2020/9/24
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、動画配信サービスの利用者を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は4,179件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、契約者が、知人や友人に該当の動画配信サービスを「どのくらいおすすめしたいか」が分かります。
<調査対象企業(アルファベット順、50音順)>
AbemaTV、Amazonプライム・ビデオ、DAZN、dTV、Hulu、J:COMオンデマンド、Netflix、U-NEXT、ひかりTV
動画配信サービス業界9社のうち、NPSの総合トップはNetflix(-4.4ポイント)となり、最下位の企業との差は37.3ポイントとなりました。9社のNPS®平均は-24.6ポイントとなりました。
18の要因別に重要度と満足度を分析したところ、重要度が高いにも関わらず満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが大きかった)項目は「コストパフォーマンス」、また「興味があるジャンルのコンテンツの豊富さ」となりました。「興味があるジャンルのコンテンツの豊富さ」は満足度自体も高い傾向となったものの、ユーザーの期待値も高かったことから重要度も高く、ギャップが生じる結果となりました。
NPS1位となったNetflixではこれらのギャップ項目での満足度評価が高かったことや、このほかのいずれの要因でもトップクラスの評価を得ており、「オリジナルコンテンツの豊富さ」や「オリジナルコンテンツのクオリティ」の項目では特に高い結果となりました。
企業とユーザーのコミュニケーションの有無について調査したところ、問い合わせや配信コンテンツへのリクエスト、メールマガジンの利用などを通じ、直近1年以内に企業とコミュニケーションを取ったユーザーの割合は、全体の30.8%となりました。また、コミュニケーションの有無別にNPSを分析したところ、企業と複数の手段でコミュニケーションを取っているユーザーのNPSは-0.7ポイントと、コミュニケーションを取っていないユーザーの-28.5ポイントと比較し、大幅に高い結果となりました。
図 コミュニケーション手段の利用経験別NPS
契約期間1年以上のユーザーを対象に、新型コロナウイルスの感染拡大前の時期と比べてお薦めしたいという気持ちに変化があるか調査したところ、31.3%のユーザーが、「以前よりもお薦めしたいと思っている」と回答しました。
お薦めしたい理由の自由記述を分析したところ、「おうち時間を楽しめる」、「ニュースなど暗い内容が多いときに、BGM的に流しておける」、「自宅時間を有意義に過ごせる」などの意見が多くみられました。これらのことから、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請を背景に、在宅時間を有意義に過ごす手段や気分転換としての活用、またレンタルビデオ店や映画館などの外出を控える代替手段として、動画配信サービスの利用が進んだことにより、身近なエンターテインメントとしての役割が評価される結果となりました。
年代別で視聴目的について調査したところ、全ての年代において「視聴したいコンテンツがあったから」と回答した割合が50%となりました。このほか、全体的な傾向としては、「好きなときに見られるから」(24.0%)や「料金が安かったから」(16.1%)などが続きました。
このほか、契約期間が1年未満のユーザーの視聴目的を分析したところ、「新型コロナウイルスによる外出自粛で在宅時間が増えたから」と回答したユーザーは、該当者全体のうち29.6%となりました。
対象の動画配信サービスについて継続利用意向を調査したところ、顧客ロイヤルティの高い「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は9.3ポイントとなり、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)の5.2ポイントに比べて大幅に高く、推奨度が高いほど、継続利用意向が高くなる結果となりました。
図 NPSセグメント別継続利用意向
Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。