2015/02/04
カスタマーロイヤルティxビジネス
第2回 カスタマーロイヤルティとソーシャルメディア(その2)
NTTコム オンラインの屋代です。前回は、『ソーシャルメディアのビジネス活用とNPS®』をテーマに据え、ソーシャルメディア運用の成果指標としてNPSを使う企業が増えていることや、ソーシャルメディアを通じた企業とのエンゲージが推奨性向を高める、とする調査結果などをご紹介しました。今回も、もう少しこのテーマを掘り下げるうえで、注目される調査結果をご紹介します。
今回ご紹介するのは、2013年7月に公表された、Internet Advertising Bureau UK(IAB UK)による、ソーシャルメディアがブランドにもたらす効果に関する調査結果 ”IAB research shows social media drives ROI for FMCG” です。
この調査は、Heinz, Kettle, Twiningsという3つのブランドについて、4,500名以上を対象にソーシャルメディアがマーケティングファネルの各段階において及ぼす影響について測定したものです。(ケチャップや紅茶などで、日本でもお馴染みのブランドですね。)
プレスリリースでは、ソーシャルメディアがセンチメント・推奨・新製品のトライアル意向などに対する態度をポジティブにシフトさせることに特に有効であるとし、回答者の80%以上が、ブランドとのソーシャルメディアを通じたやり取りの後に購買意向が高まったと回答し、83%は製品のトライアル意向を示した、としています。
特に、推奨意向については、Kettleについて、ソーシャルメディアでエンゲージした消費者の推奨意向は、そうでない消費者に比べて21ポイント高いとの結果が得られた、としています。
同様に、2013年9月にForrester Researchが発表した ”Engaged Social Followers Are Your Best Customers” においては、ソーシャルメディアを通じてブランドと活発にエンゲージする消費者とそうでない消費者の推奨意向を業界別に比較しております。
調査の結果、エンタテインメント・家電・ファストフード・消費財・小売のいずれにおいても、前者カテゴリのほうが高い推奨意向を示したとしています。
前回のコラムでご紹介したBainによる調査結果と同様、これらの調査結果も、ソーシャルメディアを通じたエンゲージが消費者の推奨性向を改善する(また、購買意向も高まる)という仮説を考えるうえで参考となるものと考えます。
もちろん、ソーシャルメディアが消費者とのエンゲージメントを強めていく『唯一の』媒体というわけではありません。ブランドに求められているのは、既存のお客様(および、想定ターゲット)がどのような行動を取り、どこでブランドとのエンゲージを求めていて、どのような体験がブランドへの評価を決定づけているのか、といった、いわゆる『ペルソナ』を正しく理解したうえで、お客様が求めている体験をお届けするためのエンゲージメントを正しく提供するための戦略を立案し、実行し、その成果を(NPSという形で)定量的に測定していく、という活動ではないでしょうか。
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