性分析を行えるようにすることが重要です。そのほかには、評価ポイントや顧客のプロフィールに関する質問を加えても良いでしょう。

調査・回答結果の分析

NPSの分析には「定性分析」「定量分析」の2つを活用します。

定性分析は数値に表しにくいものを分析する方法です。フリーコメント欄の回答をトピックごとに分類した後、ポジティブ・ネガティブに分けて課題を分析していきます。

定量分析は数値データによって分析する方法です。アンケートで聞いた各要素の満足度と推奨度との相関係数を表す「アクションドライバーチャート」を活用します。

ドライバーチャートでは調査・回答の結果を、以下の4つの部屋に分類してください。また、上方向は推奨度との相関関係を示し、右方向は各要素における満足度との相関を示します。

優先改善項目
(満足度は低め、推奨度への影響度が大きい)
重点維持項目
(満足度が高い、推奨度への影響度が大きい)
注意観察項目
(満足度は低め、推奨度への影響度は小さめ)
基本維持項目
(満足度は高い、推奨度への影響度は小さめ)

優先度は重点維持項目がもっとも高く、注意観察項目は低めとなります。この分類では顧客ロイヤルティを高めるために有効なアクションの順位がわかります。

定性分析と定量分析は相互補完関係にあるため、それぞれを活用することで適切な改善案の立案が可能です。

課題の発見と改善策の立案・実行

調査結果の分析により、改善ポイントや優先度が明らかになったら、改善策の立案と実行を行います。改善策を立てる際には顧客視点を忘れず、仮説に基づいて立案することが重要です。

改善策を実行に移すには、すぐにできるものとできないものがあります。そこで、「すぐにできるもの」「すぐにやらなくてはいけないこと」「急がなくてもいいが、重要度の高いもの」「重要度の低いもの」などに分類し、短期的・中長期的にわけて施策実行の計画を立てるのが成功のポイントです。

すぐにスコアが向上するとは限りません。実行の結果を分析しつつ、PDCAサイクルを迅速に回していきましょう。

NPX Proの活用でCXの重要指標NPS計測が容易になる

CX向上の重要指標であるNPSを計測するには、担当者の負担を軽減してくれるツールの導入をおすすめします。「NPX Pro」はアンケートの作成・配信・収集・分析など一連のプロセスを自動化できるCXの測定に有効なツールです。

とくに、以下のような悩みのあるマーケティング担当者におすすめです。

  • 調査実施から回答結果の集計までに時間と手間がかかる
  • 現在も調査は実施しているものの思うような結果が出ない
  • NPSに影響がある要因の特定ができていない
  • 改善点の優先順位のつけ方が分からない
  • 顧客から集めたデータが煩雑で管理しきれない

NPX Proは顧客からのデータを一元管理し、アンケート結果を効率良く活用できます。カスタマージャーニーやデータの分析結果を可視化するため、各部署で認識の統一が可能です。多様な分析フレームワークを用意し、状況に応じて優先改善課題をタイムリーに捉えられるでしょう。

また、NPS公認資格を所有するコンサルタントが導入から活用までサポートするため、担当者の負担の軽減に役立ちます。

指標(KPI)を活用することで適切にCXを改善できる

これからのビジネスではCXの改善が常に求められます。そしてCXを改善するために使われる指標(KPI)には顧客満足度やNPSなどがあり、自社にあった方法で改善策を実行することが大切です。とくに顧客ロイヤルティを測るNPSについて採用したいところですが、実施するには時間がかかるなどの難点があります。そこで「NPX Pro」のようなツールを使用することで、的確で効率の良いNPSの調査分析が可能となるでしょう。

NPX Proを導入すれば、アンケートの作成・配信・回答収集・分析のプロセスを一元管理できるため、業務効率化・社内リソースの確保に役立ちます。「NPSの活用を検討している」「導入したもののうまく活用できていない」という担当者の方は、NPX PROの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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