2021/09/03

顧客満足度とNPS®

顧客満足度調査とは?重視されている理由や評価方法を解説

企業のさらなる成長のためには、顧客のニーズをしっかりと把握することが求められます。そのうえで、求められる商品やサービスとは何か、考えていくことが大切になります。このようなニーズを把握するうえで、重要だとされているのが「顧客満足度調査」です。一体、顧客満足度とはどのようなものなのでしょうか。そこで、この記事では顧客満足度の概要や重視されている背景、顧客満足度調査におけるポイントについて紹介します。

そもそも顧客満足度とは?

ビジネスシーンで見聞きする機会も多い「顧客満足度」という言葉。ただ、顧客満足とは一体どのようなものなのか、正確に把握できていない人もいるでしょう。ここでは、顧客満足度の概要や測定方法、重視されている背景について見ていきましょう。

顧客満足度とは

顧客満足度は英語で「Customer Satisfaction(CS)」と表記され、顧客の期待にどのくらい応えられているのかという指標のことです。提供する商品・サービスによって、顧客が重視するポイントもそれぞれ異なります。企業は多角的な視点から、顧客が求めるものやニーズについて確認する必要があります。
(関連記事:顧客満足度とは?向上させる目的、注意点を徹底解説

顧客満足度の測定方法

顧客満足度を測定する方法としては、「アンケート」が多く用いられます。顧客満足度は可視化することができない、感覚的なものといえます。このような感覚的・感情的なものを具体的につかむためには、顧客に対してアンケートを実施することが効果的なのです。アンケート結果をもとに分析を行うことで、顧客の現状を正確に把握できます。また、現状分析だけではなく、どのような要素において顧客の期待に応えられているのか、反対に応えられていないのは何か、今後の改善点を洗い出すことが可能です。

顧客満足度を決める要素

顧客満足度を決める重要な要素だとされているのが、「期待値」です。顧客が商品・サービスに対して抱いている期待値によって、顧客満足度に変化が生じるといわれています。たとえば、顧客が新製品を購入したとしましょう。このとき、事前に抱いていた期待値を超えているものだった場合は、顧客は満足感を得られます。反対に、顧客が事前に抱いていた期待値を下回ってしまった場合は、顧客満足度が低くなってしまうのです。このように、顧客満足度は商品・サービスを購入したあとだけではなく、購入前の段階から深く関係しているといえます。

主に、顧客の期待は価格や利便性、品質やスピードなどが関係しているとされてきました。なかでも、価格や品質は競合と比較評価されやすい要素であり、課題が生じやすいポイントです。このような要素を踏まえてアンケートの実施や分析を行うことが重要になるでしょう。

顧客満足度を高める目的

企業では顧客満足度を高めることが重要だとされています。なぜなら、顧客満足度の向上は「利益の最大化につなげられる」と考えられているためです。通常、新規顧客を獲得するためには、既存顧客の数倍以上のコストがかかるといわれています。そのため、既存顧客をいかに維持できるかが、効率的に利益を得るうえで非常に重要なこととなるのです。顧客となってから終わりまでの期間内の利益を最大化させることが、顧客満足度向上の大きな目的といえるでしょう。

加えて、「競合他社との差別化」も目的のひとつとして挙げられます。激化する市場において、顧客の獲得争いは日常的なものとなっています。このような顧客の奪い合いを勝ち抜くためには、企業と顧客の関係性を見つめ直すことが重要です。顧客満足度調査で顧客のニーズや特徴を把握することで、より良い関係を築き、他社との差別化を図るヒントを得られるでしょう。

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顧客満足度調査の計測方法について

顧客満足度を測定する際の指標には、さまざまなものがあります。指標によって特徴や適性が変わってくるため、目的に合わせて活用することが重要です。顧客満足度の測定の際、用いられることの多い代表的な指標には以下のようなものが挙げられます。

NPS®

NPS®は「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略称であり、顧客ロイヤルティを測るための指標です。企業・ブランドに対する顧客の愛着心や信頼性を数値化することができます。これにより、企業と顧客との接点における評価や改善などに生かすことができます。なお、NPS®は事業の成長率と深い関係があり、約3分の2もの欧米の公開企業が活用しているとされる指標です。そのため、多くの企業から注目されています。

NPS®の測定は、「あなたはこの企業(製品・サービス・ブランドなど)を友人や同僚におすすめする可能性はどの程度ありますか?」という質問を行い、0~10の11段階で評価してもらう方法が一般的です。シンプルな質問を行い、スコアを把握する方式となっています。スコアは9~10点を選んだ顧客を「推奨者」、7~8点を「中立者」、0~6点を「批判者」に分類します。続けて、回答者全体に占める推奨者の割合を引くことで、数値を算出することが可能です。
(関連記事:NPSとは?

JCSI

JCSIとは、「Japanese Customer Satisfaction Index(ジャパン・カスタマー・サティスファクション・インデックス)」の略称であり、日本独自の指標です。サービス産業の競争力を強めることが主な目的です。JCSIの計測には「顧客満足」「顧客期待」「知覚価値」、「知覚品質」「推奨意向」「ロイヤルティ」の6つの指標が関係します。それぞれの要素における質問を行い、そのスコアを出して指数化します。これにより、さまざまな面から企業のサービスを評価することができるという仕組みです。

JCSIの測定は、6つの各指標に対し3~4つの質問を用意し、得点を計算して100点満点で指数化します。JCSIにおける顧客満足度は、顧客が感じた値(P)から事前期待値(E)を引くことで算出されます。このとき、PがEよりも大きい場合は満足感があり、その反対の場合は満足していないということです。

CSAT

CSATは「customer satisfaction score(カスタマー サティスファクション スコア)」の略称であり、顧客に提供するサービスや商品にどの程度満足しているかを測る指標です。CSATは主に、顧客満足度の変化を確認するときに多く用いられます。そのため、顧客とのタッチポイントで調査するのが一般的です。たとえば、「あなたはこの商品に対してどの程度の満足を得られたのか1~5の5段階で評価してください」というような質問を複数行うことで、自社サービスや商品の顧客満足度が測れます。

なお、顧客がどの数字の段階で「満足している」とみなすのかは、各企業の判断に委ねられますが、4~5は「満足している」とみなすという場合が多いです。CSATの計算方法はパーセンテージで表され、例として100件の回答のうち75件の評価が4~5の場合の顧客満足度スコアは75%になります。想定よりも顧客満足度が低かった場合は、原因を突き止め問題解決を図る必要があります。反対に、顧客満足度が高い場合は、その具体的な要素を特定することで、自社の強みを把握できます。

CES

CESは「Customer Effort Score(カスタマーエフォートスコア)」の略称であり、顧客努力指数を意味します。顧客努力とは、顧客がサービスを利用するにあたり、どのくらいの努力が必要なのかを示すものです。簡単にいうと、CESとは顧客がサービスを利用する際に感じるストレスや手間を数値化したものといえます。サービスを利用する際に、使いにくさを感じるとどうしても顧客離れを招いてしまう原因につながります。したがって、企業は努力せずともサービスを使える状態、つまりCESを下げる必要があるのです。CESの調査はアンケートを取る方法が一般的です。

たとえば、「サービス利用時にどのくらいのストレスを感じますか」のような質問を用意し、1~7段階もしくは0~10の11段階で回答してもらうやり方が多くみられます。アンケート以外にも、顧客から直接ヒアリングする測定方法もあります。目的に合わせて使い分けをすると良いでしょう。

NPSは長期的なビジネスの成長・売上に直結する重要な指標

顧客満足度調査を行う際は、さまざまな指標が用いられます。なかでも、長期的なビジネスの成長や売上に直結する、重要な指標だとされているのが「NPS」です。なぜなら、企業としての継続的な成長を果たすためには、既存顧客のロイヤルティ向上が重要だとされているためです。新規顧客の獲得には多大なコストがかかります。効率的に利益を生み出すためには、新規顧客獲得にばかり力を注ぐのではなく、既存顧客のロイヤルティ向上を目指すことが重要です。NPSは自社の商品やサービスはもちろん、顧客体験を含めた広範囲の顧客ロイヤルティを数値化できます。

NPSの測定を行うことで満足な点や不満な点、さらにその詳しい理由など、顧客体験における広範囲の情報を把握できるようになるのです。この調査結果をもとにして商品やサービスの改善、開発や顧客対応などに生かすことができます。このような理由から、NPSは利益の向上にもつなげられ、ほかの指標と比較しても優位性が高いといわれています。

顧客満足度調査のサンプル例と業界別顧客ロイヤルティランキングを紹介

顧客満足度調査を実際に行おうと思っても、「質問項目の考え方がわからない」というケースも少なくありません。顧客満足度調査の有効性を高めるためにも、あらかじめポイントを把握しておくことが重要です。顧客満足度調査のサンプル例や、顧客ロイヤルティを向上させる重要性について見ていきましょう。

顧客満足度の向上から顧客ロイヤルティの向上へ

顧客満足度の向上を考える際、「顧客ロイヤルティ」に着目することも重要になります。満足度に加えてロイヤルティが高い顧客は、商品・サービスの継続的利用やリピート購入を期待できます。そのほかにも、有益なフィードバックや周りの人への積極的な推奨などを見込めるでしょう。差別化が難しい市場では、特に顧客ロイヤルティの重要性が増します。顧客ロイヤルティが高い場合、競合他社への流出を防ぎやすく、リピーターとなりやすい傾向にあります。

また、ロイヤルティの高い顧客は企業そのものに信頼を抱いているため、ほかの商品・サービスにも関心を持ちやすいのです。ワンランク上の商品・サービスを勧めたり、セット販売を提案したりするなど、セールスの手法を多様化することもできるでしょう。このことから、企業の利益を最大化させるためには、顧客満足度だけではなく顧客ロイヤルティの向上にも注力する必要があるといわれているのです。なお、顧客ロイヤルティは一般的にNPS®の指標を用いて計測されます。
(関連記事:CS向上から顧客ロイヤルティ向上へ

顧客満足度調査に関するアンケートのサンプル

顧客ロイヤルティ向上を目的としてアンケートを実施する場合、どのような内容にすれば良いのでしょうか。ここでは、参考としてアンケートのサンプルの一例を見ていきましょう。なお、調査は保険会社が行うと仮定します。NPSアンケートは適切な評価を得るために、まず「推奨度」の質問からスタートします。質問内容は「あなたはこの製品・サービスを家族や友人などにおすすめしたいですか?」「おすすめしたい人はその理由を教えてください」というものです。推奨度は0~10の11段階評価、理由は自由記述とします。

続けて、具体的なアンケートとして「企業に対する満足度」についての項目を設置します。ブランドイメージの良さ・商品の魅力・手続きの簡単さといった各要素の満足度を評価してもらいましょう。加えて、「改善点があれば1つ挙げてください」のような項目を設けておきます。アンケート結果が出たら、分析を実施します。数値での評価だけではなく、自由記述による内容もかけ合わせることがポイントです。以上のようなアンケートの作成と計算によって、顧客ロイヤルティを測ることができるでしょう。
(関連記事:アンケートの目的と作成例、調査のポイントを解説)

業界別顧客ロイヤルティランキング

NTTコム オンラインでは、業界別NPSベンチマーク調査を実施しています。ここでは、公開されている「NPS業界別ランキングトップ企業 2021」をチェックしていきましょう。クレジットカード部門は「第1位楽天カード」「第2位JALカード」「第3位アメリカン・エキスプレス・カード」となっています。電力部門は「第1位楽天でんき(楽天エナジー)」「第2位ENEOSでんき(ENEOS)」「第3位ずっとも電気(東京ガス)」というランキングです。生命保険部門請求体験調査は、「第1位ソニー生命」「第2位東京海上日動あんしん生命」「第3位メットライフ生命」とされています。
(関連記事:NPS®業界別ランキング&アワード)

顧客満足度調査を実施して企業の発展につなげよう

顧客満足度を高めることによって、利益の最大化や競合他社との差別化を図れるといったメリットを得られます。激化する市場のなかで顧客との良好な関係を築いて維持するためにも、顧客満足度調査をきちんと実施することが重要になるでしょう。また、顧客満足度の測定にはさまざまな指標があり、目的に応じたものを活用することが重要です。顧客満足度調査を実施してニーズを正確に把握し、企業の成長につなげましょう。

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