2025/08/27
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、地方銀行を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSベンチマーク調査を実施しました。地方銀行を対象としたNPSベンチマーク調査は今回が初めての実施となります。有効回答数は3,682件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、友人や同僚、家族にその地方銀行を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。
<調査対象企業(アルファベット順、50音順)>
足利銀行、池田泉州銀行、伊予銀行、関西みらい銀行、京都銀行、群馬銀行、静岡銀行、七十七銀行、常陽銀行、第四北越銀行、千葉銀行、西日本シティ銀行、八十二銀行、広島銀行、福岡銀行、北洋銀行、横浜銀行
対象の地方銀行17行のうち、NPSのトップは伊予銀行(-35.6)、2位は西日本シティ銀行(-37.9)、3位は福岡銀行(-39.4)となりました。対象17行のNPS平均は-49.0、またトップ企業とボトム企業との差は28.0ポイントとなりました。
業界全体のロイヤルティを醸成する要素を25項目で分析したところ、「企業イメージ・ブランドイメージのよさ」や「利用時の安心さ・セキュリティの信頼性」、また「お客さまに寄り添う姿勢・大切にする姿勢」、「不祥事を未然に防ぐ取り組み・企業努力」といった企業イメージに関連する項目となりました。
一方でロイヤルティ向上のために優先的に改善が期待される項目としては、「ニーズを満たす商品のラインナップ・商品の魅力」や、「担当者の説明のわかりやすさ(商品の特性、手数料、リスク・リターン等)」、また、「地域の暮らしや特性などを理解したコミュニケーション・親身な対応」となりました。
図:地方銀行全体におけるロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:
URL:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/inquiry/
NPS1位となった伊予銀行では、「地域課題の解決への貢献」や「地域の企業支援などを通じた、地域経済の活性化への貢献」といった地域への貢献性に関連した項目のほか、該当者のみではあるものの「ネットバンキングの使いやすさ・分かりやすさ」や「公式アプリの使いやすさ・分かりやすさ」といったデジタル接点に関する項目もロイヤルティ醸成要因となりました。2位の西日本シティ銀行は「資産形成に関する情報提供や発信の豊富さ、充実」が、また3位の福岡銀行は「お客さまに寄り添う姿勢・大切にする姿勢」や「利用時の安心さ・セキュリティの信頼性」がそれぞれ評価されました。
地方銀行では地域に根差した銀行として、地域社会・経済の振興や活性化に向けて、地域のイベントへの協賛や地域文化の保護、またプロスポーツチームへのスポンサー支援などの取り組みを進めています。このことを背景に、該当の銀行が具体的に地域社会・経済に対してどのような活動を行っているか知っているものを調査したところ、最も高いのは「地域企業や商店外への融資」(21.4%)となり、次いで「地域のお祭りやイベントなどへの協賛」(18.5%)、「地域プロスポーツチームへのスポンサー支援」(12.4%)が続きました。
図:地域社会・経済の活性化への取り組みで知っているもの
また、該当の銀行における地域社会・経済の振興や活性化への取り組み姿勢に対する共感度合いを調査したところ、「共感している」と回答した人は8.1%、「やや共感している」と回答した人は20.5%となりました。
地域社会・経済の活性化への取り組み姿勢に対する共感度合い別にNPSも分析したところ、「共感している」と回答した層のNPSは12.8、また「やや共感している」と回答した層のNPSも-17.2となり、否定的な回答をした層よりもNPSが高くなりました。地方銀行として、地域社会・経済への活性化への取り組みに対する共感を得ることが、ロイヤルティ向上にもつながる結果となりました。
左図:地域社会・経済の活性化への取り組み姿勢に対する共感度合い
右図:地域社会・経済の活性化への取り組み姿勢に対する共感度合い別NPS
該当の地方銀行が提供するネットバンキングやアプリの利用状況を調査したところ、いずれかを利用したことがある人は全体の38.3%となりました。また、ネットバンキングやアプリの利用者におけるNPSは-38.1となり、非利用者に比較して高くなりました。特にNPSランキングの上位3社においてはネットバンキングやアプリ利用者のNPSは-24.9となり、業界全体と比べても高い傾向がみられました。
左図:アプリ・ネットバンキング利用者の割合
右図:アプリ・ネットバンキング利用有無別NPS
対象の地方銀行を利用する決め手となった情報源について分析をしたところ、最も高くなったのは「家族・親戚・友人・知人からのお薦め」(32.7%)となりました。2位は「勤め先や労働組合の担当者」(13.3%)、3位は「銀行の窓口」(10.0%)となりました。
対象の地方銀行において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.6、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.0、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.0となり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となりました。
図:推奨セグメント別継続利用意向
【地方銀行】
※NPSの値は小数点第 2 位を四捨五入しており、同値の場合、ランキングで同順位としている
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。