2022/11/15
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、モバイル通信サービスのMVNO・サブブランド業界を対象に顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は2,352件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象のMVNO・サブブランドの契約者が、友人や同僚、家族にそのサービスを「どのくらいおススメしたいか」が分かります。
調査対象企業(アルファベット順、50音順):
IIJmio、mineo、OCNモバイルONE、UQ mobile、Y!mobile
対象のMVNO・サブブランド5社のうち、NPSのトップはIIJ mio(-16.2ポイント)となりました。2位はmineo(-17.3ポイント)、3位はOCNモバイルONE (-21.5ポイント)となりました。トップ企業とボトム企業の差は13.5ポイントとなりました。
また、対象の5社のNPS平均は-21.9ポイントとなり、前年の調査からは1.5ポイント向上しました。また調査開始時の2019年の結果と比較しても、7.3ポイント向上しており、業界全体のNPS平均が年々向上している傾向となっています。
図:NPS平均の推移(2019~2022年)
※線は最大値および最小値
MVNO・サブブランドのロイヤルティの要因を20の項目別に分析したところ、業界全体では「データ通信料金のお得さ」や「料金プランのわかりやすさ」、また、「自分に合った料金プランがある」といったプランや料金に関連する項目のほか、「つながりやすさ・エリアの広さ」や「データ通信の速度」、「通話品質」といった通信品質に関連した項目がロイヤルティ醸成につながりました。また、「企業の信頼性・ブランドイメージ」や「サービスの信頼性・安定性」といった企業やサービスの信頼性に関連した項目や、店舗を設けているブランドにおいては「店員の丁寧な説明」、「店員の、自分の要望に合った商品やサービスの提案力」といった項目もロイヤルティを醸成する要因となりました。
一方でロイヤルティを阻害する業界全体の課題項目は見られず、また業界平均のNPSも昨年に比較して向上していることから、上記のロイヤルティ醸成に寄与している良質なサービスや顧客体験の提供を強化することにより、更なるロイヤルティ向上につながることが期待されるものとなりました。
図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/mvno-subbrand/inquiry/
NPS1位となったIIJ mioは「データ通信の速度」や「通話品質」といった通信品質に加えて、公式アプリやマイページの使いやすさなども評価され、ロイヤルティの向上につながる結果となりました。2位のmineoは「データ通信のお得さ」や「自分に合った料金プランがある」、「料金プランのわかりやすさ」といった料金やプランに関連する項目が特に評価される傾向となりました。OCNモバイルONEは企業・サービスの信頼性に加え、料金面・プランに対する評価も高まったことから、昨年からNPSも向上し、3位の結果となりました。
最近の各社におけるスマートフォン・携帯電話端末の取り扱いの傾向として、一つの端末で複数のSIMカードを挿入できる端末や、物理的なSIMカードではなく、Webサイトなどから申し込み契約などができるeSIM対応の端末など、いわゆるデュアルSIM対応端末のラインアップが進んでいます。これを背景に、現在利用しているスマートフォン・携帯電話端末において、ほかの通信会社の回線を利用しているか調査したところ、同一端末で複数の通信回線を利用している契約者は全体の16.4%となりました。
図:同一端末での複数の通信回線を利用している割合
同一端末で複数の通信回線を利用している利用者を対象に、その理由を調査したところ、「通信費を抑えるため」と回答した割合が38.9%と最も高くなりました。次いで「通話とデータ通信用で使い分けするため」(34.5%)、「通信障害で利用できない場合のため」(29.0%)と、利用用途を分けたり通信障害時のバックアップ用の回線といった利用がみられました。
図:同一端末で複数の通信回線を利用している理由
対象のMVNO・サブブランドを契約している利用者に、回線がつながりにくい状態や通信障害時の経験について調査をしたところ、全体の39.1%が通信障害により困った経験がある結果となりました。一方「つながりにくい状態や通信障害を経験していない・特に困ることはなかった」と回答した契約者の割合は60.9%となりました。
図:通信障害の経験について
通信障害により困った経験がある利用者を対象に、その内容についても調査をしたところ、「電話やメール、チャットでの連絡が取れないこと」(63.9%)が最も高く、次いで「ニュースなどの閲覧ができないこと」(28.8%)、「QR決済・タッチ決済などの会計ができないこと」(24.5%)と続く結果となりました。
図:通信障害によって困ったこと
対象のMVNO・サブブランドにおいて決め手となった情報源を調査したところ、1位は「家族や友人・知人からの口コミ」が全体の27.1%を占め、最も高くなりました。2位は「サービス提供事業者の公式ホームページ」(25.0%)、3位「比較サイト(価格.com等)」(19.1%)、4位「まとめサイト・特集記事」(15.2%)、5位「インターネットのニュース・ビジネス記事(コラム)」(14.1%)が続き、Webサイトの記事やコンテンツなどが主な情報源として重視されている傾向となりました。
対象のMVNO・サブブランドにおいて今後の継続利用意向を、0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」 (推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.5ポイント、「中立者」 (推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.0ポイント、また「批判者」 (推奨度が「0」~「6」の回答者)は6.0ポイントとなり、推奨度が高いほど、継続利用意向が高くなる結果となりました。
図:推奨セグメント別継続利用意向
【MVNO・サブブランド】
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。