リードジェネレーションは、マーケティング活動によって見込み顧客(Lead、リード)情報を獲得する活動のこと。どのように実行すれば、リードを増やせるのでしょうか?解説します。
リードジェネレーションは、自社の商品やサービスに興味や関心を持つ人を増やし、将来的に顧客となりうる見込み顧客(Lead、リード)を開拓するための活動である。たとえば、広告を展開したり、展示会でブースを出展し、商品やサービスを多くの人に知らせるといったことも、リードジェネレーションのひとつとなる。
リードジェネレーションは、単に宣伝をするだけでなく、リードの連絡先(メールアドレス/電話番号など)を得ることも含まれる。入手した連絡先は、後日企業側からアプローチする際に使用する。このように、リードジェネレーションによって得た情報をもとに、リードにアプローチを行い、購買意欲を高めることを「リードナーチャリング」という。
リードジェネレーションによって得た見込み顧客が、すべて本当の顧客になるわけではない。自社の商品やサービスを購入する見込みのないリードを入手しても、そのリードがリードナーチャリングによって購買意欲を高める可能性は低い。そのため、リードジェネレーションの時点で、将来的に商品やサービスの購入に繋がりそうなリードを獲得することが求められる。
リードジェネレーションで質の高いリードを集めるためには、どうすれば良いのか? オフラインとオンラインに分けて紹介する。
展示会は、リードジェネレーションの定石ともいえる手法。展示会に出展し、ブースを訪れたビジネスパーソンと名刺交換をすることで、リード情報を獲得する。ブースに訪れる時点で、少なからず自社の商品やサービスに興味を持っているため、リードとしての質も比較的高い。展示会では、相手と直接会話もできるため、どの程度、商品やサービスに興味があるのか、予算化されているのかなど、相手側の検討状況について情報が収集できることも特徴。相手側の購入意欲が高い場合は、その場で商談まで話を進めることもできる。
セミナーも、リードジェネレーションの正攻法のひとつ。ビジネスパーソンが興味を持ちそうな話題のセミナーを開催し、参加したビジネスパーソンと名刺交換をすることで、リードを獲得する。展示会と同様、参加者はセミナーのテーマに興味を持っているため、リードとしての質は高い傾向となる。基本的には、自社のスタッフが登壇するが、タレントや有識者など著名人を起用し、集客力を高めるという施策もある。
企業に電話を掛け、売り込みを行う「営業電話」も、昔からあるリードジェネレーションのひとつ。ターゲットにダイレクトにアプローチでき、直接会話ができる点がメリットといえる。ただし、ビジネスタイムでの電話となるため、相手が会議や外出しているなどで応対されないケースが大半となる。たとえ相手と繋がっても、営業電話と警戒され会話が続かないこともある。テレアポで成果を出すためには、そのような状況でも会話を継続できるオペレーター側のスキルが求められる。
郵送やFAXで、ターゲットとなる企業にDMを直接送付することも、リードジェネレーションの一部となる。DMが開封されず、捨てられてしまう可能性は高いが、企業の役職者など決裁権をもったビジネスパーソンに開封され、興味を喚起できた場合は、商談までスムーズに進む可能性もある。DMに展示会・セミナーの招待状や資料請求用はがきを同封しておけば、購入意欲の高いリードの獲得も期待できる。
自社のWebサイトに、ターゲットが興味を持ちそうなコンテンツを掲載し、広告や検索エンジン、SNSなどからユーザーを誘導し、リードを獲得する手法。検索エンジンからの自然流入に重きを置く場合は「コンテンツSEO」と呼ばれることもある。
コンテンツが掲載されたページに、「より詳しい情報はこちら」「ダウンロード資料はこちら」といった入力フォームを用意し、興味を持ったユーザーがそこに個人情報を入力することで、リード情報が入手できる。コンテンツには読み物コンテンツのほか、動画コンテンツやダウンロード資料、ホワイトペーパー(PDF)など、さまざまなものがある。コンテンツ制作しWeb上に掲載する手間はかかるが、一度掲載すれば、その後の運用に手間が掛からない手法といえる。
コンテンツマーケティングと似たリードジェネレーションとして「オウンドメディア」がある。オウンドメディアは、自社の公式サイトとは一線を画した別のサイトを作り、そこにコンテンツを掲載し、コンテンツマーケティングを行っていくという手法。公式サイトと異なった方針でサイト運営ができるため、特定の商品やサービスに対するリードを獲得したい場合や、特定の業界に特化したリードを獲得したい際に有効な策といえる。
Web会議形式で開催するセミナーはウェビナー、Webセミナーと呼ばれる。セミナーとは違い名刺交換はできないが、参加条件にメールアドレスや名前・企業名などの入力を設けることで、リード情報が獲得できる。ウェビナーはリアルな会場を使用しないため、1度に多くの参加者を集められる点も特徴。当日の様子を録画しておくことで、動画コンテンツとして二次的に活用することもできる。
インターネット上に広告(Web広告)を掲出することも、リードジェネレーションの取り組みのひとつとなる。Web広告にはさまざまな種類が存在するがここでは3つ紹介する。
いずれのWeb広告も、広告をクリックしただけではリード獲得とはならない。クリックした後に表示される「ランディングページ(LP)」によって、資料請求などのコンバージョン(成果)を経ることで、リードが獲得できる。広告からのリード獲得効率を高めるためには、LPO(ランディングページの最適化)に取り組むと良い。
このように、リードジェネレーションにはさまざまな手法が存在する。それぞれの効果を計測するためには、各施策でどれだけのリードが創出できたのか、費用や労力を含めて調査する必要がある。
たとえば、コンテンツマーケティングやオウンドメディアなど、読み物系のコンテンツを経由したユーザーからの資料請求が多く発生した場合、読み物系コンテンツを拡充していく。コンテンツのSEO効果を高めて、検索エンジンの上位に表示されるようになれば、さらに多くのコンバージョンが得られる可能性が高まる。
逆に、「テレアポが全然繋がらない」「Web広告の成果が出ない」といった場合には、効果が薄い施策を取りやめ、別の施策に注力するべき。「展示会に出展し、リードの数は獲得できているが、受注数から考えると費用が掛かりすぎる」などでの場合は、費用対効果の高い施策へと切り替える必要がある。
序盤で触れたように、リードジェネレーションの後には、リードナーチャリングで見込み顧客の購入意欲を高め、そこから商品・サービスの購入へと繋げていく。そのため、たとえリードジェネレーションで多くのリードを獲得しても、その後のリードナーチャリングの行程で購入意欲が高まらなければ、商品・サービスの販売には繋がらない。
いたずらに多くのリードを集めるだけでは不十分であり、リードジェネレーションの段階で、できるだけ質の高いリードを集めることが重要となる。自社のターゲットを明確に定義し、「こういうリードが欲しい」という見通しを立てた上で、リードジェネレーションに取り組んでいくことで、その後のリードナーチャリングをうまく回すことができ、売上にも結びついていく。
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