2014/12/16
カスタマーロイヤルティxビジネス
第1回 カスタマーロイヤルティとソーシャルメディア(その1)
NTTコム オンラインの屋代です。私のコラムでは、主にカスタマー・ロイヤルティ、そしてその測定手法としてのNPS®のビジネス活用に関する事例や調査・分析報告に関する海外の記事等をご紹介し、『カスタマー・ロイヤルティやNPSがどのようにビジネスに役立つのか』を考えていくものにしたいと考えております。お付き合いいただければ幸いです。
まず、私自身の背景のご紹介で恐縮ですが、私はビジネス向けソーシャルメディア運用支援プラットフォーム『SocialEngage』のプロダクトマネージャーを数年にわたり務めております。
X (旧Twitter)やFacebookといったソーシャルメディアをビジネスに活用する流れは日本でも定着しておりますが、お客さまよりよく訊ねられる質問の1つに『ソーシャルメディアのKPIをどう測定するか?』という命題があります。この質問に対する私なりの回答を得るために調べたことが、NPSという概念に関心を持ったきっかけとなります。
そこで、今回は、『ソーシャルメディアのビジネス活用とNPS』について、ご紹介いたします。
まず最初にご紹介するのは、2013年5月21日付のForbesの記事 "Measuring Social Media ROI: Companies Emphasize Voice Metrics" です。この記事では、CMO Surveyが行った、ソーシャルメディアに関わる各種指標のうち、2010年8月時点と2013年2月時点のそれぞれにおいて利用していると回答した企業の割合を比較するデータを紹介しています。このデータにおいて注目されるのは、利用する割合が最も増えた指標が ”Net Promoter Score"であることです。ここから、企業は、ソーシャルメディアを通じたお客様とのエンゲージが推奨性向を改善しうると期待している、また、NPSという指標そのものを活用する動きが広まっており、そのドライバーとしてソーシャルメディアを位置付けている、といえるのではないでしょうか。
では、ソーシャルメディアを通じた企業と消費者のエンゲージは、本当に消費者の推奨性向を改善できるのでしょうか。その点については、Bain & Companyが興味深い記事を掲載しております。2011年9月12付けの記事 "Putting social media to work" においては、3,000人を対象とした調査において、ソーシャルメディアを通じて企業とより深いかかわりを持った消費者については、NPSが平均で33ポイント高くなっている、という結果が出たとしています。(なお、企業からの購買も平均20-40%多くなるとしています。)この結果から、ソーシャルメディアを通じたエンゲージが消費者の推奨性向を改善する(そして、購買も増える)との企業側の期待には一定の論拠がある、といえるように思います。
最新の記事においても、NPSをソーシャルメディアの指標の1つとして取り上げるものがあります。例えば、The Next Webの2014年10月14日の記事 "The metrics you need to know to measure social media customer satisfaction" においても、最も重要な指標として『Customer Satisfaction Index (CSI) またはNPS』が挙げられています。
このように、NPSを改善するうえで、ソーシャルメディアをお客様とのタッチポイントの1つとして定義し、その活動の成果と課題をNPSという形で測定する動きが広まりつつある、と考えております。
御社のソーシャルメディアアカウントも、もしかするとカスタマー・ロイヤルティを高める大きなポテンシャルを秘めているのかもしれません。
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