2020/7/9
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、クレジットカード業界を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は、7,850件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象のクレジットカードの利用者が、知人や友人にそのカードを「どのくらいおススメしたいか」と、各クレジットカードの業界内での位置づけが分かります。
<調査対象企業(アルファベット順、50音順)>
ANAカード、au PAYカード(au WALLETクレジットカード)、 dカード 、JALカード、 JCBカード、 Yahoo!Japanカード、 アメリカン・エキスプレス、イオンカード、エポスカード、オリコカード 、セゾンカード、セブンカード、ビューカード、三井住友VISAカード、三菱UFJニコスカード、楽天カード
クレジットカード16社のうち、NPSランキングのトップ、「友人や知人に最もおすすめしたいクレジットカード」は楽天カード(-17.0ポイント)となりました。最下位の企業との差は46.2ポイント、16社のNPS平均は-38.6ポイントとなりました。
20の要因別に満足度と重要度を分析したところ、重要度が高いにも関わらず満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが大きかった)項目は、「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」、次いで「年会費とサービスのバランス」、「利用金額の多さや長期利用に対する特典・サービス」となりました。
NPSランキング1位の楽天カードは、「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」、「ポイント・マイル利用手続きのしやすさ」などポイント関連の項目や「毎月の請求額や明細の分かりやすさ」、「手続きのしやすさ」といったユーザビリティの部分で、高い評価を得ていました。
クレジットカードの特典プログラムの内容(ポイント還元や割引等)の理解度を調査したところ、全体の72.1%が「十分理解している」「大体理解している」と回答した一方、27.9%は「あまり理解していない」「全く分からない」という結果となりました。
図 特典プログラムの内容の理解度
クレジットカードの特典プログラムの内容の理解度別にNPSを分析したところ、「十分に理解している」ユーザーのNPSが13.6ポイントだったのに対し、「全く分からない」ユーザーは-82.4ポイントと、理解度が下がるにつれて、NPSも低くなる傾向が見られました。ポイント還元や割引等、提供している特典プログラムへの理解度を深めることが、 NPSの向上につながるという示唆が得られる結果となりました。
図 特典プログラムの理解度別NPS
対象のクレジットカードについて、月間平均利用金額を調査したところ、顧客ロイヤルティの高い「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)の2.1倍、月間平均利用金額が高い結果となりました。
図 NPSセグメント別平均月額利用金額(批判者を「1」とした場合)
対象のクレジットカードについて、今後の利用意向を調査したところ、推奨者と批判者で結果に大きな差が見られました。推奨者では、43.3%が今後対象のクレジットカードの利用金額を「増やしたい」、「どちらかといえば増やしたい」と回答したのに対し、中立者(推奨度が「7」~「8」の回答者)では22.7%、批判者では7.5%にとどまりました。顧客ロイヤルティの高い推奨者は、既に利用金額が大きいだけでなく、今後も今まで以上に利用金額を増やす意向を持っていることが分かりました。
図 NPSセグメント別対象のクレジットカードの今後の利用意向
クレジットカード以外のキャッシュレス決済として、電子マネーおよびQRコード決済の利用有無を調査したところ、43.0%は両サービスを併用、34.1%が電子マネーのみを利用、9.8%がQRコード決済のみを利用しており、全体の86.9%がいずれかまたは両方のサービスを利用している結果となりました。利用者のうち、電子マネーおよびQRコード決済の中で最も利用率が高かったのは、QRコード決済のPayPay(41.6%)となり、2位以降は、Suica(38.2%)、nanaco(38.0%)などの電子マネーが続きました。
Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。