2022/04/04

顧客満足度とNPS®

顧客視点がマーケティング成功のカギ|潜在ニーズを知る指標も解説

顧客視点とは、顧客の目線で自社製品やサービスを評価してもらうことです。顧客の潜在ニーズに基づく評価なので、それを活かした顧客視点マーケティングでは、真のニーズに合った最適な顧客体験(カスタマーエクスペリエンス/CX)の提供が可能となります。

この記事では、顧客視点の重要性や、顧客の潜在ニーズから製品サービス購入、導入後の顧客満足度、顧客ロイヤルティを測る指標、顧客視点マーケティングの効果を最大化する方法などを解説します。

顧客視点とは

顧客視点は、具体的にどのように理解するとよいのでしょうか。最初に、その意味と重要性について解説します。

顧客視点の意味

顧客視点とは、自社製品やサービスを継続的に顧客に購入・利用してもらうために、顧客の目線で評価を行うことです。さらに顧客視点に基づいてマーケティング活動を行うのが、顧客視点マーケティングです。

「お客様の声」との違い

顧客視点と「お客様の声」は混同されがちですが、全く異なります。お客様の声は、顧客による製品・サービスに対する感想や不満などを、言語化した評価であるのに対し、顧客視点は、顧客の潜在的なニーズに基づく評価のことです。お客様の声は、その場の直感的な意見や思いが多く、顧客がなんとなく感じている違和感や不快感、顕在化していない不満などは、言葉にできないので含まれていません。そのため、お客様の声で指摘されたことを改善しても、本当のニーズが反映されていないので、顧客満足度が向上しないことも多くあります。

顧客視点とは、顧客の真のニーズや、自分でも理解し切れていないインサイトまでも見抜いて、自社製品・サービスの評価を可視化することです。これにより、適切なマーケティングが可能となるのです。

顧客視点が重視される理由

顧客視点は、なぜ重視されているのでしょうか。

企業視点に偏らない判断ができる

製品・サービスの開発や改善は、自社のKPIや予算に縛られることが多く、企業側の思惑に寄ったアウトプットになりがちです。企業視点による偏った判断でうまれたプロダクトは、顧客ニーズを無視した産物であり、収益につながらないばかりか、企業やブランドのイメージダウンになりかねません。

顧客視点の評価を取り入れれば、企業の事情だけにとらわれない、顧客が望む製品やサービスの提供が実現します。

 

一般論・常識に左右されない

顧客視点に立つと、いわゆる「一般論」や「決めつけ」に左右されることが少なくなります。例えば、自社の健康食品のペルソナを設計する場合、普通であれば「健康に気遣う人」がメインのターゲットとなることでしょう。ところが、顧客視点調査を行うと、「健康に無頓着な人が、手軽にできる健康法として、自社健康食品に大きな期待を寄せている」などがわかることもあります。

このように顧客視点で考えると、一般論や常識などで決めつけることがなくなり、効果的なマーケティングが可能となります。

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顧客視点マーケティングに活用できるフレームワーク

顧客視点マーケティングは、顧客の潜在ニーズを顕在化しなくてはならないので、簡単にできることではありません。企業視点に寄らないマーケティングを行うには、以下のフレームワークを活用すると、効率よく進められます。

ペルソナを設計する

どのマーケティング活動でも重要なことですが、顧客視点マーケティングを行う上でも、顧客像を明確にしておくことは必須です。自社製品やサービスを利用している顧客のペルソナをできるだけ詳細に設計し、考えられる潜在ニーズを可視化しておきます。自社商材に対するニーズだけではなく、それらを顧客が利用しているシーンや、さまざまな活用方法を想定しておくことも重要です。

カスタマージャーニーを作成する

ペルソナと共に、カスタマージャーニーマップも作成しておきましょう。顧客とのタッチポイントごとに、顧客が望む顧客体験(CX)を落とし込んでいきます。それぞれの顧客体験が、顧客視点に基づいた設計であり、顧客の行動や心理に合わせて整理することが重要です。

「4C」を活用する

このほか、「4C」というマーケティングのフレームワークを活用する方法もあります。4Cとは、「Customer Value(顧客にとっての価値)」「Cost(顧客のコスト)」「Convenience(顧客にとっての利便性)」「Communication (顧客とのコミュニケーション)」の4つの領域において、顧客視点で分析を行う手法です。

Customer Valueは、自社の製品やサービスが、顧客にどのような価値を提供しているかを分析するものです。実利的なものに限らず、スターバックスの「第三の場所(サードプレイス)」のように、「家庭・職場以外のくつろぎや楽しさを与える場」という価値を提供している例もあります。

Costは、顧客が製品やサービスを購入・利用する際のコストのことで、金銭的なものだけではなく、利用時の労力や心理的負担なども含まれます。提供する側には、顧客の負担を軽減するコスト設計が求められます。

Convenienceは、顧客ができるだけ製品やサービスを利用しやすくなるような設計や対応をすることです。製品やサービス自体の利便性だけではなく、商品を知ってから購入・利用、アフターサポートに至るまで、すべてのタッチポイントにおける利便性向上を検討する必要があります。

Communicationは、企業と顧客のコミュニケーションのことです。自社からの一方的な情報提供だけではなく、顧客からのフィードバックを集める仕組みを整え、適切に返す双方向コミュニケーションを行うことが重要です。

4つの領域すべてが、顧客ロイヤルティやLTVの向上につながる大切な要素なので、顧客視点で自社が提供できる優位性を整理するようにしましょう。

顧客視点マーケティングに役立つ指標

顧客視点マーケティングを行うために必要な、顧客の潜在ニーズを明確にする調査方法や指標としては、以下が挙げられます。これらを有効活用することで、マーケティング効果の最大化を実現できます。

顧客データの活用

顧客の購入・利用履歴や、自社サイト内での行動履歴などのデータがあれば、これらを活用することで、顧客の隠れたニーズやインサイトを知ることも可能です。顧客データは自社製品・サービスと直結するので、一般的な調査では知ることができない課題なども浮き彫りにできます。

行動観察調査(エスノグラフィー)

行動観察調査とは、顧客の日常生活における行動を観察して、製品・サービスの利用状況を調べる調査のことで、顧客の潜在ニーズを探るのに適しています。顧客の無意識の行動を把握することで、顧客自身も理解していない欲求や、購入・利用に至る理由なども知ることができます。

顧客満足度調査(CS調査)

顧客の期待にどのくらい応えられているのかという指標測定で用いられることの多い指標は、NPS®・JCSI・CSAT(カスタマー サティスファクション スコア)・CES(カスタマーエフォートスコア)が挙げられます。

関連記事:顧客満足度調査とは?重視されている理由や評価方法を解説

評価は何段階が適切か

アンケートや企業の人事評価などでは 、「S、A、B、C、D」などの5段階による「評定尺度法」がよく使われます。一方で顧客ロイヤルティを測るNPS®では0-10の11段階で行い、9-10を推奨者、7-8を中立者、6未満を批判者としてスコアを計算します。

ここでは、長期的なビジネスの成長や売上に直結する「NPS®」について紹介していきます。

NPS®

顧客の潜在ニーズを探るには、顧客ロイヤルティを可視化する指標であるNPS®(ネットプロモータースコア)を活用します。

NPS®とは

NPS®は、シンプルな計算で、定性的でわかりにくい顧客ロイヤルティを数値化できることから、多くの企業で活用されている指標です。統一した指標なので、競合他社との比較を行いやすいのも特徴です。顧客ロイヤルティは、特に継続利用を前提とするサブスクリプションビジネスでは重要な指標であり、事業者側の経営判断に活かせるメリットがあります。

また、NPS®では、顧客が何に満足し、何に不満を抱いているのかなども明らかにできることから、言語化されていない顧客ニーズも把握できます。

NPS®の計算方法

NPS®は、顧客に対するアンケート形式で行います。顧客に、製品やサービスを他人に薦めたい推奨度によって、0~10点までの11段階で評価してもらいます。その結果により、0~6点を付けた回答者を「批判者」、7~8点を付けた回答者を「中立者」、9~10点を付けた回答者を「推奨者」として分類します。この推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値が、NPS®となります。

例えば、推奨者の割合が40%、批判者の割合が10%であった場合、NPS®=40%-10%=30となります。NPS®が高いほど、顧客ロイヤルティが高いと判断します。

NPS®の活用方法

NPS®を顧客視点マーケティングで活用するには、カスタマージャーニーマップにおけるすべてのタッチポイントの顧客体験に対して、調査を行う必要があります。11段階評価のほかに、それぞれの評価理由や改善希望点なども回答してもらいます。これにより、真のニーズを引き出しながら、それぞれに対応する最適なアプローチ施策を構築できることになります。

NPS®調査は、一般的に質問の設定が難しいとされており、自社で行うのが難しい場合は、NPS®調査を効率的に実施できるツールの活用も検討しましょう。

顧客視点マーケティングを成功させるには

NPS®調査により潜在ニーズが把握できたら、顧客視点マーケティングにより具体的な施策に落とし込んでいきます。その際の注意点を説明しましょう。

一貫したイメージ・CXの提供

顧客視点のマーケティングでは、NPS®の結果に沿って、顧客とのすべてのタッチポイントにおいて、最適な顧客体験を提供します。その際に重要なのが、認知からアフターフォローまで、終始一貫したイメージや体験を提供することです。これにより、ブランドイメージが定着し、「顧客が好きなブランド」が、「顧客が好む」体験を継続して提供することになるので、顧客ロイヤルティやLTV向上につながります。

顧客視点マーケティングを成功させる体制づくり

適切な顧客体験を設計できても、それを提供する社内の体制が整っていないと、効率的に顧客視点マーケティングを展開することができません。そのためにも、社内の営業やマーケティング、アフターサービス、お客様窓口・カスタマーセンターなど、すべての部署が連携して顧客に対応できる体制づくりが重要です。NPS®で得られたデータや、施策の進捗などを社内で共有するための、ツールの導入も有効です。

組織が一体となって顧客視点マーケティングに取り組むことで、効果の最大化を期待できます。

恒常的にPDCAを回す

顧客の真のニーズに沿った顧客体験は、一度設計したら終わりではなく、変化する市場や社会情勢、消費の多様化に合わせて改善が必要となります。そのために、定期的にPDCAを回して、顧客視点マーケティングを常に改善し続けることが求められます。顧客ロイヤルティやLTVを向上して、自社の収益増につなげるためにも、的確なPDCAによる恒常的な改善を意識するようにしましょう。

まとめ

顧客視点マーケティングとは、顧客の潜在的なニーズを明確にして、適切な顧客体験を提供するマーケティング活動です。顧客の真のニーズを満たす体験を提供するので、顧客ロイヤルティやLTVの向上につながり、収益増も実現します。顧客の潜在ニーズを把握する指標として、NPS®などを活用すると、具体的な施策にも落とし込むことができます。

NTTコム オンラインの「NPX Pro」は、難しいとされるNPS®調査の設問設計から配信、回収、分析、改善アクションの提案、社内での情報共有など、顧客視点マーケティングをトータルで効率化できるツールです。自社に調査のノウハウや人的リソースが不足している場合は、NTTコム オンライン各種NPS®サービスの活用をご検討ください。

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