【NPS®(顧客推奨度)ベンチマーク調査 2022】
生命保険(アフターフォロー)おすすめランキング

担当者の姿勢や対応力がロイヤルティ醸成に寄与。
資産形成ニーズやライフイベントの変化を捉えた適切なアフターフォローがNPS向上につながる。

2022/07/14

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、生命保険業界を対象に、契約後の訪問や面談、連絡、情報提供といった、一連のアフターフォロー体験に焦点を当て、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は5,225件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象の生命保険の契約者がアフターフォローの体験から、友人や同僚、家族にその生命保険を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。

調査対象企業(アルファベット順、50音順):
SOMPOひまわり生命、アクサ生命、アフラック、オリックス生命、かんぽ生命、住友生命、ソニー生命、第一生命、東京海上日動あんしん生命、日本生命、プルデンシャル生命、明治安田生命、メットライフ生命

アフターフォロー体験の有無がNPSに差を生む

NPSベンチマーク調査2022生命保険部門 アフターフォロー調査は、生命保険を契約した後の訪問、面談、連絡、情報提供などを受けたことがある契約者を対象に、当該のアフターフォロー体験について焦点をあてた調査になります。
アフターフォローを受けたことがある契約者と受けたことが無い契約者別に、生命保険会社に対するNPSを比較すると、アフターフォローがある契約者のNPS平均は、アフターフォローの体験が無い契約者に比較して28ポイント程度高くなっています。アフターフォローが契約者に対するロイヤルティに影響を与えることが分かる結果となりました。

図 アフターフォロー体験有無別での生命保険会社に対するNPS平均(線は最大値及び最小値)

図 アフターフォロー体験有無別での生命保険会社に対するNPS平均(線は最大値及び最小値)

生命保険部門 アフターフォロー調査のNPS1位はソニー生命

対象の生命保険会社13社のうち、生命保険におけるアフターフォロー体験に対するNPSのトップはソニー生命(-35.1ポイント)、2位はプルデンシャル生命(-35.4ポイント)、3位は東京海上日動あんしん生命(-35.5ポイント)となりました。アフターフォローを受けての対象13社のNPS平均は-46.7ポイント、またトップ企業とボトム企業との差は26.8ポイントとなりました。

生命保険のアフターフォロー体験においては担当者の姿勢や人柄、対応力がロイヤルティ醸成に寄与

生命保険のアフターフォローを受けたことによるロイヤルティの要因を分析したところ、「契約後の担当者のお客様を大切にする姿勢・寄り添う姿勢」、「担当者の金融や保険に対するプロとしての信用度」といった項目のほか、「自身の感じる不安や関心事に関するヒアリング力の高さ」や「自身の感じる不安や関心事に関する提案力・解決力の高さ」、「自身の状況に応じた、担当者の柔軟な対応」といった担当者の姿勢や対応力に関する項目となりました。

一方でロイヤルティを向上させるための優先的に改善が期待される項目としては、「コミュニケーション手段の適切さ」や「自身の生活状況や生活環境の変化に応じた適切なタイミングでのコミュニケーション」といった項目となり、コミュニケーション手段やタイミングの適切さにおいて今後の改善が期待される結果となりました。

図:生命保険のアフターフォロー体験に関するロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

図:生命保険のアフターフォロー体験に関するロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/lifeinsurance_a/inquiry/

NPSの上位3社においてはスコア差が小さく、横並びとなりました。上位3社ともにコミュニケーションの適切さや、担当者に関連した項目で評価が高くなったことが特長となっています。1位となったソニー生命は「契約後の担当者のお客様を大切にする姿勢・寄り添う姿勢」や「担当者の金融や保険に対するプロとしての信用度」といった担当者の姿勢に関連した項目が評価され、ロイヤルティに影響を与える結果となりました。2位のプルデンシャル生命においては「自身の感じる不安や関心事に関する提案力・解決力の高さ」について、また、3位の東京海上日動あんしん生命においては「自身の感じる不安や関心事に関するヒアリング力の高さ」の項目がそれぞれ評価され、NPS上位となる結果となりました。

アフターフォローを受ける頻度が高い契約者ほど、NPSが高い傾向に

担当者の訪問・面談によるアフターフォローの頻度について調査をしたところ、「1年に1回程度」の頻度が30.7%と最も高くなり、「1~3か月に1回程度」の頻度でアフターフォローを受けている契約者の割合は10.0%、「5年以上ない」と回答した契約者は11.3%に留まりました。

アフターフォローを受けている頻度別にNPSを分析したところ、「1~3か月に1回程度」の頻度でアフターフォローを受けている契約者のNPSが-3.3ポイントと最も高くなりました。またアフターフォローを受ける頻度が少ないほどNPSは低くなる傾向にあり、「5年以上ない」と回答した契約者のNPSは-68.7ポイントとなりました。この傾向は担当者との電話やメール、LINEなどによる連絡、サポートセンターなどのお客様サポート窓口からの連絡など、担当者の訪問・面談による形式以外のアフターフォローでも同様の傾向となり、定期的に契約者との連絡を保つことがロイヤルティに向上につながることが示唆される結果となりました。

図:(左)担当者による訪問・面談の頻度 図:(右)担当者による訪問・面談の頻度別NPS

図:(左)担当者による訪問・面談の頻度
図:(右)担当者による訪問・面談の頻度別NPS

ライフイベントに関わるタイミングなどでのアフターフォロー体験がNPS向上につながる

契約時から現在までにおいて、提供を受けたアフターフォローのタイミングについて調査したところ、最も高い割合となったのは「定期的な挨拶」(45.1%)となり、次いで「契約内容の見直し・変更をした時」(39.5%)、「自身の生活状況や健康状態、ライフイベントにおいて変化があった時」(22.9%)と続きました。

アフターフォローを受けたタイミング別でNPSを分析したところ、「資産形成や将来設計などについて、気になることがあった時」が-13.8ポイント、「自身の生活状況や健康状態、ライフイベントにおいて変化があった時」が-24.2ポイントとなり、「定期的な挨拶」(-38.4ポイント)や「契約内容の見直し・変更をした時」(-41.9ポイント)を上回る結果となりました。

図:アフターフォローを受けたタイミング別のNPS

図:アフターフォローを受けたタイミング別のNPS

さらに、現状においてアフターフォローで提供を受けている情報やサービスについても調査したところ、「現状の契約内容の確認」が70.5%と突出する結果となりました。次いで「保障内容の見直し」(32.8%)、「加入保険の運用状況についての案内」(27.8%)が続き、「資産形成についての提案」(10.3%)、「ライフステージや保険ニーズの変化についてのヒアリング」(10.0%)は提供を受けている割合としては低い傾向となりました。

一方でこれらの選択項目別にNPSを分析したところ、最もNPSが高いのは「健康増進に関するイベント案内・健康に関するヒアリング」(-6.6ポイント)となり、次いで「ライフステージや保険ニーズの変化についてのヒアリング」(-7.1ポイント)、「資産形成についての提案」(-10.8ポイント)などが続く結果となりました。

資産形成について気になったときやライフステージに変化が生じたときなど契約者の適切なタイミングにおいて、資産形成やライフステージの変化による保険商品に関する情報を提供することがNPSの向上につながることが伺える結果となりました。

図:アフターフォローで提供を受けている情報・サービス別のNPS

図:アフターフォローで提供を受けている情報・サービス別のNPS

契約者に合わせた適切な情報提供がロイヤルティを高める

生活状況やライフスタイルの変化、またその時に感じる不安や要望などについて生命保険会社から受けたことのあるヒアリングの方式について調査したところ、「担当者によるヒアリング」(45.0%)が最も高くなりました。続いて「紙のアンケート」(15.2%)、「Webのアンケート」(13.1%)と続き、「ヒアリングやアンケートを受けたことがない」と回答した契約者は38.7%となりました。

これらヒアリングを受けたことがある契約者に、ヒアリングを受けたことでその後に届く案内やお知らせが自身にあった情報になっていると感じるか調査したところ、「とてもそう感じる・ややそう感じる」と回答した契約者の割合が最も高く53.9%となりました。

また、この情報提供の自身への適正化に対する印象別にNPSを分析したところ、「とても感じる・ややそう感じる」と回答した契約者のNPSは-10.3ポイントと高くなりました。生活やライフスタイルの変化を汲み取り、契約者に合わせた適切な情報提供を行うことがロイヤルティに影響を与えることが示唆される内容となりました。

図:(左)生命保険会社からの情報提供の適正化に対する印象 図:(右)生命保険会社からの情報提供の適正化に対する印象別NPS

図:(左)生命保険会社からの情報提供の適正化に対する印象
図:(右)生命保険会社からの情報提供の適正化に対する印象別NPS

老後の健康や資産形成について不安や気になっている契約者が多い

自身の生活や家族の状況、また将来の環境などについて不安や気になったことがあることについて調査したところ、「老後の健康」が40.4%で最も高くなった。次いで「自身の健康・体調の変化」(30.7%)、「老後の資産形成」(30.5%)、「収入の変化」(26.0%)と続き、自身の老後における健康状態や資産形成に対して不安が高い傾向が伺える結果となった。

推奨度が高いほど、対象の生命保険会社の継続利用意向も高い傾向に

対象の生命保険の契約者に対し、アフターフォローを受けての今後の継続利用意向を0~10の11段階で調査したところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は平均9.4ポイントとなり、 「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)の平均7.8ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)の平均5.8ポイントを上回り、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となりました。

図:推奨セグメント別アフターフォローを受けての継続利用意向

図:推奨セグメント別アフターフォローを受けての継続利用意向

<調査概要>

【生命保険部門 アフターフォロー調査】

  • 調査対象企業(アルファベット順、50音順):SOMPOひまわり生命、アクサ生命、アフラック、オリックス生命、かんぽ生命、住友生命、ソニー生命、第一生命、東京海上日動あんしん生命、日本生命、プルデンシャル生命、明治安田生命、メットライフ生命
  • 調査対象者: インターネットリサーチモニターのうち、上記保険会社と契約しアフターフォローのサービス提供を受けたことがある契約者(比較のためアフターフォロー未体験者へも一部設問を聴取)
  • 調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2022/6/7(火)~ 2022/6/13(月)
  • 有効回答者数: 5,225名(アフターフォロー体験者のみ)
  • 回答者の属性:
    • 【性別】男性:56.8%、女性:43.2%(アフターフォロー体験者のみ)
    • 【年代】20代以下:7.9%、30代:14.3%、40代:19.9%、50代:22.7%、60代以上:35.1% (アフターフォロー経験者のみ)

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。