【NPS®(顧客推奨度)ベンチマーク調査】
ネット証券おすすめランキング

マイページ・アプリでの取引や資産状況の把握のしやすさの改善を背景に業界全体のNPSは向上

2025/11/12

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、ネット証券を対象に顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は1,977件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象のネット証券の利用者が、友人や同僚、家族にそのネット証券を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。

調査対象企業(アルファベット順、50音順):
SBI証券、松井証券、マネックス証券、三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券)、楽天証券

ネット証券のNPSおすすめランキング1位は楽天証券

対象のネット証券5社のうち、NPSのトップは楽天証券(-5.4)、2位はSBI証券(-6.0)、3位は松井証券(-20.0)となりました。5社のNPS平均は-20.9、トップ企業とボトム企業との差は35.9ポイントとなりました。

NPS

取扱商品の豊富さやマイページ・アプリでの取引や資産状況の把握のしやすさがロイヤルティ醸成のポイントに

ネット証券全体におけるロイヤルティの要因を14の項目別に分析したところ、「取扱商品の豊富さ・魅力」や「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」がロイヤルティを醸成する要因となりました。また、「口座開設のしやすさ・早さ」や「マイページやアプリでの取引のしやすさ」、「マイページやアプリでの資産状況の把握のしやすさ」もNPSを高める要因となりました。

一方で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、「商品の特性、手数料、リスク等の説明のわかりやすさ」や「資産運用に対する期待通りの成果」となりました。

図:ネット証券全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

図:ネット証券全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/net-sec/inquiry/

楽天証券は「マイページやアプリでの取引のしやすさ」や「マイページやアプリでの資産状況の把握のしやすさ」がロイヤルティに影響を与える結果となり、NPS1位につながりました。2位のSBI証券は「取扱商品の豊富さ・魅力」や「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」において、3位の松井証券は「企業イメージ・ブランドイメージのよさ」において高い評価を獲得しました。

マイページ・アプリでの取引や資産状況の把握のしやすさの改善を背景に業界全体のNPSは向上

ネット証券全体におけるNPSの変化を分析したところ、2020年以降NPSが上昇傾向にあり、2023年から2025年にかけては9.2ポイント上昇しました。

図:ネット証券全体のNPSの経年推移

図:ネット証券全体のNPSの経年推移

ネット証券全体におけるNPS上昇の要因を分析したところ、2023年と比較して2025年には「口座開設のしやすさ・早さ」や「マイページやアプリでの取引のしやすさ」、「マイページやアプリでの資産状況の把握のしやすさ」の満足度が向上し、かつロイヤルティへの影響度が高まりました。「資産運用に対する期待通りの成果」の満足度もやや向上しており、主要な株価指数が上昇基調にある中、マイページやアプリのCXの改善がみられたことが、ネット証券のNPSが上昇した一因とみられます。

図:事業種別にみた、新NISA口座の開設の仕方

図:ネット証券全体のロイヤルティの要因分析(2023年と2025年比較)
(詳細な分析結果は、ダウンロード資料にてご覧いただけます)

ネット証券利用者は対面証券利用者と比較して証券会社による不正アクセス防止の取り組みの認知率が高い

2025年初頭から、証券会社の口座を狙った不正アクセスと不正取引が急増しました。これを受けて、証券各社では多要素認証の必須化や取引履歴の通知、AIによる不正検知などのセキュリティ対策強化の取り組みが進められています。そこで、証券口座への不正アクセス問題について知っているかと調査したところ、ネット証券においては「よく知っている」と回答した割合が24.2%、「ある程度知っている」は47.5%となり、対面証券と比較して認知率が高い結果となりました。

図:証券口座への不正アクセス問題の認知状況(事業種別)

図:証券口座への不正アクセス問題の認知状況(事業種別)

また、証券各社からセキュリティ対策や不正アクセス防止に関する注意喚起や情報提供を受けた手段について調査したところ、ネット証券において最も高いのは電子メール(67.9%)、次いで「アプリ内の通知(プッシュ通知)」(38.5%)となり、対面証券と比較して高くなりました。対面証券においては、「ウェブサイトのお知らせ」(31.6%)が2番目に高く、「郵送物」(16.7%)や「担当者からの電話や直接連絡」(10.5%)も一定数みられました。

図:証券会社からのセキュリティ対策や不正アクセス防止に関する注意喚起や情報提供を受けた手段(事業種別)

図:証券会社からのセキュリティ対策や不正アクセス防止に関する注意喚起や情報提供を受けた手段(事業種別)

さらに、多要素認証やログイン通知サービス、AIによる不正検知システムといった証券会社によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについて知っているかを調査したところ、ネット証券においては認知率が90.3%となり、対面証券と比較して高くなりました。

図:証券会社によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みの認知率(事業種別)

図:証券会社によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みの認知率(事業種別)
(具体的な認知内容についてはダウンロード資料にてご覧いただけます)

また、ネット証券によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについての認知有無別にNPSを分析したところ、知っている人はそうでない人と比較してNPSが高い傾向がみられました。セキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについての認知を促進することの重要性が示唆される結果となりました。

図:ネット証券におけるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについての認知有無別にみたNPS

図:ネット証券におけるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについての認知有無別にみたNPS

推奨度(友人や同僚におすすめできるか)が高いほど、継続利用意向も高い傾向に

対象のネット証券において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.6、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.2、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.5となり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

図:推奨セグメント別継続利用意向

<調査概要>

【ネット証券】

  • 調査対象企業(アルファベット順、50音順): SBI証券、松井証券、マネックス証券、三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券)、楽天証券
  • 調査対象者: インターネットリサーチモニターのうち上記ネット証券において過去1年以内に取引経験がある人
  • 調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2025/10/1(水)~ 2025/10/7(火)
  • 有効回答者数: 1,977名
  • 回答者の属性:
    • 【性別】男性:75.9%、女性:24.1%
    • 【年代】20代以下:16.4%、30代:20.7%、40代:25.7%、50代:17.6%、60代以上:19.6%

※NPSの値は小数点第 2 位を四捨五入しており、同値の場合、ランキングで同順位としている

Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。