【NPS®(顧客推奨度)ベンチマーク調査】
総合型旅行会社おすすめランキング

旅の質の高さや旅行プランの提案の適切さがロイヤルティ向上の鍵に

2024/02/08

 NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、NPSベンチマーク調査2023総合型旅行会社部門を実施しました。この結果、最もNPSが高いのは、ジャルパックとなりました。有効回答者数は3,100件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象の旅行会社の利用者が、友人や同僚、家族にその旅行会社を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。

<調査対象企業・サービス(アルファベット順、50音順)>
ANAトラベラーズ・ANA SKY Web、HIS(エイチ・アイ・エス)、JR東海ツアーズ、JTB、近畿日本ツーリスト、クラブツーリズム、ジャルパック、 日本旅行、 阪急交通社

総合型旅行会社部門のNPSおすすめランキング1位はジャルパック

対象の総合型旅行会社9社のうち、NPSのトップはジャルパック(3.7ポイント)、2位は阪急交通社(-3.4ポイント)、3位はJR東海ツアーズ(-3.8ポイント)となりました。対象9社のNPS平均は-13.4ポイント、またトップ企業とボトム企業との差は33.7ポイントとなりました。

NPS

株式会社ジャルパック様のインタビュー記事を読む

総合型旅行会社全体では、旅の質の高さや旅行プランの提案の適切さの改善に期待

業界全体のロイヤルティを醸成する要素としては、「企業イメージ・ブランドイメージのよさ」や「サービスの信頼性・安心感」といった企業イメージや信頼性に関連する項目となりました。このほか「自分のニーズにあった商品がある」や、「会員特典の充実度」、「予約・購入のしやすさ」もロイヤルティの醸成につながる結果となりました。

一方でロイヤルティ向上のために優先的に改善が期待される項目としては「旅の質の高さ(現地を含めたスタッフの対応、品質や内容など)」や「旅行プランの提案・レコメンドの適切さ」、また「期待や想像を超える商品がある」、「コストパフォーマンスのよさ」といった旅行商品の商品性や提案の適切さに関連した項目となりました。また、「予約・購入後のアフターフォロー」、「お客様に寄り添う姿勢・大切にする姿勢」といった項目でも改善が期待される結果となりました。

前回調査からの比較では、「旅の質の高さ」はロイヤルティに与える影響は高いものの、満足度が下がったことで重点維持項目から優先改善項目にシフトしました。また、「旅行プランの提案・レコメンドの適切さ」も、前回調査からロイヤルティに与える影響度が高くなっており、これらの項目での取り組みを改善することの重要性がうかがえる結果となりました。

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/travel/inquiry/

NPSおすすめランキング1位のジャルパックにおいては、全般的なロイヤルティ構成項目で高評価になったことに加え、特に「会員特典の充実度」がロイヤルティ醸成につながりました。2位の阪急交通社は「担当者の期待を超える提案力」や「担当者による要望にあったプランの提案」などの担当者の提案力が、3位のJR東海ツアーズは「サービスの信頼性」や「予約・購入後のアフターフォロー(予約の確認や出発前の連絡等)」がそれぞれロイヤルティを醸成する要因となり、NPS上位となりました。

利用者が関心を持つ旅行テーマに対し、適切な提案をすることがロイヤルティを向上させる

利用者の関心のあるテーマについても調査したところ、最も高くなったのは「温泉・スパ・リラクゼーション」(65.1%)となりました。次いで「グルメ・食べ放題」(46.6%)、「寺社仏閣、史跡巡り」(39.1%)、「遊園地・テーマパーク・アミューズメント施設」(30.5%)と続きました。

年代ごとに分析もしたところ、20代以下や30代の若年層においては「遊園地・テーマパーク・アミューズメント施設」や「ホテルステイ・ホカンス」、「映画・ドラマ・アニメなどのロケ地巡り」といったテーマで他年代よりも割合が高くなりました。一方で50代、60代以上においては、「グルメ・食べ放題」、「寺社仏閣、史跡巡り」、「乗り物」などでの割合が高くなり、年代ごとに求められるテーマの傾向がみられました。

図:年代ごとにみた、関心のある旅行テーマ

図:年代ごとにみた、関心のある旅行テーマ

上記の自身の関心のある旅行テーマに関連したツアーやオプションについて、該当の旅行会社が提案ができていると感じるか調査したところ、「とてもそう感じる」また、「比較的そう感じる」と回答した利用者は52.9%となりました。

また、提案の印象別にNPSも分析したところ、「とてもそう感じる」、「比較的そう感じる」と回答した利用者のNPSは14.5ポイントとなり、「どちらでもない」、「あまりそう感じない」または「全くそう感じない」と回答した利用者のNPSよりも高い傾向となりました。利用者が関心を持っている旅行のテーマに対し、適切な提案をすることがロイヤルティを向上させることにつながることが示唆される結果となりました。

図:関心ある旅行テーマに対する、旅行会社からの提案への印象 図:関心ある旅行テーマに対する、旅行会社からの提案への印象別NPS

上図:関心ある旅行テーマに対する、旅行会社からの提案への印象
下図:関心ある旅行テーマに対する、旅行会社からの提案への印象別NPS

商品提案時の提案力の高さや、旅行時の添乗員やスタッフの対応力が期待を超える旅行体験を生む

該当の旅行会社での旅行を終えて、プランや提案が期待どおりの内容であったか調査したところ、「期待を大きく上回った」、「期待をやや上回った」と回答した利用者は合わせて28.6%となりました。また期待に対する評価別にNPSも分析したところ「期待を大きく上回った・期待をやや上回った」と回答した利用者のNPSは28.5ポイントとなり、他の利用者よりも高くなりました。

左図:プランや提案を踏まえた、実際の旅行内容に対する評価 右図:プランや提案を踏まえた、実際の旅行内容に対する評価別NPS

左図:プランや提案を踏まえた、実際の旅行内容に対する評価
右図:プランや提案を踏まえた、実際の旅行内容に対する評価別NPS

「期待を大きく上回った」もしくは「期待をやや上回った」と回答した利用者にその理由を自由記述で調査したところ、「想像以上に幅の広い提案をしてもらえた」(30代男性)、「子供がいるプランでよりいい旅館をさがしてくれた」(30代女性)、「オプションが自社にないときに、他社のオプションを勧めてくれた」(50代男性)といった販売員の提案力の高さや、「ツアーの際に添乗員の対応が凄くよく気持ちが良く旅行ができたから」(40代女性)、「添乗員や現地スタッフの臨機応変な対応がよかった」(60代以上女性)、といった添乗員などの現地スタッフの対応力に対する評価、また「WEB面談での相談が便利で、問い合わせをすればかなり早いタイミングでレスポンスが得られたため」(40代男性)といった、問い合わせの良さについて評価する声が多くみられました。

一方で「期待を大きく下回った」もしくは「期待をやや下回った」と回答した利用者の理由としては、「希望した旅館とイメージが違った」(60代以上女性)、「もう少し期待してたけど観光不足感」(60代以上女性)、「宿泊コースの説明と実際に違いがあった」(60代以上男性)、「説明と現地の段取りが違っていた」(60代以上男性)といった、掲載されているプランの内容や当初のイメージと異なった内容が提供されたことに対する不満がみられました。また、「割高のプランを紹介された」(50代女性)、「担当者があまり親切ではなかった」(30代男性)、「相談してみたけどなんか親身に話を聞いてくれずガッカリした」(20代以下女性)、「外国国内移動の自身の飛行機が雪でキャンセルになったのに連絡がこなかった」(30代女性)、「旅行後のアンケート調査がない。サービス向上の意欲が感じられない」(60代以上男性)といった担当者や会社の対応面への不満もみられました。

利用者のニーズをくみ取り、提案力を高めていくことがロイヤルティ向上にもつながることがうかがえる結果となりました。

オンラインの旅行相談を経験した利用者は4.5%にとどまる

旅行会社においては店舗での相談受付のほか、オンラインのビデオチャットなどを介した旅行相談も受け付けているケースがみられます。オンラインでの旅行相談の利用経験について調査をしたところ、利用者は全体の4.5%にとどまりました。

オンライン相談の利用者に対し、オンライン相談で感じたメリットを調査したところ、最も高くなったのは「自分の好きな時間・好きな場所で面談できること」(40.3%)となりました。次いで「日程調整がしやすいこと」(33.1%)、「対面より気軽に相談できること」(29.5%)、「頻繁に相談がしやすくなること」(28.8%)と続きました。

図:オンラインの旅行相談で感じるメリット

図:オンラインの旅行相談で感じるメリット

該当の旅行会社の推奨度(友人や同僚におすすめできるか)が高いほど、継続利用意向も高くなる

該当の旅行会社の利用者に対し、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.4ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.8ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.4ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

図:推奨セグメント別継続利用意向

<調査概要>

【総合型旅行会社】

  • 調査対象企業・サービス(アルファベット順、50音順): ANAトラベラーズ・ANA SKY Web、HIS(エイチ・アイ・エス)、JR東海ツアーズ、JTB、近畿日本ツーリスト、クラブツーリズム、ジャルパック、 日本旅行、 阪急交通社
  • 調査対象者: インターネットリサーチモニターのうち、上記総合型旅行会社の利用者(1年以内)
  • 調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2024/1/18(木) ~ 2024/1/24(水)
  • 有効回答者数: 3,100名
  • 回答者の属性:
    • 【性別】男性:51.9%、女性:48.1%
    • 【年代】20代以下:12.6%、30代:13.5%、40代:16.2%、50代:17.3%、60代以上:40.4%

Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。