2025/07/30
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、代理店型自動車保険を対象に顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施しました。有効回答者数は2,203件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象の自動車保険の利用者が、友人や同僚、家族にその自動車保険を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。
<調査対象企業(アルファベット順、50音順)>
AIG損保(旧 富士火災)、あいおいニッセイ同和損保、損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上
対象の代理店型自動車保険5社のうち、NPSのトップは東京海上日動(-34.5)、2位は三井住友海上(-45.3)、3位はあいおいニッセイ同和損保(-53.9)となりました。5社のNPS平均は-50.5、またトップ企業とボトム企業との差は26.8ポイントとなりました。
ロイヤルティの要因を20の項目別に分析したところ、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」に加え、「保険商品の魅力・充実度」や「事故解決サービスの充実度」といった商品性に関する項目がロイヤルティを醸成する要因となりました。また、「事故時の初期対応、事故解決等の対応スピードの速さ・スムーズさ」、「事故発生から保険金のお支払いまでのお客様に寄り添った対応や問題の解決力」といった事故対応に関する項目もNPS向上に寄与しました。
一方で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、「お客様に寄り添う姿勢、お客様の声に耳を傾ける姿勢」や「最適なプランの探しやすさ、プランのカスタマイズのしやすさ」となりました。
図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/carinsurance/inquiry/
東京海上日動は、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」に加え、「事故解決サービスの充実度(事故受付の対応時間、サポート体制等)」や「担当者の説明のわかりやすさ」がロイヤルティに影響を与える結果となり、NPS1位につながりました。また、「Webサイトでの説明のわかりやすさ(補償内容や保険金請求条件、サポート体制など)」においても高い評価を獲得しました。2位の三井住友海上においては、「事故時の初期対応、事故解決等の対応スピードの速さ・スムーズさ」や「保険金請求手続き・支払いのスムーズさ」について、3位のあいおいニッセイ同和損保においては、「事故発生から保険金のお支払いまでのお客様に寄り添った対応や問題の解決力」や「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」についてそれぞれ評価され、NPS上位となりました。
昨今、自動車保険業界において、カルテル(保険料の事前調整)や顧客情報漏えいに関する問題が報道されました。それぞれについて認知状況を調査したところ、いずれも最も割合が高いのは「聞いたことがある」となり、「よく知っている」もしくは「ある程度知っている」と回答した割合は3割弱となりました。
図:コンプライアンス問題の認知状況
コンプライアンス問題を受け、自動車保険会社が実施している問題の再発防止に向けた取り組みの認知状況を調査したところ、「よく知っている」は3.1%、「ある程度知っている」は10.4%にとどまり、「よく知らない」が38.4%と最も多い結果となりました。
図:コンプライアンス問題の再発防止に向けた取り組みの認知状況
また、コンプライアンス問題の再発防止に向けた取り組みの認知状況別にNPSを分析したところ、「よく知っている」もしくは「ある程度知っている」人におけるNPSは-5.7と高く、認知度が高いほどNPSも高い傾向がみられました。契約者に向けて、再発防止に向けた具体的な取り組みをわかりやすく伝えることの重要性が示唆されました。
図:コンプライアンス問題の再発防止に向けた取り組みの認知状況NPS
昨今の車両の修理費や人件費の高騰に伴い、2025年より自動車保険各社で実施された保険料の引き上げや、今後も値上げが予定されていることについて知っていたかどうかを調査したところ、全体の42.3%が値上げについて知っていたと回答しました。
図:保険料値上げについての認知率
保険料の値上げの認知有無別に、直近1年以内の契約会社の切り替え状況について調査したところ、値上げを知っていた人においては、値上げを知らなかった人と比較して「切り替えを検討したが、切り替えなかった」と回答した割合がやや多いものの、自動車保険会社を切り替え状況に大きな違いはみられませんでした。
図:保険料値上げについての認知有無別にみた、1年以内の契約会社切り替え状況
また、保険料の値上げの認知有無別に、直近1年以内の契約内容の変更状況について調査したところ、値上げを知っていた人において契約内容の変更を行った人は30.7%となり、値上げを知らなかった人(15.7%)と比較して割合が高くなりました。具体的に変更した内容を調査したところ、「特約(弁護士費用特約、ロードサービス特約など)を変更した」人や「補償内容(対人・対物賠償の金額変更、人身傷害の追加・削除など)を変更した」人が多くなりました。値上げによって、契約会社の切り替えには大きな影響はないものの、契約内容の見直しの動きがみられる結果となりました。
図:保険料値上げについての認知有無別にみた、1年以内の契約変更内容
対象の代理店型自動車保険会社において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.3、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.7、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.7となり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となりました。
図:推奨セグメント別継続利用意向
【代理店型自動車保険】
※NPSの値は小数点第2位を四捨五入しており、同値の場合、ランキングで同順位としている
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。