【NPS®(顧客推奨度)ベンチマーク調査】
クレジットカードおすすめランキング

業界全体ではポイントやマイルの貯まりやすさがロイヤルティを醸成。
タッチ決済機能に伴い、利用シーンが拡大し利用金額も向上

2025/02/19

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、クレジットカード業界を対象に顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答数は8,470件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象のクレジットカードの利用者が、友人や同僚、家族にそのクレジットカードを「どのくらいおススメしたいか」が分かります。

【クレジットカード】
Amazonマスターカード、ANAカード、au PAYカード(旧au WALLETクレジットカード)、dカード、JALカード、JCBカード、JREカード/ビューカード、PayPayカード(旧Yahoo! Japanカード)、アメリカン・エキスプレス・カード、イオンカード、エポスカード、オリコカード、セゾン・アメリカン・エキスプレス・カード、セゾンカード、セブンカード、三井住友カード、三菱UFJニコスカード、楽天カード

クレジットカードのNPSおすすめランキング1位は楽天カード

対象のクレジットカード18社のうち、NPSトップは楽天カード(-19.2ポイント)となりました。2位はアメリカン・エキスプレス・カード(-21.0ポイント)、3位はJALカード(-28.0ポイント)となりました。18社の平均は-40.0ポイント、トップとボトムの差は38.5ポイントとなりました。

NPS

業界全体ではポイントやマイルの貯まりやすさ、クレジットカードブランドへの信頼がロイヤルティを醸成

クレジットカード業界全体のロイヤルティを醸成する要素を20の項目で分析したところ、「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」や「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」といったポイントやマイルに関連する項目となりました。これ以外では「お客さまに寄り添う姿勢・大切にする姿勢」や「企業への信頼性」、「カードのブランドイメージの良さ・ステータス」といった企業やクレジットカードブランドの信頼に関連した項目のほか、「マイページなどの会員専用ページの分かりやすさ・使いやすさ」、「会員向け公式アプリの分かりやすさ・使いやすさ」といった会員向けの専用ページや公式アプリの使いやすさに関連した項目となりました。

一方でロイヤルティ向上のために優先的に改善が期待される項目としては、「ポイント・マイルの交換景品や移行先の豊富さ」、「店舗での商品やサービスの割引、追加ポイント・マイル付与などの特典の充実度」といった項目となりました。また、「Webサイトの分かりやすさ・使いやすさ」や「会員専用ページや公式アプリ、メルマガ、会報誌などのコミュニケーションの充実度」も今後の改善が期待される結果となりました。

図:クレジットカード業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

図:クレジットカード業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/creditcard/inquiry/

NPS1位となった楽天カードでは、業界全体のロイヤルティ醸成要因ともなった「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」や「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」といった項目が評価され、楽天ポイントがロイヤルティ醸成に寄与する結果となりました。2位のアメリカン・エキスプレス・カードは「お客さまに寄り添う姿勢・大切にする姿勢」や「利用時の安心感・セキュリティの充実」、また「旅行保険や空港ラウンジの利用など付帯サービスの魅力・充実度」、3位のJALカードは「ポイント・マイルの交換景品や移行先の豊富さ」や「店舗での商品やサービスの割引、追加ポイント・マイル付与などの特典の充実度」といった項目がロイヤルティ醸成要因となり、それぞれNPS上位となりました。

クレジットカードの不正利用の被害から守られている実感があるほどロイヤルティも高くなる

近年、フィッシング詐欺や詐欺サイトでのショッピングなどをきっかけとしたクレジットカードの不正利用の被害が増加しています。このことを背景に、該当のクレジットカード会社が、不正利用などの被害から守ってくれていると感じられるか調査をしたところ、肯定的な回答(「とてもそう感じる」または「ややそう感じる」)した利用者は46.3%となり、否定的な回答(「全くそう感じない」または「あまりそう感じない」)した利用者に比べて多くなりました。

 また、このクレジットカード会社の不正利用への対策に対する印象別にNPSを分析したところ、肯定的な回答をした利用者のNPSは-14.9ポイントとなり、否定的な回答、また「どちらでもない」と回答した利用者に比較して高くなりました。クレジットカード会社が利用者を不正利用の被害から守る取り組みを進めていくことがロイヤルティ醸成にもつながることが示唆される結果となりました。

図:クレジットカード会社の不正利用への対策に対する印象 図:クレジットカード会社の不正利用への対策に対する印象別NPS

左図:クレジットカード会社の不正利用への対策に対する印象

右図:クレジットカード会社の不正利用への対策に対する印象別NPS

クレジットカード会社においては、不正利用を防ぐためのモニタリングや本人認証サービス(EMV 3Dセキュア)の導入、業界全体での不正疑いのある情報の共有などの取り組みのほか、利用者に対して不正利用から身を守るための啓発などの取り組みを行っています。そこで、クレジットカードの利用において、不正利用から身を守るために利用者自身が取り組んでいる対策について調査したところ、最も高くなったのは「クレジットカードの利用明細を定期的に確認するようにする」(62.7%)となり、ついで「不審なWebサイトにアクセスしない」(43.4%)、「不審なメールや添付ファイル、SMSは開かない」(40.1%)が続きました。

図:クレジットカードの不正利用から身を守るために取り組んでいる対策

図:クレジットカードの不正利用から身を守るために取り組んでいる対策

タッチ決済機能により、クレジットカード利用シーンが増え、利用金額も増加する結果に

クレジットカードのタッチ決済の利用状況を調査したところ、全体の26.2%が利用している結果となりました(GooglePayやApplePayなどのスマホによるタッチ決済で連携して利用している人含む)。

これらタッチ決済を利用している人に、タッチ決済を利用し始めたことで、対象のクレジットカード利用頻度や決済回数に変化があったか調査したところ、26.4%が「利用頻度が増えた」または「利用頻度が比較的増えた」と回答しました。

図:タッチ決済機能を利用し始めてからのクレジットカードの利用頻度・決済回数の変化

図:タッチ決済機能を利用し始めてからのクレジットカードの利用頻度・決済回数の変化

また、タッチ決済利用有無別に、3~5年前と比べてクレジットカードの利用頻度が増えたシーンを調査したところ、タッチ決済利用者はタッチ決済非利用者と比べて、いずれのシーンにおいても利用シーンが増えたと回答した割合が高くなりました。その中でも、最も差分が大きくなったのは「食料品店・スーパーマーケット」となり、次いで「コンビニエンスストア」、「飲食店(レストラン、居酒屋、カフェ)」といったシーンが続きました。

図:タッチ決済利用有無別にみた、クレジットカード利用頻度が増えたシーン

図:タッチ決済利用有無別にみた、クレジットカード利用頻度が増えたシーン

さらにタッチ決済利用有無別に、該当するクレジットカードの1か月あたりの利用金額を分析したところ、タッチ決済利用者の利用金額は約8.7万円となり、タッチ決済非利用者に比較して1.8倍高くなりました。現状ではクレジットカードのタッチ決済利用者は3割弱にとどまるものの、スーパーやコンビニエンスストアなどの日常の買い物シーンにおけるクレジットカード利用が増え、クレジットカードの利用金額も増加していることがうかがえる結果となりました。

図:タッチ決済機能利用有無別に見た、1か月あたりのクレジットカードの利用金額

図:タッチ決済機能利用有無別に見た、1か月あたりのクレジットカードの利用金額

会員向けサイトや公式アプリなどで役に立っている情報は「利用料のお知らせ」や「決済完了時のお知らせ」

会員向けサイトや公式アプリ、メールマガジンや会報誌の利用者を対象に、これらの媒体で役に立っている情報を調査したところ、最も高くなったのは「月々の利用料のお知らせ」(66.9%)となりました。次いで「決済完了時のカード利用のお知らせ・通知」(32.6%)、「ポイントアップキャンペーン情報」(22.6%)が続きました。

推奨度(友人や同僚におすすめできるか)が高いほど、継続利用意向も高くなる

対象のクレジットカードの利用に対し、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.6ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.0ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.2ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

図:推奨セグメント別継続利用意向

<調査概要>

【クレジットカード】

  • 調査対象企業(アルファベット順、50音順): Amazonマスターカード、ANAカード、au PAYカード(旧au WALLETクレジットカード)、dカード、JALカード、JCBカード、JREカード/ビューカード、PayPayカード(旧Yahoo! Japanカード)、アメリカン・エキスプレス・カード、イオンカード、エポスカード、オリコカード、セゾン・アメリカン・エキスプレス・カード、セゾンカード、セブンカード、三井住友カード、三菱UFJニコスカード、楽天カード
  • 調査対象者: インターネットリサーチモニターのうち、上記クレジットカード会社の利用者
  • 調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2025/1/20(月) ~ 2025/1/22(水)
  • 有効回答者数: 8,470名
  • 回答者の属性:
    • 【性別】男性:59.2%、女性:40.8%
    • 【年代】30代以下:18.9%、40代:18.3%、50代:22.4%、60代以上:40.4%

※NPSの値は小数点第 2 位を四捨五入しており、同値の場合、ランキングで同順位としている

Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。