【NPS®(顧客推奨度)ベンチマーク調査 2021】
動画配信サービスおすすめランキング

業界全体ではコンテンツの充実がロイヤルティを醸成。
オリジナリティあるコンテンツの提供が鍵に

2021/9/27

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、動画配信サービス業界を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPS®のベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は3,986件でした。
※NPS®のベンチマーク調査を通じて、対象の動画配信サービスの利用者が、友人や同僚、家族にその動画配信サービスを「どのくらいおススメしたいか」が分かります。

<調査対象企業(アルファベット順、50音順)>
Abemaプレミアム、Amazonプライム・ビデオ、DAZN、dTV、Hulu、J:COMオンデマンド、Netflix、U-NEXT、ひかりTV

動画配信サービス部門のNPS®1位はNetflix

動画配信サービス9社のうち、NPS®のトップはNetflix(-0.4ポイント)、2位はDAZN(-10.0ポイント)、3位はAmazonプライム・ビデオ(-14.1ポイント)となりました。動画配信サービス9社のNPS®平均は-26.4ポイント、トップ企業とボトム企業との差は45.1ポイントとなりました。

図:動画配信サービスにおけるNPS®の分布

図:動画配信サービスにおけるNPS®の分布

豊富なコンテンツがロイヤルティを醸成。オリジナルコンテンツの拡充が今後の課題に

ロイヤルティの要因を20の項目別に分析したところ、「コンテンツの幅広さ、多様性」、「興味があるジャンルのコンテンツの豊富さ」といった、配信されるコンテンツの豊富さや幅広さがロイヤルティを醸成する主な要因となりました。
一方でロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、「オリジナルコンテンツの豊富さ」「オリジナルコンテンツのクオリティ」といったコンテンツに関連した項目や、「コストパフォーマンス」となり、各配信サービスならではのオリジナリティのあるコンテンツの充実や質の向上や、また、配信コンテンツと料金面のバランスが業界全体としての課題となりました。また、「お勧め・レコメンデーションの適切さ」についても、今後の改善が期待される結果となりました。

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/video-service/inquiry/

NPS®上位企業においては、各配信サービスならではの強みや特長から評価を得ており、NPS®1位となったNetflixは項目全般での評価が高くなりました。特に業界全体の課題ともなった、オリジナルコンテンツの豊富さ・クオリティという点で高く評価されており、推奨理由としても「オリジナル作品が面白い」「オリジナル作品がたくさんある」といった意見が多くみられました。2位のDAZNはスポーツに特化した配信サービスであり、国内外のあらゆるスポーツを中継・ライブ配信で見ることができるという特長を強みに、スポーツファンからの厚い支持を獲得しました。3位のAmazonプライム・ビデオは、Amazonプライム会員向けの一つのサービスという位置付けから、コストパフォーマンスの良さで評価される結果となりました。

利用者の約1割が、通常よりも速い再生のスピードで動画を視聴

普段の動画視聴における再生スピードについて調査したところ、全体のうち、89.8%の利用者が「等倍のスピードで視聴している」と回答した一方、9.1%の利用者は「通常よりも速いスピードで再生している」と回答する結果となりました。 通常よりも速いスピードで再生している理由も分析したところ、主には「多くの作品を視聴するため」や「時間を無駄にしたくない」、「ゆっくり見ている暇がない」といった声が多くみられました。動画配信サービスの普及に伴って提供コンテンツの拡充が進む一方で、たくさんのコンテンツを効率よく視聴する手段が求められている傾向が伺える結果となりました。

レコメンド機能を活用している利用者のNPS®は高い

レコメンド機能の活用について調査をしたところ、51.1%の利用者がレコメンド機能が役に立った経験がある結果となりました。レコメンド機能で最も役に立っている機能は「お気に入りの動画に近しいコンテンツの紹介」(73.3%)となり、「興味のなかったジャンル・カテゴリのコンテンツの紹介」(32.1%)が続きました。
また、レコメンド機能が役に立った利用者とそれ以外の利用者でNPS®で分析したところ、レコメンド機能が役に立ったことがある利用者のNPS®は-5.0となり、レコメンド機能が役に立ったことは無い利用者のNPS®である-47.1ポイントを上回る結果となりました。レコメンド機能によって利用者の好みに近しいコンテンツの紹介や、新しいジャンルのコンテンツを提案することで、NPS®の向上につながることが示唆される結果となりました。

図(左):役に立ったことがあるレコメンド機能の経験有無別NPS® 図(右):役に立ったことがあるレコメンド機能の経験有無の割合

図(左):役に立ったことがあるレコメンド機能の経験有無別NPS®
図(右):役に立ったことがあるレコメンド機能の経験有無の割合

昨年に比べて視聴環境の変化は縮小。新型コロナウイルス感染拡大以後の利用定着が伺える傾向に

昨年と比べての視聴環境の変化について調査したところ、「視聴時間」が増えたと回答した利用者は23.1%、「個別課金(都度購入、単品レンタルなど)」において「増えた」と回答した利用者の割合は20.9%となり、いずれも昨年の調査結果に比べて、利用が「増えた」と回答した割合は小さくなりました。
同様に、契約期間が1年以上の利用者を対象に、昨年に比べてお薦めしたいという気持ちに変化があるか調査したところ、「以前よりもお薦めしたいと思っている」と回答した利用者は20.3%となり、こちらも昨年より割合が小さくなりました。また、「特に変わらない」と回答した利用者は72.9%となり、昨年よりも約10%増加しました。新型コロナウイルスの感染拡大によって、身近なエンターテインメントとしての役割が評価された結果、今年度においては動画配信サービスの利用定着が伺える傾向となりました。

図:昨年と比べた視聴環境の変化(「増えた」と回答した利用者の割合)

図:昨年と比べた視聴環境の変化(「増えた」と回答した利用者の割合)
※2020年度調査は新型コロナウイルスの感染拡大前の時期との比較

推奨度が高いほど、継続利用意向も高い傾向に

対象の動画配信サービスにおいて今後の継続利用意向を、0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.4ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.7ポイント、また「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は5.3ポイントとなり、推奨度が高いほど、継続利用意向が高くなる結果となりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

図:推奨セグメント別継続利用意向

<調査概要>

  • 調査対象企業(アルファベット順、50音順): Abemaプレミアム、Amazonプライム・ビデオ、DAZN、dTV、Hulu、J:COMオンデマンド、Netflix、U-NEXT、ひかりTV
  • 調査対象者: インターネットリサーチモニターのうち上記有料動画配信サービス利用者(1年以内の利用あり)
  • 調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2021/7/30(金)~ 2021/8/6(金)
  • 有効回答者数:3,986名
  • 回答者の属性:
    • 【性別】男性:55.2%、女性:44.8%
    • 【年代】20代以下:18.2%、30代:20.2%、40代:21.7%、50代:16.9%、60代以上:23.0%

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。