【NPS®(顧客推奨度)ベンチマーク調査】
ネット証券おすすめランキング

NPS上位企業においては新NISAの利用意向が顕著に高く出る結果に

2023/12/21

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、ネット証券を対象に顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は1,944件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象の証券会社の利用者が、友人や同僚、家族にその証券会社を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。

ネット証券部門のNPSおすすめランキング1位はSBI証券

ネット証券5社のうち、NPSのトップはSBI証券(-5.7ポイント)、2位は楽天証券(-24.2ポイント)、3位は松井証券(-32.2ポイント)となりました。業界全体のNPS平均は-30.1ポイント、トップ企業とボトム企業との差は40.7ポイントとなりました。

NPS

業界全体では資産運用に役立つ情報提供や商品の特性等の説明の分かりやすさの改善が期待される

ネット証券業界全体におけるロイヤルティを醸成する要素としては、「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」や「取扱商品の豊富さ・魅力」といった項目となりました。また、「マイページやアプリでの取引のしやすさ」、「マイページやアプリでの資産状況の把握のしやすさ」、「他の金融機関との連携の良さ(入出金のしやすさや金利・ポイント優遇など)」もロイヤルティ醸成に寄与する項目となりました。

一方で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、「資産運用に役立つ情報提供(世界経済・為替の動き・税制・制度変更等)」や「資産運用に対する期待通りの成果」といった項目となりました。また、「商品の特性、手数料、リスク等の説明のわかりやすさ」や「企業イメージ・ブランドイメージのよさ」といった項目についても、今後の改善が期待される結果となりました。

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

SBI証券は、「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」や「取扱商品の豊富さ・魅力」に加え、「他の金融機関との連携の良さ(入出金のしやすさや金利・ポイント優遇など)」がロイヤルティに影響を与える結果となり、NPSおすすめランキング1位につながりました。2位の楽天証券は、「資産運用に役立つ情報提供(世界経済・為替の動き・税制・制度変更等)」や「マイページやアプリでの資産状況の把握のしやすさ」において、3位の松井証券は「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」や「お客様に寄り添う姿勢、お客様の声に耳を傾ける姿勢」において高い評価を獲得しました。

ネット証券は対面証券と比較して新NISAの利用意向が高い

NISAの利用状況を調査したところ、対象のネット証券で一般NISAを利用している割合は29.0%、つみたてNISAを使用している割合は20.8%となりました。また、ネット証券では対面証券と比較してつみたてNISAの利用率が高いことがわかりました。

図:ネット証券と対面証券のNISAの利用状況

図:ネット証券と対面証券のNISAの利用状況

2024年より、年間投資上限額の引き上げや非課税期間が無制限となるといった新しい制度のNISA(以下新NISA)が開始されます。そこで、新NISAの利用意向を調査したところ、ネット証券において「対象の証券会社で新NISAを利用したい」と回答した割合は44.1%となり、対面証券の28.3%と比較して高くなりました。特に、NPS1位のSBI証券と2位の楽天証券においては新NISAの利用意向が顕著に高い結果となりました。また、対象のネット証券ですでにNISAを利用している人のうち、引き続き同一のネット証券で新NISAを利用したいと回答した利用者は73.4%となりました。

対象のネット証券会社で新NISAを利用したいと回答した人は、そうでない人と比較して「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」や「取扱商品の豊富さ・魅力」の評価が高くなりました。新NISAの商品ラインナップや手数料の魅力が利用意向の高さにもつながっているとみられます。

図: ネット証券と対面証券の新NISAの利用意向

図: ネット証券と対面証券の新NISAの利用意向

新NISAに関する案内や説明を受けた利用者のNPSは高い傾向に

対象の証券会社から新NISAに関する案内や説明があったかどうかを調査したところ、ネット証券において「新NISAに関する案内や説明があった」と回答した割合は43.0%となりました。対面証券においては45.6%となり、ネット証券と比較して大きな差はみられませんでした。

図:対象の証券会社からの新NISAに関する案内や説明の有無

図:対象の証券会社からの新NISAに関する案内や説明の有無

また、新NISAに関する案内や説明の有無別にNPSを分析したところ、「新NISAに関する案内や説明があった」と回答した利用者のNPSは-13.3ポイントと、「新NISAに関する案内や説明があった」と回答した利用者に比べて高くなりました。ネット証券において、新NISAに関する案内や発信をしていくことの重要性が示される結果となりました。

図:新NISAに関する案内や説明の有無別NPS

図:新NISAに関する案内や説明の有無別NPS

推奨度(友人や同僚におすすめできるか)が高いほど、継続利用意向も高い傾向に

対象の証券会社において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は平均9.5ポイント、 「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.0ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.3ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

図:推奨セグメント別継続利用意向

<調査概要>

【ネット証券】

  • 調査対象企業(アルファベット順、50音順): auカブコム証券、SBI証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券
  • 調査対象者: インターネットリサーチモニターのうち上記ネット証券会社において過去1年以内に取引経験がある人
  • 調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2023/11/10(金)~ 2023/11/14(火)
  • 有効回答者数: 1,944名
  • 回答者の属性:
    • 【性別】男性:71.4%、女性:28.6%
    • 【年代】20代以下:6.5%、30代:17.2%、40代:28.2%、50代:20.8%、60代以上:27.3%

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。