【NPS®(顧客推奨度)ベンチマーク調査】
製薬(循環器系)おすすめランキング

企業の信頼性や患者視点、MRの役に立ちたい姿勢・対応のスピード感がロイヤルティ醸成につながる

2023/10/26

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下NTTコム オンライン)は、製薬業界(循環器系)を対象にしたNPSベンチマーク調査を実施しました。本調査は、医療用医薬品に関する情報提供を受けている製薬企業について、循環器系の医師を対象に行った調査になります。有効回答数は1,003件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象の製薬業界企業から情報提供を受けている医師が、循環器系の医師や医療関係者にその製薬企業を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。

製薬(循環器系)業界のNPSトップは1.6ポイント

製薬企業15社のうち、NPSのトップは1.6ポイントとなりました。トップ企業とボトム企業の差は31.7ポイント、15社のNPS平均は-14.7ポイントとなりました。

NPS

企業の信頼性や患者視点、MRの役に立ちたい姿勢・対応のスピード感がロイヤルティ醸成につながる

業界全体におけるロイヤルティの要因を17の項目別に分析したところ、「医薬品の性能やコストパフォーマンスの良さ」に加え、「製薬企業の信頼性」や「製薬企業の患者視点に立った活動・取り組み」がロイヤルティを醸成する要因となりました。また、「製薬企業主催の講演会、勉強会の充実度」、「製薬企業によるWeb講演会の充実度」といった講演会に関する項目や、MR(医薬情報担当者:Medical Representatives)の「専門知識の高さ」、「親身な対応・役に立ちたいという姿勢」、「期待するスピード感での対応」もロイヤルティ向上につながる結果となりました。
一方で、MRの「連絡頻度やタイミングの適切さ」においては今後の改善が期待される結果となりました。
NPS上位企業においては、自由記述において「即答できない質問は熱心に調べて報告してくれる」、「専門性の高いことを尋ねると、学術部を通してとても参考になる文献や参照出来る動画のアクセスサイトを紹介してくれた」といった、医師の役に立ちたいという姿勢に関するコメントが多くみられました。NPS下位企業においては、「訪問が多すぎる」、「MRとあまり関わりが少ない」といったMRの情報提供の頻度に関するネガティブなコメントもみられました。

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※ダウンロード資料にて詳細のドライバーチャートをご覧いただけます

HPはGPと比較してNPSが高い傾向に

HP(100床以上の病院勤務医:Hospital)とGP(100床未満の病院勤務医、開業医:General Practitioner)とでNPSを比較したところ、HPでは-12.6ポイント、GPでは-19.4ポイントとなり、HPのほうがNPSが高くなりました。GPにおいては、業界全体で課題となったMRの「連絡頻度やタイミングの適切さ」に加え、「医療情報メディアでの製薬企業からの適切な情報提供」や「医師以外の医療従事者へのサポートの充実度」においても今後の改善が期待される結果となりました。

図:HP・GP別のNPS

図:HP・GP別のNPS
※HP・GP別のロイヤルティ醸成要因の分析結果については、ダウンロード資料にてご覧いただけます

製薬企業が行う患者向けの取り組みについて評価している医師はNPSが高い傾向に

業界全体でロイヤルティ醸成の要因となった「製薬企業の患者視点に立った活動・取り組み」について、具体的な製薬企業の取り組みに対する評価を調査したところ、「取り組んでいると思う・やや取り組んでいると思う」と回答した割合が最も多かったのは「患者向けの薬剤情報の提供」(63.1%)、次いで「患者向けの病気・疾患に関する情報提供」(61.5%)となりました。「患者向けの治療用アプリの開発・提供」は4割程度にとどまりました。

図:対象の製薬企業による患者向けの取り組みに対する評価

図:対象の製薬企業による患者向けの取り組みに対する評価

さらに、製薬企業による患者向けの取り組みに対する評価別にNPSを分析したところ、いずれの項目においても「取り組んでいると思う」と評価する医師は、はそうではないと回答した医師と比較してNPSが高くなりました。特に、「患者向けの治療用アプリの開発・提供」について評価している医師のNPSは非常に高い結果となりました。循環器系は生活習慣病とも密接に関係しており、このような患者向けの取り組みを進めることがロイヤルティにも重要であることが示唆される結果となりました。

図:対象の製薬企業による患者向けの取り組みに関する評価別のNPS

図:対象の製薬企業による患者向けの取り組みに関する評価別のNPS

推奨度が高いほど、今後の薬剤処方意向も高い傾向に

対象の製薬企業において、今後の薬剤の処方意向を0~10の11段階でたずねたところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は平均9.3ポイント、 「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.7ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.8ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となる結果となりました。

図:推奨セグメント別今後の薬剤処方意向

図:推奨セグメント別今後の薬剤処方意向

<調査概要>

【製薬(循環器系)】

  • 調査対象企業(アルファベット順、50音順): MSD、アステラス製薬、アストラゼネカ、大塚製薬、小野薬品工業、住友ファーマ、第一三共、武田薬品工業、田辺三菱製薬、日本ベーリンガーインゲルハイム、ノバルティスファーマ、バイエル薬品、ファイザー、ブリストル マイヤーズ スクイブ、持田製薬(社名入りのNPSおよびランキングは、有料レポートにてご覧いただけます)
  • 調査対象者: 製薬企業から医療用医薬品に関する情報提供を受けている循環器系の医師(主に従事している診療科が循環器内科、循環器外科・心臓血管外科)
  • 調査方法: 複数の医師パネルを使用した非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2023/9/6(水)~ 2023/9/19(火)
  • 有効回答者数: 1,003件(製薬企業を基準とした回答の総数:1,853件 ※医師1名あたり最大2社の製薬企業について回答)
  • 回答者の属性:
    • 【性別】男性:91.9%、女性:8.1%
    • 【年代】30代以下:26.0%、40代:25.3%、50代:27.5%、60代以上:21.1%

Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。