2019/1/30
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、不動産ディベロッパー業界(マンション)を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査2018を実施しました。有効回答者数は、1,203件でした。
<調査対象企業(50音順)>
住友不動産、大京、東急不動産、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス
不動産ディベロッパー6社のうち、NPSのトップは野村不動産(-31.1ポイント)となり、最下位の企業との差は17.1ポイントでした。また、不動産ディベロッパー6社のNPS平均は-36.3ポイントとなりました。
20の要因別に満足度と重要度を分析したところ、重要度が高いにも関わらず満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが最も大きかった)項目は、「マンションの適正な価格設定」、次いで、「マンションの構造・耐久性」、「管理会社の信頼性」となりました。「マンションの構造・耐久性」は、満足度が全体の2位と高かったものの、重要度が高く、更なる向上を期待されている項目となりました。
NPSセグメント別に要因満足度を分析したところ、「推奨者」においては、「問合せ時の応対のよさ」、「アフターサービスの充実」、「コミュニティの充実」といった、暮らしていく中でのサービスの充実度が高く評価されており、ロイヤルティを押し上げる結果となりました。
NPS1位の野村不動産は、「住み心地のよさ」、「コミュニティの充実」を含む複数の項目で業界トップの評価を得ていました。
不動産ディベロッパーが提供している、住まいの総合相談やオーナーズクラブなどのアフターサービスの利用有無について調査したところ、全体の34.9%が「利用している」という結果となりました。
図_アフターサービスの利用有無
アフターサービスの利用有無別にNPSを分析したところ、「複数利用している」回答者のNPS平均は-4.3ポイントともっとも高かった一方、「利用していない」回答者は-46.5ポイントと、NPSの平均が低い結果となりました。
図_アフターサービス利用有無別NPS
対象のマンションを購入した際、決め手となった情報源を調査したところ、1位「販売会社の営業担当者」(29.1%)、2位は「家族・親戚・友人・知人からのお薦め」(口コミ)(25.5%)となりました。
また、決め手となった情報源をマンションの居住期間別に分析したところ、居住期間により、情報源に差異が見られました。居住期間が10年以上の回答者は、新聞の折り込みチラシが高かった一方、居住期間が5年未満の回答者は、マンションブランドのウェブサイトや不動産情報サイト等、ウェブ系の情報源が高くなっていました。同時に、5年未満の回答者は「口コミ」の割合も高い傾向が見られ、3割強が口コミを情報源としてあげていました。
図_居住年数別決め手となった情報源
再度マンションを購入する機会があった場合に、対象の不動産ディベロッパーのマンションを購入したいかを、0~10 の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度「9」~「10」)は平均8.9ポイント、中立者(推奨度「7」~「8」)は平均7.1ポイント、「批判者」は平均4.7ポイント(推奨度「0」~「6」)と、推奨度が高いほど再購入意向が高い結果となりました。
図_再購入意向
不動産ディベロッパー(マンション)6社のNPS(ネットプロモータースコア)およびロイヤルティ要因についての分析レポートです。
NPSセグメント別の要因別満足度や、アフターサービスの利用有無についてなど、掲載しています。