【NPS®(顧客推奨度)ベンチマーク調査 2022】
製薬(消化器系)おすすめランキング

企業の信頼性や講演会・説明会の充実度がロイヤルティ醸成につながる

2023/01/19

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、製薬業界を対象に顧客ロイヤルティを図る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。本調査は、医療用医薬品に関する情報提供を受けている製薬企業について、消化器系の医師を対象に行った調査になります。有効回答数は1,680件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象の製薬業界企業から情報提供を受けている医師が、消化器系の医師や医療関係者にその製薬企業を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。

製薬業界のNPSトップは9.0ポイント

製薬企業13社のうち、NPSのトップは9.0ポイントとなりました。トップ企業とボトム企業の差は33.1ポイント、13社のNPS平均は-8.9ポイントとなりました。

NPS

企業の信頼性・患者視点に立った取り組みや講演会の充実度がロイヤルティ醸成につながる

製薬業界におけるロイヤルティの要因を15の項目別に分析したところ、「製薬企業の信頼性」や「製薬企業の患者視点に立った活動・取り組み」がロイヤルティを醸成する要素となりました。自由記述においても、「適度な連絡と、個々の患者に対する状況確認がある」や「患者さん向け資料がわかりやすい」といった意見がみられ、医師をフォローする取り組みの重要性がうかがえる結果となりました。また、「製薬企業主催の講演会、勉強会、施設説明会の充実度」や「製薬企業によるWeb講演会の充実度」、「医療情報メディアでの製薬企業からの適切な情報提供」といった、Webを含めた様々な手段や媒体による情報提供も、ロイヤルティを高める要因となりました。「医薬品の性能やコストパフォーマンス」もロイヤルティ醸成のポイントになりましたが、それ以上に製薬企業による情報提供や、患者視点に立った取り組みにおいて、推奨度との相関が高い結果となりました。

一方で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、MR(医薬情報担当者:Medical Representatives)に関連した項目となり、「MRの専門知識の高さ」や「MRの親身な対応・役に立ちたいという姿勢」において今後の改善が期待される結果となりました。MRに対する評価が高かった企業においては、自由記述において「必要な論文などをすぐに探してくれた」、「訪問の際、疑問に感じたこと、質問事項は必ず翌日に再訪問して情報提供してくれる」といったコメントがみられました。一方でMRに対する評価が低かった企業においては、「やや情報提供が偏る傾向がある」、「最近やや活動が低下している」といったコメントがみられました。

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

NPSが高い企業においても「MRの提案力の高さ」や「MRの専門知識の高さ」、「MRの親身な対応・役に立ちたいという姿勢」といったMRの対応力に関する項目に加え、「MRの連絡頻度の適切さ」や、「MRの連絡タイミングの適切さ」、「MRの連絡手段の適切さ(訪問やメール)といったMRの連絡方法に関する項目がロイヤルティに影響を与える結果となりました。

製薬企業が行う患者向けの薬剤情報や病気・疾患に関する情報提供について評価している医師は約70%

現在、医療業界全体においては患者だけではなく、医療従事者や介護者などヘルスケアに関わる全ての人の経験価値の向上を目指すHX(ヘルスケアエクスペリエンス)という考え方が浸透しつつあります。製薬企業においても、医師向けの情報提供だけでなく、エンドユーザーである患者向けの情報提供や、医療機器・治療用アプリの開発などのヘルスケア領域における取り組みがみられます。
そこで、対象の製薬企業における、ヘルスケア領域に関する取り組みへの評価を調査したところ、「取り組んでいると思う・やや取り組んでいると思う」と回答した割合が最も多かったのは「患者向けの薬剤情報の提供」(67.2%)、次いで「患者向けの病気・疾患に関する情報提供」(66.2%)となりました。「地域医療など医療問題の解決への取り組み」や「医療機器の開発」、「患者向けの治療用アプリの開発・提供」は半数程度にとどまりました。

図:対象の製薬企業によるヘルスケア領域に関する取り組みに対する評価

図:対象の製薬企業によるヘルスケア領域に関する取り組みに対する評価

医療問題の解決や患者向けアプリの開発への取り組みを評価している医師はNPSが高い傾向に

製薬企業のヘルスケア領域に関する取り組みへの評価別にNPSを分析したところ、いずれの項目においても「取り組んでいると思う」と評価する医師は、はそうではないと回答した医師と比較してNPSが高くなりました。特に、「地域医療など医療問題の解決への取り組み」や「患者向けの治療用アプリの開発・提供」について評価している医師のNPSは非常に高い結果となりました。

図:製薬企業によるヘルスケア領域に関する取り組み評価別のNPS

図:製薬企業によるヘルスケア領域に関する取り組み評価別のNPS

推奨度が高いほど、対象の製薬企業の継続利用意向も高い傾向に

対象の製薬企業において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は平均9.3ポイント、 「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.7ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.7ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となる結果となりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

図:推奨セグメント別継続利用意向

<調査概要>

【製薬(消化器系)】

  • 調査対象企業(アルファベット順、50音順): EAファーマ、MSD、アステラス製薬、アストラゼネカ、大塚製薬、小野薬品工業、第一三共、武田薬品工業、中外製薬、日本イーライリリー、ノバルティスファーマ、ファイザー、ブリストル マイヤーズ スクイブ(社名入りのNPSおよびランキングは、有料レポートにてご覧いただけます)
  • 調査対象者: 製薬企業から医療用医薬品に関する情報提供を受けている消化器系の医師(主に従事している診療科が消化器系内科または消化器系外科)
  • 調査方法: 複数の医師パネルを使用した非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2022/11/10(木)~ 2022/11/28(月)
  • 有効回答者数: 931件(製薬企業を基準とした回答の総数:1,680件 ※医師1名あたり最大2社の製薬企業について回答)
  • 回答者の属性:
    • 【性別】男性:94.3%、女性:5.7%
    • 【年代】30代以下:35.8%、40代:30.8%、50代:25.5%、60代以上:14.2%

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。