2025/02/05
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、白物家電を対象に顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は1,919件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象の家電メーカーにおいて過去1年以内に白物家電(洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ・オーブンレンジ)を購入した人が、友人や同僚、家族にその白物家電メーカーを「どのくらいおススメしたいか」が分かります。
対象の白物家電メーカー4社のうち、NPSのトップはパナソニック(2.5ポイント)、2位は日立(-12.3ポイント)、3位は同値で東芝(-25.4ポイント)とシャープ(-25.4ポイント)となりました。4社のNPS平均は-15.2ポイント、トップ企業とボトム企業との差は27.9ポイントとなりました。
16の項目別に業界全体のロイヤルティの要因を分析したところ、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」や、「お客さまに寄り添う姿勢・大切にする姿勢」、AIやIoTの機能を搭載した製品などの「企業の技術開発力の高さ、革新性」がロイヤルティを醸成する要因となりました。また、商品の「機能性の高さ」や「機能の豊富さ」に加え、「デザイン性の高さ」、「耐久性・安全性の高さ」、「商品の直観的な操作のしやすさ、使い勝手の良さ」といった商品性に関する項目がNPSを高める要因となりました。
一方で、優先的に改善が求められる項目としては、商品の「オリジナリティの高さ」や「省エネや環境に配慮していること」となりました。
図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/home-appliances/inquiry/
パナソニックは、商品の「機能性の高さ」や「耐久性・安全性の高さ」がロイヤルティに影響を与える結果となり、NPS1位につながりました。2位の日立は「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」や「企業の技術開発力の高さ、革新性」がロイヤルティを醸成する要因となりました。
家電製品ごとにロイヤルティの要因を分析したところ、それぞれに特徴がみられました。洗濯機では「商品の機能性の高さ」や「商品の耐久性・安全性の高さ」がロイヤルティ醸成の要因となった一方で、「購入後の保証やアフターサービスの手厚さ」の改善が期待される結果となりました。また、冷蔵庫では「メーカー販売員の対応の良さ」が、電子レンジ・オーブンレンジでは「ライフスタイルに合った商品ラインナップの充実度」がそれぞれロイヤルティ醸成の要因となりました。ダウンロード資料では家電製品ごとの詳細分析結果も掲載していますので、ぜひご覧ください。
図:家電製品別にみた、ロイヤルティ要因分析
※ダウンロード資料では全16項目のドライバーチャートを家電製品別にご覧いただけます
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/home-appliances/inquiry/
※有料レポートでは企業ごとの家電製品別NPSのデータもご提供しております
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/inquiry/
対象のメーカーで所有している白物家電の種類を調査したところ、最も多いのは「洗濯機」(56.5%)となり、次いで「冷蔵庫」(47.5%)、「電子レンジ・オーブンレンジ」(46.0%)となりました。そのほか、エアコン(21.3%)、掃除機(16.7%)と続きました。
また、同じメーカーで所有している白物家電の種類の数を分析したところ、「1種類」が最も多く35.7%となり、「2種類」が30.7%、「3種類」が15.2%、「4種類以上」が18.4%となりました。また、企業別にみると、NPS1位となったパナソニックにおいては「4種類以上」所有している割合が40.0%と高くなりました。
左図:同じメーカーで所有している白物家電の種類
右図:同じメーカーで所有している白物家電の種類の数
さらに、同じメーカーで所有している白物家電の種類の数別にNPSを分析したところ、「4種類以上」所有している人のNPSは12.2ポイントとなり、所有している白物家電の種類の数が多い人ほどNPSが高くなりました。同じメーカーで白物家電をそろえている人ほどロイヤルティが高まることがうかがえる結果となりました。
図:同じメーカーで所有している白物家電の種類の数別NPS
家電メーカー各社では、家電をインターネットにつなげることでスマートフォンから遠隔操作したり、家電同士を連携させるといった機能を持つIoT家電の提供を行っています。そこで、対象の家電メーカーが提供する家電との連携機能を持つスマートフォンのIoTアプリについて、1年以内の利用経験を調査したところ、利用率は3.2%にとどまりました。
また、今後利用したいと思うIoTアプリによる家電連携機能について調査したところ、いずれかの家電連携機能を今後利用したいと回答した人は全体の61.1%となりました。
図:IoTアプリによる家電連携機能の今後利用意向
IoTアプリによる家電連携機能を今後利用したいと回答した人に対し、利用したいと思う具体的な機能について調査したところ、最も高いのは「スマホから家電を遠隔で操作できる」(62.5%)となりました。次いで「家電の不具合や故障時にスマホアプリに通知してくれる」(36.6%)や「家電の使用状況や消費電力をスマホで確認できる」(35.3%)が続きました。IoTアプリによる家電連携機能の現在の利用率は低いものの、今後の利用意向は高いことがうかがえる結果となりました。
図:今後利用したいと思うIoTアプリによる家電連携機能
対象の白物家電メーカーにおいて、今後の購入意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.5ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.7ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.6ポイントとなり、推奨度が高いほど今後購入意向も高くなりました。
図:推奨セグメント別継続利用意向
【白物家電】
※NPSの値は小数点第 2 位を四捨五入しており、同値の場合、ランキングで同順位としている
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。