2018/8/8
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、銀行の利用者を対象に、顧客ロイヤルティを図る指標であるNPSのベンチマーク調査2018を実施しました。有効回答者数は6,995件でした。
<調査対象企業(50音順)>
イオン銀行、じぶん銀行、ジャパンネット銀行、新生銀行、住信SBIネット銀行、セブン銀行、ソニー銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、楽天銀行、りそな銀行
銀行業界13行のうち、NPSのトップは、2年連続で、住信SBIネット銀行(-21.0ポイント)となり、最下位の企業との差は42.2ポイントでした。銀行業界13行の平均は-43.7ポイントと、昨年比+1.1ポイントとなりました。
17の要因別に重要度および満足度を0~10の11段階できいたところ、重要度に比較して満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが最も大きかった)項目は、「サービスの対価に見合った合理的な手数料」となりました。
各行のNPS®においても、低い手数料や他行よりも高い金利がNPSを押し上げる一方、サービスの改変等による手数料増はNPSを押し下げる傾向が見られました。
2018年銀行部門NPS1位 住信SBIネット銀行インタビュー
NPSの上位3行について、「推奨理由」(自由記述)を分析したところ、共通して、利用者のライフスタイルに合致した特徴あるサービスを提供しており、中でも、他業界との連携や提携を含めたサービスが高い評価を得ていました。
1位の住信SBIネット銀行は、資産運用を実施しているユーザーの割合も高く、SBI証券との連携による高い利便性やネットバンキングの操作性のよさ、ギャップ項目となっていた手数料に関する高い評価が主な推奨理由となっていました。
同率で2位のA社、B社は、金利の高さやATMの利便性、グループのクレジットカードとの連携よさ、地域に密着したATM・店舗網など、それぞれの特徴あるサービスが評価される結果となりました。
「フィデューシャリー・デューティー」(顧客本位の業務運営)への取り組みが続く銀行業界において、対象となる利用者についてNPSを調査したところ、昨年に引き続き、資産運用等の取引のある利用者のほうが、該当取引の無い利用者よりもNPSが高い結果となりました。また、資産運用等の取引のある利用者に限定したNPSのトップは、住信SBIネット銀行の-10.1ポイントでした。
図 取引種別でみたNPS平均
資産運用等の取引のある利用者において、「フィデューシャリー・デューティー」(顧客本位の業務運営)の認知度は21.2%と昨年比+0.9%となりました。認知している利用者の認知経路としては、「金融機関のホームページでみたことがある」が60.3%と最も高くなりました。
図 フィデューシャリー・デューティーの認知経路
資産運用に関連し、投資信託の保有者に対し、保有している商品への理解を調査したところ、「十分理解している」と回答した保有者は46.4%と半数未満にとどまりました。
図 投資信託保有者の商品への理解
また、投資信託の商品への理解度別にNPSを分析したところ、「十分理解している」層のNPSが-1.6ポイントと最も高く、「理解していない」層は-44.2ポイント、という結果となり、商品への理解が深いほど、 NPSが高い傾向が見られました。
図 投資信託所有者の商品への理解別NPS
NPSベンチマーク調査2018、銀行業界部門で2年連続の第1位に輝いた住信SBIネット銀行株式会社。2016年に経営戦略の重要な指標の一つとして導入したNPSを、今年は現場にも展開。カスタマーセンターでの改善成功事例をトリガーに、各部門にNPSによる改善PDCAを展開しています。フィンテックの旗手でもある同社の、革新的な経営戦略と、その中でNPSが占める位置づけについてお伺いしました。
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。