2022/10/11
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、クレジットカード業界を対象に顧客ロイヤルティを図る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は7,543件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象のクレジットカードの利用者が、友人や同僚、家族にそのクレジットカードを「どのくらいおススメしたいか」が分かります。
<調査対象企業(アルファベット順、50音順)>
ANAカード、au PAYカード(旧au WALLETクレジットカード)、dカード、JALカード、JCBカード、JREカード/ビューカード、PayPayカード(旧Yahoo! Japanカード)、アメリカン・エキスプレス・カード、イオンカード、エポスカード、オリコカード、セゾン・アメリカン・エキスプレス・カード、セゾンカード、セブンカード、三井住友カード、三菱UFJニコスカード、楽天カード
関連調査として、クレジットカードについてインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」を用いて調査を実施しました。
「クレジットカード」に関する調査結果~クレジットカードはキャッシュレス決済利用で最多に。カードの使い分けは「ポイント」がカギ。~
詳しくはこちら からご覧ください。
クレジットカード会社17社のうち、NPSのトップはJALカード(-18.4ポイント)、2位は楽天カード(-20.4ポイント)、3位はアメリカン・エキスプレス・カード(-21.0ポイント)となりました。トップ企業とボトム企業の差は42.9ポイント、17社のNPS平均は-38.7ポイントとなりました。
図:クレジットカードにおけるNPSの分布
ロイヤルティの要因を20の項目別に分析したところ、「企業への信頼性」や「利用時の安心感・セキュリティの充実」、「カードのブランドイメージの良さ・ステータス」、「お客さまに寄り添う姿勢・大切にする姿勢」といった、企業の信頼性・安心感や企業姿勢に関する項目がロイヤルティを醸成する要素となりました。また、「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」や「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」もロイヤルティを高める要因となりました。
一方で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、「ポイント・マイルの交換景品や移行先の豊富さ」に加え、「会員向けイベントやキャンペーンの充実度」や、「利用金額の多さや長期利用に対する特典・サービス」といった項目があがり、付加的なサービスにおいて今後の改善が期待される結果となりました。また、業界平均線上ではあるものの、QRコード決済や電子マネーなど、「他決済サービスとの連携のよさ」も推奨度との相関が高くなりました。
図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
JALカードは、「会員向けイベントやキャンペーンの充実度」や、「利用金額の多さや長期利用に対する特典・サービス」がロイヤルティに与える影響が大きく、また前年と比較して評価も高まったことが、NPS1位につながる結果となりました。2位の楽天カードにおいては、「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」や「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」といった楽天ポイントのメリットにおいて、昨年に引き続き高い評価を得ました。3位のアメリカン・エキスプレス・カードにおいては、「カードのブランドイメージの良さ・ステータス」のほか、「マイページなどの会員専用ページの分かりやすさ・使いやすさ」や「会員向け公式アプリの分かりやすさ・使いやすさ」といったデジタル接点におけるCXにおいて評価され、NPS上位となる結果となりました。
近年、「VISAタッチ決済」や「Masterコンタクトレス」などの、カードをタッチするだけで支払いが完了する、非接触の決済方法であるタッチ決済(コンタクトレス決済)が浸透しつつあります。そこで、タッチ決済機能を搭載したカードを提供しているクレジットカード会社の利用者に、タッチ決済機能の利用経験を調査したところ、利用したことがある人は7.7%にとどまりました。一方で、今後の利用意向を聴取したところ、タッチ決済機能を「今後(も)利用したい」「どちらかといえば今後(も)利用したい」と回答した人は45.6%にのぼりました。
タッチ決済機能を今後利用したい理由を自由記述にて聴取したところ、「時間短縮になるから」、「決済スピードが向上するから」といった時短に関する意見や、「コロナ禍でもあり他人に触られたくない」、「物や人との接触を避けられる」などの非接触へのメリットを感じる意見がみられました。また、「預けないのでスキミングの脅威が減りそうだから」、「カードの受け渡しをしなくて済むから安全」といったセキュリティ上の安全性に関する意見もみられ、今後タッチ決済の利用促進の余地が考えられます。
左図:タッチ決済機能の利用経験の有無、右図:タッチ決済機能の今後の利用意向
さらに、タッチ決済機能の利用経験の有無別にNPSを分析したところ、利用経験がある人は、ない人に比べてNPSが高い傾向がみられました。タッチ決済機能の利用によるスピーディな決済や、セキュリティ面・衛生面での安心感といった利便性の良さが、ロイヤルティ向上に寄与することが示唆される結果となりました。
図:タッチ決済機能の利用経験の有無別のNPS
利用しているクレジットカードと同系列のQRコード決済サービスとの併用状況を分析したところ(例:楽天カード利用者における楽天ペイ利用率)、同系列のQRコード決済サービスを利用している人は33.9%となりました。特にau PAYカード(au Pay)、PayPayカード(PayPay)、dカード(d払い)の利用者において併用率が高く、60%を超える結果となりました。
図:同系列のQRコード決済サービスの併用率
また、同系列のQRコード決済サービスを併用している人とそうでない人で満足度項目を比較したところ、最も差が大きくなったのは「他決済サービスとの連携のよさ」となりました。次いで「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」、「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」が続きました。QRコード決済サービスとの併用により、クレジットカードの使いやすさやお得感の醸成につながっていることがうかがえる結果となりました。
図:同系列のQRコード決済サービスの併用有無別の満足度 ※差の上位5項目を掲載
対象のクレジットカード会社において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は平均9.6ポイント、 「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.0ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.2ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となる結果となりました。
図:推奨セグメント別継続利用意向
NTTコム オンラインNPSベンチマーク調査2022「クレジットカード部門」で第1位に輝いた株式会社 JALカード。NPSをベースにしたPDCAサイクルの構築などに取り組み、JALフィロソフィや新たに策定したブランドビジョンにて社員のあるべき心構えとなる「豊かな人生を送りたい人の、一番の理解者。」というコンセプトを定め、また、対外的にはスローガンとして「あなたの願いの、いちばん近くに。」を掲げ、お客さまの声と向き合っています。JALグループの中核企業として、航空事業のみならず、顧客基盤を活かした航空以外にも日常生活に寄り添ったクレジットカードとして発展するために取り組んでいる、NPSの活用や改善サイクルの構築についてお伺いしました。
【クレジットカード】
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。