【NPS®(顧客推奨度)ベンチマーク調査】
対面証券おすすめランキング

証券会社から市場動向急変時の案内を受けて不安が解消された人のNPSは高い

2025/11/05

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、対面証券を対象に顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は1,858件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象の対面証券の利用者が、友人や同僚、家族にその対面証券を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。

調査対象企業(アルファベット順、50音順):
SMBC日興証券、大和証券、野村證券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券

対面証券のNPSおすすめランキング1位はSMBC日興証券

対象の対面証券5社のうち、NPSのトップはSMBC日興証券(-38.4)、2位は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(-41.6)、3位は大和証券(-43.3)となりました。5社のNPS平均は-42.3、トップ企業とボトム企業との差は5.9ポイントとなりました。

NPS

担当者のヒアリング力や提案力や情報提供、アフターフォローにおいて改善が期待される結果に

対面証券全体におけるロイヤルティの要因を18の項目別に分析したところ、「お客様に寄り添う姿勢・大切にする姿勢」や「問い合わせ時の応対のよさ」がロイヤルティを醸成する要素となりました。

一方で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、「資産運用に対する期待通りの成果」に加え、「資産運用に役立つ情報提供(世界経済・為替の動き・税制・制度変更等)」、「アフターフォローの手厚さ(継続的な訪問や電話・再提案等)」となりました。さらに、「資産状況や投資方針、ニーズに対するヒアリング力」や「自分に合った商品・サービスの提案力」、「商品の特性、手数料、リスク等の説明のわかりやすさ」といった担当者に関する項目についても、今後の改善が期待される結果となりました。また、「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」は昨年度は優先改善項目だったものの、今年度においてはロイヤルティへのインパクトが低下し、注意観察項目に移行しました。

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/sec/inquiry/

SMBC日興証券は「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」の評価がロイヤルティに影響を与える結果となり、NPS1位につながりました。2位の三菱UFJモルガン・スタンレー証券は「資産状況や投資方針、ニーズに対するヒアリング力」などの担当者に関連する項目において、3位の大和証券は「お客様に寄り添う姿勢・大切にする姿勢」において高い評価を獲得しました。

市場動向急変時に証券会社からの案内を受けて不安が解消された人のNPSは高い傾向に

昨今、地政学的リスクの高まりや世界経済の不確実性などを背景に市場動向が変動しやすくなっているなか、2025年4月頃の市場動向急変時において、対象の証券会社から案内や通知を受けたかどうかを調査しました。その結果、市場動向急変に関する案内や通知を受けた割合は46.0%となりました。また、案内や通知を受けた内容についてみると、①「株価が下落している旨の注意喚起のみの案内や通知」が14.7%となり、②「①に加えて、下落の要因や市場の動向に関する案内や通知」は21.7%となり、③「①、②に加えて、下落の際の対処方法や心構えに関する案内や通知」は7.5%にとどまりました。NPS上位のSMBC日興証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券においては、市場動向急変に関する案内や通知を受けた割合が高くなりました。

図:2025年4月頃の市場動向急変に関する案内や通知の受け取り状況

図:2025年4月頃の市場動向急変に関する案内や通知の受け取り状況

さらに、市場動向急変に関する案内や通知を受けて、不安の解消につながったかどうかを調査したところ、「不安が解消された」と回答した割合は33.4%となりました。「不安が解消されなかった」(25.1%)や「余計不安になった」(10.4%)も一定割合みられました。さらにNPSについても分析したところ、株価急落に関する案内や通知を受けて「不安が解消された」人のNPSは13.9と、他の回答者と比較して高くなりました。

左図:市場動向急変に関する案内や通知を受けての不安の変化 右図:市場動向急変に関する案内や通知を受けての不安の変化別にみたNPS

左図:市場動向急変に関する案内や通知を受けての不安の変化
右図:市場動向急変に関する案内や通知を受けての不安の変化別にみたNPS

証券会社によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みを知っている人はNPSが高い傾向に

2025年初頭から、フィッシング詐欺やマルウェアによる情報窃取等を原因とした、証券口座の不正アクセスと不正取引が急増しました。これを受けて、証券各社では多要素認証の必須化や取引履歴の通知、AIによる不正検知などのセキュリティ対策強化の取り組みが進められています。そこで、証券口座への不正アクセス問題について知っているかと調査したところ、「よく知っている」と回答した割合が19.9%、「ある程度知っている」は45.3%、「聞いたことがある」は25.1%となりました。

図:証券口座への不正アクセス問題の認知状況

図:証券口座への不正アクセス問題の認知状況

また、証券各社によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについて知っているものを調査したところ、最も高いのは「多要素認証・2段階認証」(58.2%)となりました。次いで「ログイン通知サービス」(37.5%)、「生体認証」(31.7%)となりました。

図:証券会社によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みの認知内容

図:証券会社によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みの認知内容

さらに、証券会社によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについての認知有無別にNPSを分析したところ、知っている人はそうでない人と比較してNPSが高い傾向がみられました。セキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについての認知を促進することの重要性が示唆される結果となりました。

図:証券会社によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについての認知有無別にみたNPS

図:証券会社によるセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについての認知有無別にみたNPS

推奨度(友人や同僚におすすめできるか)が高いほど、継続利用意向も高い傾向に

対象の対面証券において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.5、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.9、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.0となり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

図:推奨セグメント別継続利用意向

<調査概要>

【対面証券】

  • 調査対象企業(アルファベット順、50音順):SMBC日興証券、大和証券、野村證券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  • 調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち上記証券会社において過去1年以内に取引経験がある人
  • 調査方法:NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間:2025/10/1(水)~ 2025/10/7(火)
  • 有効回答者数:1,858名
  • 回答者の属性:
    • 【性別】男性:70.0%、女性:30.0%
    • 【年代】20代以下:12.6%、30代:13.8%40代:17.8%、50代:15.1%、60代以上:40.6%

※NPSの値は小数点第 2 位を四捨五入しており、同値の場合、ランキングで同順位としている

Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。