【NPS®(顧客推奨度)ベンチマーク調査 2021】
セキュリティソフトおすすめランキング

業界全体では動きの軽快さや防御率の高さがロイヤルティ醸成につながる

2021/12/23

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、セキュリティソフト業界を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPS®ベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は2,713件でした。
※NPS®のベンチマーク調査を通じて、対象のセキュリティソフトの利用者が、友人や同僚、家族にそのセキュリティソフトを「どのくらいおススメしたいか」が分かります。

セキュリティソフト部門のNPS®1位はESET

セキュリティソフト6社のうち、NPS®のトップはESET(-9.4ポイント)、2位はウイルスバスター(-17.9ポイント)、3位はZERO(-18.6ポイント)となりました。セキュリティソフト6社のNPS®平均は-23.0ポイント、トップ企業とボトム企業との差は23.9ポイントとなりました。

NPS

業界全体では動きの軽快さや防御率の高さがロイヤルティの醸成につながる結果に

ロイヤルティの要因を19の項目別に分析したところ、「動きの軽快さ・処理速度の早さ」や「ウイルスの検出率など防御率の高さ」といった、セキュリティソフトの機能面に関する項目がロイヤルティを醸成する要因となりました。また、「スマートフォン・タブレットへのインストールのしやすさ」、「PCへのインストールのしやすさ」、「ソフトウェアのアップデートのしやすさ」といった、防御面以外のソフトの使いやすさのほか、「サービスの信頼性」や「コストパフォーマンスの良さ」といった点もロイヤルティ醸成に寄与する結果となりました。
一方でロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、「アフターフォローの充実」や「ブランドイメージのよさ」といった項目となりました。また「Webサイトの分かりやすさ」や「機能の充実さ」といった項目においても、今後の改善が期待される結果となりました。

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/securitysoft/inquiry/

NPS®1位となったESETにおいては、特に業界のロイヤルティ醸成ポイントとなった動きの軽快さ・処理速度の早さにおいて高い評価を獲得したほか、誤検出率の低さや防御率の高さといったその他セキュリティの機能面においても評価される結果となりました。2位のウイルスバスターにおいては、企業やサービスへのイメージ・信頼性に対する評価が高くなったほか、PCやスマートフォン・タブレットへのインストールのしやすさやアップデートのしやすさといった使いやすさの面で評価が高くなりました。3位のZEROにおいては特にコストパフォーマンスに対する評価が高くなりました。

利用料金や動作の重さ、保護実感に対する不安がセキュリティソフトを乗り換える主な理由に

現在利用しているセキュリティソフトの前に利用していたセキュリティソフトについて調査したところ、全体の56.3%が別の有料のセキュリティソフトから現在利用するセキュリティソフトに乗り換えた経験がある結果となり、また乗り換え経験が無い利用者は39.8%となりました。
セキュリティソフトを乗り換えた経験のある利用者に対し、その理由を調査したところ「利用料金に不満があったため」が37.6%となり、次いで「動作が重かったため」(28.2%)、「防御力・ブロック力・保護実感などに不安感があったため」(20.0%)と続く結果となりました。

図:セキュリティソフトを乗り換えた理由

図:セキュリティソフトを乗り換えた理由

家庭用ネットワークの保護にも取り組むセキュリティ意識の高い利用者のNPS®は高い傾向に

近年、PCやスマートフォンといった端末だけを狙ったサイバー攻撃や脅威以外に、家庭用ネットワークを狙い、インターネットに接続するIoT家電やゲーム機などの端末が攻撃に晒されるという事件が増えています。このことから、セキュリティソフト会社においても家庭用ネットワークの保護に向けた注意喚起や、関連商品の提供などがみられています。
上記のことから家庭用ネットワークに用いられるWi-Fiルーターについて、サイバー攻撃の脅威に晒さないような取り組みについて調査をしたところ、全体の56.7%がWi-Fiルーターのセキュリティ対策について取り組んでいるという結果となりました。また、Wi-Fiルーターのセキュリティ対策に取り組んでいる利用者の具体的な取り組み内容を分析したところ、「Wi-Fiルーターを常に最新のファームウェアにアップデートして利用している」が54.9%と最も高く、次いで「暗号化方式はWPA・WPA2・WPA3など高セキュアなものを利用し、WEPの接続は避けている」(34.3%)、「Wi-Fiルーターのパスワードを初期設定から変更して設定している」(33.5%)と続きました。
また、これらWi-Fiルーターのセキュリティ対策の実施有無別での利用者のNPS®を分析したところ、対策している利用者のNPS®は-16.7ポイントとなった一方、対策をしていない利用者のNPS®は-31.2ポイントとなりました。PCやスマートフォンなどの端末だけでなく、家庭のネットワークまで対策を取り、セキュリティの重要性を理解している利用者ほど、NPS®が高くなりました。このことから、セキュリティソフト会社においても家庭用ネットワークも含めたセキュリティの重要性を啓蒙していくことが、ロイヤルティ向上につながることが示唆される結果となりました。

図(左):Wi-Fiルーターのセキュリティ対策実施有無別NPS® (右):Wi-Fiルーターのセキュリティ対策実施有無の割合

図(左):Wi-Fiルーターのセキュリティ対策実施有無別NPS®
(右):Wi-Fiルーターのセキュリティ対策実施有無の割合

Windows Defenderの認知は62.7%

現在利用しているセキュリティソフトをインストールしているPCのOSおよびスマートフォンやタブレット等のデバイスについて調査したところ、「Windows10搭載のPC」で利用している利用者が79.1%となり突出する結果となりました。
また、Windows OS搭載のPCを所持する利用者に対して、Windows OSに標準搭載されているマルウェア対策ソフトのWindows Defenderについての認知を調査したところ、認知しているユーザーは62.7%、そのうち、中身についても理解している利用者は26.1%となりました。

図:Windows OS利用者におけるWindows Defenderの認知

図:Windows OS利用者におけるWindows Defenderの認知

推奨度が高いほど、継続利用意向も高い傾向に

対象のセキュリティソフトにおいて今後の継続利用意向を、0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.5ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.9ポイント、また「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は5.8ポイントとなり、推奨度が高いほど、継続利用意向が高くなる結果となりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

図:推奨セグメント別継続利用意向

<調査概要>

【セキュリティソフト】

  • 調査対象企業(アルファベット順、50音順): ESET(キヤノンマーケティングジャパン)、McAfee(マカフィー)、Norton(ノートンライフロック)、ZERO(ソースネクスト)、ウイルスバスター(トレンドマイクロ)、カスペルスキー(カスペルスキー)
  • 調査対象者: インターネットリサーチモニターのうち上記セキュリティソフト利用者
  • 調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2021/11/22(月)~2021/11/24(水)
  • 有効回答者数: 2,713名
  • 回答者の属性:
    • 【性別】男性:65.2%、女性:34.8%
    • 【年代】20代以下:6.7%、30代:13.5%、40代:21.9%、50代:21.7%、60代以上:36.2%

Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。